「婉曲法」の版間の差分

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* 抽象化:「はばかり」、“Water closet”など。またヨーロッパで冒涜表現を使わずに「冒涜表現」という語をそのまま使う例がある。
* 間接化:“Lavatory”(お手洗い)、“Toilet”(化粧室)など、関係はあるが本来は別の概念で言い換える。またダブルスピークの例として「退却」を「転進」と言い換えるなど。
* 特に明言するのがはばかられるものに対し、それを連想させる違う何かを出す:[[隠語]]、[[ダブルミーニング]]、[[スラング]]など。
* わざと誤字・誤発音を用いる:英語でJesus、GodをGee、Goshと言い換えるなど。最近の[[インターネット]]上では誤入力・[[誤変換]]なども用いられる。
* [[緩叙法]]:否定的な語の[[否定]]を用いて[[肯定]]を表す。良い意味での「悪くない」など。
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タブーによる言い換えは、多くの言語に痕跡が見られる。例えば英語のbear(熊)はbrownと同語源とされている。恐ろしいので「茶色いもの」と言い換えたらしい。また[[ユダヤ教]]の神を表す[[ヘブライ語]]の「{{lang|he|יהוה}}」(YHWH、神聖4文字、テトラグラマトン)は、神の名をみだりに唱えることがタブーとされたため、最終的に正確な発音が分からなくなった([[ヤハウェ]]を参照)。
 
さらに発音もしくは概念として類似する語句までが言い換えられる例が、多数報告されている。例えば[[オーストラリア]]の[[アボリジニ]]の一部では、死者の名前をいうことはタブーとされ、それに響きの似た単語までが言い換えられるので、婉曲語がますますふえることになり、[[語彙]]が入れ替わっていく。
 
婉曲法が普通に用いられているうちに、もとの語句がタブーになり、さらには言い換えまでが悪く取られてさらなる言い換えが必要になることもある。この過程は[[ウィラード・ヴァン・オーマン・クワイン|クワイン]]によって論じられ、最近では[[スティーヴン・ピンカー]]が"euphemism treadmill"と呼んでいる。これは語句の意味が悪い方へ一方的に変化する現象で、経済でいえば[[グレシャムの法則]]に当たる。例えば便所の意味のtoilet room(化粧室、トイレ)は元々婉曲語だったが、bathroomに置き換えられ、さらにwater closet、またrestroom、W.C.と置き換えられていった。
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==関連項目==
*[[偽悪語法]](婉曲法とはほぼ逆の語法)
*[[整備文お役所言葉]]
*[[ポリティカル・コレクトネス]]