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{{Otheruses|[[日本の公務員|公務員]]の免職|[[民間企業]]の解雇|懲戒解雇}}
{{law}}
'''免職'''(めんしょく)とは、[[任命権者]]が公務員の'''職'''を一方的に'''免'''じ(解き・剥奪し)[[身分]]を失わせる処分をいう。なお通常、免職という表現は公務員に対して使われ、民間企業では[[解雇]]という表現が多い。
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== 懲戒免職 ==
懲戒免職(ちょうかいめんしょく)とは、職場内の綱紀粛正及び[[規律]]と[[社会秩序|秩序]]の[[メンテナンス|維持]]を目的として[[懲罰]]の意味で行う免職のことであり、職務に関するあらゆる懲戒処分の中で最も重い処分である。具体的には、法規違反や職務上の義務違反、職務懈怠、全体の奉仕者としてふさわしくない非行(要するに民事・刑事に関わらず[[犯罪]]を犯す)などを理由に行う。
 
任命権者は懲戒免職を行う前に、[[国家公務員]]は[[人事院]]、[[地方公務員]]は[[人事委員会]]もしくは[[公平委員会]]へ[[解雇#解雇の予告|解雇予告]]の除外を申請し、認定が得られた場合には通常の[[退職金|退職手当]]を支給せず、即日(即時)に免職できる。この認定が得られない場合には、免職の際に[[解雇#解雇予告手当|解雇予告手当]]にあたる「予告を受けない退職者の退職手当」を支給しなければならない。<!--この点は、認定機関が違いこそすれ民間企業とまったく同じ手続きである。-->
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懲戒免職の宣告を受けた場合、その対象が20歳以上の[[成人]]では多くの場合で氏名や職名などが公表され<ref>(例)[http://www.mod.go.jp/j/press/news/2012/06/08c.html 懲戒処分の公表](防衛省HP,「お知らせ」項)</ref><ref>[http://www.jinji.go.jp/kisoku/tsuuchi/12_choukai/1203000_H15sousan786.htm 懲戒処分の公表指針について](平成15年人事院事務総長発)、ただし、20歳未満の者で懲戒免職に処された場合は本人の将来性などを考慮して公表されない場合もあるが、最終的な判断は任命権者の裁量に委ねられる</ref>、再就職も非常に困難となる。また、公務員は[[雇用保険]]に加入しないため、同制度上の[[失業給付]]を受けることもできず、再就職しない限り収入を得る手段がまったくなくなる。さらに、宣告を受けた日から2年間、国家公務員の場合は国家公務員に、地方公務員の場合は当該地方公共団体の地方公務員に就職することはできない(国家公務員法・地方公務員法ともに『欠格事項』として定められている)。[[共済組合#長期給付|年金]]も、職域年金相当部分の額の2分の1が60か月間支給停止される。
 
以上のようにきわめて厳しい処分であるため、その運用は厳格に定められており、民間企業であれば確実に[[懲戒解雇]]となるような行為であっても、多くの場合は停職以下の処分や諭旨免職(後述)相当の処分となる。このため、懲戒免職となるのはきわめて悪質なケース<ref>公務員の本質に反する事例(例えば[[薬物]]所持及び使用・[[窃盗罪|窃盗]]など)</ref>に限られている。
 
== 分限免職 ==
[[分限処分|分限]]免職(ぶんげんめんしょく)は、公務員に対する「身'''分'''保障の'''限'''界」という意味で、組織の能率的運営の維持・確保を目的として行われる免職のこと。具体的には、財政悪化などに伴う人員の整理削減(いわゆる[[リストラ]])、[[事故]]・[[災害]]による[[死亡]]または長期間の[[行方不明]]、心身の[[故障]]等による職務への従事不能・勤務成績不良、公務員として適格性を欠くことなどを理由に行う。通常の退職手当が満額支給されるが行方不明の場合、その理由が単なる出勤拒否や職務の放棄、[[借金]]取り立ての回避など、著しく正当性を欠いている場合には職務懈怠として懲戒免職になることがある。[[社会保険庁]]が[[日本年金機構]]に移行した際に、[[懲戒処分]]を受けた社会保険庁職員に対して、大量の分限免職者が発生した。
 
== 諭旨免職(依願退職) ==
諭旨免職(ゆしめんしょく)とは、任命権者が公務員の非行を諭し、自発的に辞職するように促す[[退職勧奨]]の通称。
 
趣旨としては懲戒に近いものがあるものの、[[履歴書]]上の扱いは免職ではなく'''[[自己都合退職]]'''となる。具体的には、停職以下の懲戒処分にしたうえで自己都合退職を認める形態をいう。退職手当は懲戒処分により一定割合を減額したうえで支給されるが、処分が国家公務員法・地方公務員法上の懲戒処分未満(訓告や注意など)の場合は減額されない。免職と呼びながら通常の退職手当が支給されることに世間から非難があったため、現在ではこの用語は使われず、報道では「[[停職]]6ヶ月の処分となり、同日付で依願退職した」などと表現される。また[[日本の警察|警察]]組織を中心に諭旨免職者に対して再就職先が斡旋されることも多い<ref>ただし再就職先で免職前の公務員時代より高い[[給与]]を得られることは稀である</ref>。
 
「諭」と「論」の字が似ていることから、誤って「論旨免職」と書かれることがある。この誤用はかなり広まっており、マスコミや一般書、さらには[[裁判]]の判決文にすら見られることがある。
 
== 根拠法規及び参考文献 ==
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== 関連項目 ==
{{wiktionary}}
*[[懲戒処分]]
*[[分限処分]]
*[[解雇]]・[[懲戒解雇]]
*[[罷免]]・[[更迭]]
*[[不祥事]]