「水酸化ナトリウム」の版間の差分

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[[水]]に易溶(20 {{℃}} での[[溶解度]]は 1110&nbsp;g&nbsp;dm<sup>−3</sup>)。水中で完全に[[電離]]し[[水酸化物イオン]]を放出するため、強い[[アルカリ性]]を示す。また、水に溶かす際に激しく発熱し (溶解熱は 44.5&nbsp;kJ&nbsp;mol<sup>−1</sup>)、その[[水和]]および溶解[[エンタルピー]]変化は以下の通りである<ref name="Parker">D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).</ref>。水に溶かすと大量の熱を出す性質を利用し、水酸化ナトリウム水溶液を作る際、一気に多量の水に溶かすのではなく、まず少量の水に水酸化ナトリウムを溶かして水溶液の温度を上昇させ、水酸化ナトリウムを溶かしきってから水を加え、目的の濃度と量になるよう希釈するという方法がとられる(こうすることで、外部から熱を与えずに効率よく水溶液を作ることができる)。水溶液を濃縮すると一[[水和物]] NaOH・H<sub>2</sub>O が析出する。
 
: <cechem>NaOH (s)\ + H2O (l)\ <=>\ NaOH{\cdot} . H2O (s)\ ,</cechem> <math>\Delta H^\circ = -23.10 \mbox{kJ mol}^{-1}</math>
: <cechem>NaOH (s)\ <=>\ Na^+ (aq)\ + OH^- (aq)\ ,</cechem> <math>\ \Delta H^\circ = -44.51 \mbox{kJ mol}^{-1}</math>
 
[[二酸化炭素]]を吸収する能力が強く、水溶液は実験室においてその吸収剤として用いられる。
: <cechem>2 NaOH\ + CO2 -> Na2CO3\ + H2O</cechem>
 
市販の製品は多少の[[炭酸ナトリウム]]を含んでいる(空気中の[[二酸化炭素]]と反応して表面に生成されるものも含む)が、50 % (d = 1.52 g cm<sup>−3</sup>, 19 [[濃度#物質量/体積(モル濃度)|mol&nbsp;dm<sup>−3</sup>]]) 程度の濃厚水溶液では、炭酸ナトリウムはほぼ完全に沈殿しこれを含まない水溶液の調整が可能となるため、[[分析化学]]において[[中和滴定]]などに用いられる。
 
また、[[両性元素]]である[[アルミニウム]]と反応して[[アルミン酸ナトリウム]]水溶液を生成し[[水素]]を発生する。その他、[[亜鉛]]および[[ガリウム]]などもアルミニウムより反応性は低いが濃水酸化ナトリウム水溶液と徐々に反応する。
: <cechem>2 NaOH\ + 2Al\ + 6H2O -> 2Na[Al(OH)_4]\ + 3H2</cechem>
 
なお、強いアルカリは[[アミド結合]]([[ペプチド結合]])を[[加水分解]]するので、[[タンパク質]]を腐食する作用を持つ。したがって、皮膚等に付着したまま放置すると火傷のような(ぬるぬるする)症状を起こすので、付着した場合は即座に水で、きれいに洗い流す。水酸化ナトリウムを完全に除去しないと、皮膚の深部まで徐々に侵していく性質がある。水溶液の場合は徐々に水分を失って濃度が高くなり、またフレーク(固体)の場合は[[潮解性]]によって強いアルカリ性を示す。ちなみに、皮膚がぬるぬるするのは、皮膚の[[タンパク質]]が水酸化ナトリウムによって溶かされているためである。特に、眼に入った場合失明のおそれがあるので、取扱いには注意を要する。万が一身体に付着した場合はこすらずに大量の水で洗い続け、医師の治療を受ける。
== 製法 ==
* [[水酸化カルシウム]](消石灰)と[[炭酸ナトリウム]]の[[複分解]]反応(2つの水溶液を混ぜて加熱)。実験室ではこの方法が使いやすい。
: <cechem>Ca(OH)2\ + Na2CO3 -> 2NaOH\ + CaCO3 (s)</cechem>
 
* [[塩化ナトリウム]]水溶液の[[電気分解]]によって得られる。
: <cechem>2NaCl\ + 2H2O -> Cl2\ + H2\ + 2NaOH</cechem>
 
: 陰極 <cechem>2H2O\{} + 2\mathit{e}^- -> H2\{} + 2OH^-</cechem>
: 陽極 <cechem>2Cl^- -> Cl2\{} + 2\mathit{e}^-</cechem>
 
工業的には[[塩化ナトリウム]]を原料として、[[イオン交換]]と[[電気分解]]とを併用する[[イオン交換膜法]]によって製造する。したがって、[[塩素]]と水酸化ナトリウムのどちらか一方だけを選択的に得ることはできない。なお、歴史的にはイオン交換膜法以外に、水銀法や隔膜法が利用されてきた。日本国内では[[水俣病]]発生以降、水銀法が規制されて隔膜法が主流になり、その後、全量がイオン交換膜法によって製造されるようになった。
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