「三重水素」の版間の差分

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=== 熱核反応(核融合反応)の燃料として ===
二重水素 (D) と三重水素 (T) の[[原子核融合|核融合反応]]である熱核反応(D-T反応)は、二重水素同士の熱核反応(D-D反応)に比べて反応に必要な温度・圧力条件が低い。
: <cechem>{^3_1H} + {^2_1H} -> {^4_2He} + n</cechem>
そのため、1952年の[[核実験]]にて[[エニウェトク環礁]]の一つの小島を消滅させた水爆の原理の中では、D-D反応を起こすための中間の起爆反応として用いられた<ref>[[#原水爆|原水爆実験 (1957)]] pp. 194–197</ref>。現在では、三重水素は、[[ITER]]をはじめとする[[核融合炉|核融合実験炉]]においては[[核燃料]]として研究されている。
 
 
ほかには、[[ウラン235]] ({{sup|235}}U) 或いは[[プルトニウム239]] ({{sup|239}}Pu) が中性子と反応した時に起こる三体核分裂によっても生じる。また、[[制御棒]]に使用される[[ホウ素]]同位体 {{sup|10}}B が、高速中性子を捕獲することでも生じる。
: <cechem>{^{10}_5B} + n -> 2{^4_2He} + {^3_1H}</cechem>
生成量は原子炉ごとに異なるとされるが、一年間の運転で加圧水型軽水炉内には約200兆ベクレル (2 × 10{{sup|14}} Bq)、沸騰水型軽水炉では約20兆ベクレル (2 × 10{{sup|13}} Bq) が蓄積する<ref>[http://www.cnic.jp/modules/radioactivity/index.php?cat_id=1 トリチウム] 原子力資料情報室 (CNIC)</ref>。しかしながら、トリチウム水(HTO)は、化学的性質が水(H<sub>2</sub>O, HHO)とほぼ同一であるため、化学的には水とトリチウム水を分離することはできない<ref>一般的な溶媒である水そのものであるため、化学反応により溶媒に不溶性の化合物を作り[[沈殿]]させ、それを[[ろ過]]するという手法などが使えない。</ref>。ただし物理的な[[同位体効果]]を利用した分離技術は確立されており<ref>水素は同位体の質量比がすべての元素の中で最も大きく、同位体分離が一番容易であると言われる。[[#資料(2014)|資料(2014)]] p.29</ref>、トリチウム含有水の[[蒸留]]や[[電気分解]]、[[同位体交換法]]など、いくつか分離方法が存在する<ref>[[#資料(2014)|資料(2014)]] pp.29-38、[[#磯村 (1981)|磯村 (1981)]]</ref>。しかしそれでも大量かつ極めて低濃度の水からトリチウム水だけ、分離してまとまった量を回収することはコスト的に非常に困難である<ref>現在もっとも多くのトリチウムを生成している施設は[[原子炉]]の一種である[[CANDU炉]]である。CANDU炉では重水を冷却と減速材に使用するため、重水中の重水素が中性子を吸収することにより生じる。トリチウムの回収はCANDU炉使用の上で重大な問題であり、回収されたトリチウムは科学的、あるいはその他の目的に使用されるが、一部は環境中に放出される。実際、カナダの[[ブルース原子力発電所]]や韓国の[[月城原子力発電所]]周辺では環境中トリチウム濃度の増加が観測されている。</ref><ref>膨大な汚染水から低濃度のトリチウムを分離するのは溶媒が水であるがために難しく、原子力施設から環境中に放出されたトリチウムは2015年現在の技術では除染できない核種である。
{{see also|福島第一原子力発電所事故#ALPS}}</ref>。
====自然界での生成====
[[宇宙線]]の[[中性子]]または[[陽子]]が大気中の[[窒素]]または[[酸素]]と核反応し、地表面積あたり毎秒0.2[個/cm{{sup|2}}⋅sec] 程度の割合で三重水素が生成している。地球の表面積を 5.1×10{{sup|14}}[m{{sup|2}}]とすると、トリチウムの年間生成量は約72[PBq](P=10{{sup|15}})となる<ref>[[#宇田(2009)|宇田(2009)]]</ref>。[[放射性崩壊]]と天然生成量が平衡にある時、その同位対比は地表に存在する水素原子の 10{{sup|−18}} に相当し、これを1 TU (Tritium Unit) と定めている。
:<cechem>{^{14}N} + {^1n} -> {^3H} + {^{12}C}</cechem>
:<cechem>{^{16}O} + {^1n} -> {^3H} + {^{14}N}</cechem>
 
==製造==
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