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|英名 =Pink salmon
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'''カラフトマス'''(樺太鱒、学名:''Oncorhynchus gorbuscha''、英名:pink salmon、humpback salmon)は、[[サケ科]]サケ属の回遊魚。生鮮魚介類として流通する場合には'''アオマス'''と称されることもある<ref name="jfa">{{Cite web|url=http://www.jfa.maff.go.jp/j/kakou/hyouzi/pdf/beppyou1.pdf|title=魚介類の名称表示等について(別表1)|publisher=水産庁|accessdate=2013-05-29}}</ref>。このほか別名に'''セッパリマス'''などがある。アラスカなどでは'''ピンクサーモン'''とも呼ばれる。また、北海道の一部産地ではオホーツクサーモンというブランド名で呼ばれている<ref>蛯谷幸司、成田正直、小玉裕幸 ほか、[http://www.hro.or.jp/list/fisheries/marine/att/74-ebitani.pdf カラフトマス山漬けの製造中の成分変化について] 北水試研報 74, 19-24 (2009)</ref>
北海道の一部産地ではオホーツクサーモンというブランド名で呼ばれている。
 
== 分布 ==
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== 生態 ==
基本的に生まれた川に溯上し産卵するが、母川回帰性は弱く迷って違う川に遡上する事も多い。日本での遡上の南限記録は太平洋側で岩手県、日本海側は新潟以北。主にオホーツク海と根室海峡に流入する河川に遡上する。遡上時期は河川により変化するが、7月から遡上が始まり砂礫質の水通しの良い河床を選び8月から10月に産卵し、産卵後は寿命を終える。孵化した稚魚は河川ではあまり餌を捕食せず、産卵の翌年4月から5月に降海する。
孵化した稚魚は河川ではあまり餌を捕食せず、翌年4月から5月に降海する。
 
1962年から1967年にかけ北海道[[知内川]]、[[遊楽部川]]で行われた調査によれば、[[産卵床]]は水深6cmから36cm、大きさは長径で80cmから170cm程度、短径は35cmから90cm。産卵床が作られる箇所の流速は、[[サケ|シロザケ]]よりも流速が速い箇所が多く産卵床の位置や水質で棲み分けがされている<ref>{{PDFlink|[http://salmon.fra.affrc.go.jp/kankobutu/srhsh/data/srhsh214.pdf サケとカラフトマスの産卵環境]}} - 独立行政法人 水産総合研究センター さけますセンター</ref>。流速の速い場所を選ぶのは、稚魚がサケと比較した場合、より豊富な酸素を必要とするためとされている。シロザケと産卵床を形成する場所の棲み分けは成されているが、交雑が生じ漁業関係者の間でサケマスと呼ばれるシロザケとの交雑個体が捕獲される事があり、外見は双方の特徴を併せ持っている<ref>市村政樹、柳本卓、小林敬典 ほか、[httphttps://dx.doi.org/10.2331/suisan.77.834 北海道東部根室海峡周辺で採集された「サケマス」のDNA 分析による交雑判別] 日本水産学会誌 Vol.77 (2011) No.5 P834P.834-844, {{doi|10.2331/suisan.77.834}}</ref>。
 
自然繁殖での卵から降海するまでの生存率は0.1 - 40%40% 程度。人工孵化での採卵から放流までの生存率は約80%。
 
シロザケと並び最も海洋生活に適合した種であるとされるが、人為的に移入された北米の五大湖では淡水の環境で陸封型が繁殖し、世代を重ねている。
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[[File:PinkSalmon1.jpg|thumb|200px|釣り上げられたカラフトマス]]
[[File:Икра горбуши.jpg|200px|thumb|[[カナッペ]]に使われているイクラ]]
 
=== 漁業 ===
かつてはオホーツク海、ベーリング海での「北洋さけ・ます漁業」により捕獲されていたが、現在では沿岸での[[定置網]]及び遡上河川での捕獲が主流である。漁期は夏から冬。サケに次ぐ漁獲量、<ref>{{PDFlink|[http://kokushi.job.affrc.go.jp/H19/H19/H19_56.pdf さけ・ます類の漁業と資源調査(総説)]}} - 水産総合研究センター</ref><ref>{{PDFlink|[http://kokushi.job.affrc.go.jp/H19/H19/H19_57.pdf カラフトマス]}} - 水産総合研究センター</ref>である。
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味噌仕立ての鍋は鱒鍋と呼ばれ、カラフトマスの漁獲の多い地域では[[石狩鍋]]より好まれる場合がある。
 
山漬や塩マスなどに塩蔵加工すると、ほどよく脱水・熟成され美味である。塩鱒は焼魚以外にはさみ漬けや鱒漬け等の[[漬物]]の原料としても珍重される。卵は[[筋子]](すじこ)として加工される。[[イクラ]]に加工したものはマス子と呼ばれ[[外食産業]]を中心に流通している。また、[[マルハニチロ]]の[[あけぼの]]ブランドの鮭缶には、このカラフトマスがデザインされていることでも有名
 
卵は[[筋子]](すじこ)として加工される。[[イクラ]]に加工したものはマス子と呼ばれ[[外食産業]]を中心に流通している。
 
また、[[マルハニチロ]]の[[あけぼの]]ブランドの鮭缶には、このカラフトマスがデザインされていることでも有名。
 
== 関連項目 ==