「根性論」の版間の差分

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また、日本においては近年まで、プロスポーツや実業団スポーツの世界ですら、「根性と練習と実戦経験は何物にも勝る」という思想を至上とする指導者や解説者・関係者が多く、[[スポーツ科学]]や[[スポーツ医学]]が無視され、貶められてきた感は否めない。その結果、多くのスポーツの現場で「短時間で終わる、効率的で効果のあるトレーニング」を「怠けである」として否定し、プロ選手ですら長時間で過酷な練習を強いる状況が見られてきた。
 
特に有名な例としては、[[立花龍司]]が[[プロ野球]]の[[大阪近鉄バファローズ|近鉄バファローズ]]でトレーニングコーチ職として選手を指導していた際のことが知られる。前任監督で立花の指導法に理解のあった[[仰木彬]]の後に監督に就任した[[鈴木啓示]]が声高に主張したトレーニング法はおよそ前時代的な根性論であり、立花の指導法を「選手を甘えさせるもの」として否定し対立。結果的に立花は満足の行く指導ができなくなり、鈴木政権の2年目で辞表を出し近鉄を去った。立花の理論的なトレーニングに信頼を寄せ実践していた[[野茂英雄]]や[[吉井理人]]も、根性論に基づいた指導ばかり繰り返す監督、そして球団に戸惑いと不信感を抱き対立(野茂は大リーグへ去った)。結局はこれらが要因となってチームは低迷期に陥り、翌シーズンには鈴木自身が休養を理由に監督業を途中で放棄することとなった。ちなみに、立花トレーニングコーチ退団の痛手は小さくなく、これ以降、近鉄投手陣は低迷を続け、[[2004年]](平成16年)の球団消滅まで仰木時代の球団防御率の平均値である3.70を上回ることは一度もなかった(2001([[2001]]にはパリーグで優勝しているが、この時の防御率はパリーグ最下位であった)。
 
当人が根性論を重んじ、この信念に基づいた行動を自ら取る限りは、どのような結果が出ようとも当人の自由であり自己責任ともいえる。だが、学校教育活動の場などで、責任者がこのような誤った危険なトレーニング法を根性論を振りかざして強行していた場合は責任問題となる。