「近似値」の版間の差分

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異なる[[位取り記数法|N進法]]に置き換えた場合でも、近似値は発生する。
 
;差が小さい場合
例えば、[[十進法]]の「10/100」を[[十二進法]]の「n/100」に直す場合、近似値は、十二進法の「n/100」の同値である十進法の「n/[[144]]」に換算して割り出される。この場合、以下の順番となる。
 
# 十進法の100の約数と、十二進法の100である十進法の144の約数を列挙する。100は2, 4, 5, '''10''', 20, 25, 50。144は2, 3, 4, 6, 8, 9, '''12''', 16, 18, 24, 36, 48, 72。
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# 十進法の「9÷100」と、十二進法の「9÷100」の商を出す。十進法で0.1111…、十二進法で0.14、十二進法の14を十進法に換算すると16になる。差は11-10 = '''1'''。分数化すると、双方とも1/9。
 
以上の順番から、差が最も小さい( 0.1111…){{sub|(10)}}と( 0.14){{sub|(12)}}が近似値になり、十進法の10/100を十二進法のn/100に置き換えると、14/100、即ち十進法の「'''16'''/144」が近似値となる。<br>
これを約分すると、十進法の10/100が「[[1/10|十分の一]]」に対して、十二進法の14/100である十進法の16/144は「[[1/9|九分の一]]」になる。言い換えると、百分率の「1/10{{sub|(10)}}」「1割」の近似値は、百四十四分率では「1/9」になる。更に、十進法の 100=10×10 を 144=m×n に置き換える場合には、144=9×16 として置き換え、ある数値に1.44を掛けて求められる。この場合、6.25(=100÷16)を9(=144÷16)に置き換える{例:6.25×1.44=9。11×1.44=15.84。25×1.44=36。56×1.44=80.64}。
 
;差が大きい場合
[[36]]と[[100]]のように差が大きい場合には、大きい数値を小さい数値で割って、何倍かを求める。例として、[[十進法]]の[[百分率]]における 0.10([[1/10|十分の一]]、十パーセント)の近似値は、[[六進法]]の三十六分率では以下のように出される。
 
# [[100|百]](100{{sub|(10)}} = 244{{sub|(6)}})と三十六(36{{sub|(10)}} = 100{{sub|(6)}})の双方の[[約数]]と[[素因数]]を出す。100は2, 4, 5, '''10''', 20, 25, 50。36は2, 3, 4, '''6''', 9, 12, 18。[[素因数分解]]は、百が2{{sup|2}}×5{{sup|2}}で、三十六が2{{sup|2}}×3{{sup|2}}となる。
# 双方の1を[[10|十]]で割る。十進法が1÷10 = 0.10に対して、六進法は1÷14 = 0.03333…となる。
# 双方の100の倍差、即ち「百÷三十六」の商を出す。
## 十進法:100÷36 = 2.7777… → 2と77/100。これを丸めると「2と77/99」で、約分すると「2と7/9」となる。
## 六進法:244÷100 = 2.44 → 2と28/36。これを約分すると「2と7/9」となる。
# 丸めた分母が、三十六の約数である[[9]]で通分できるため、双方の1を九で割る。十進法が1÷9 = 0.1111…に対して、六進法は1÷13 = 0.04 となる。
 
以上の結果から、十進法の0.10(十分の一)の近似値は、六進法では0.04((4/36){{sub|10}} = [[1/9|九分の一]])になる。
 
;一桁小数での換算
* [[十二進法]]の小数 0.[[B]]{{sub|(12)}}(十進法で[[11]]/[[12]])を、[[二十進法]]の小数で近似値を出すは、十二進法の B÷10 を、二十進法の B÷[[C]] に直す。二十進法の B÷C の商は 0.I6D6D… となるので、九捨十入して一桁にすると、0.[[I]]{{sub|(20)}}(十進法の[[18]]/[[20]])が近似値になる。
 
;打率
六進法や十二進法といった1/3が割り切れるN進法では、十進法の[[割]][[分 (数)|分]][[厘]]や打率や「m割打者」の近似値は以下のようになる。
* 十進法の「三割打者」「打率0.3」→「[[1/3]]」を意味する一桁小数が近似値になる。六進法だと0.2で、十二進法だと0.4になる。これは、1を十で割ると、六進法では 3÷14 = 0.14444…、十二進法では 3÷A = 0.3724972…となるため。
* 十進法の「四割打者」「打率0.4」→十進表記の「5/12」を意味する小数が近似値になる。十二進法では 4÷A = 0.<u>4972</u>…なので、これを五捨六入すると0.5(十進法の5/12)になる。六進法では、4÷14 = 0.2222…となるため、0.23(十進法の15/36 = 5/12)になる。
* 十進法の「4割4分」「打率0.44」→「4/9」を意味する小数が近似値になる。六進法では 0.24(十進法の16/36 = 4/9)となり、十二進法では 0.54(十進法の64/144 = 4/9) となる。
 
==関連項目==