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'''メタ認知'''(英:Metacognition)とは、「[[メタ]](高次の)」という言葉が指すように、自己の[[認知]]のあり方に対して、それをさらに認知することである。メタ認知という概念の定義やその活動は分野によって様々であるが、[[心理療法]]や[[認知カウンセリング]]をはじめ、ものごとや経験に対して正しい理解を行えているかなど、自分の認知行動を正しく知る上で必要な思考のありかたやを指すことが一般的である。
 
== メタ認知能力(メタにんちうりょく: Metacognitive Ability)知識的側面 ==
メタ認知は「客観的な自己」「もうひとりの自分」などと形容されるように、現在進行中の自分の思考や行動そのものを[[対象]]化して[[認識#%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E8%AA%8D%E8%AD%98|認識]]することにより、自分自身の[[認知#%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6%E7%AD%89%E3%81%A7%E3%81%AE%E8%AA%8D%E7%9F%A5|認知行動]]を把握することができる能力である。メタ認知的知識とは、そのような状態を判断するための知識を指しこれをもとに自分の考えの矛盾に気がついたり、課題の特性を把握した上で解決方略を修正していくといった活動を行うことができる<ref name=":0" />。また、活動的な側面はもちろん、そのような状態を判断するための知識も持ち合わせている。「一度にたくさんのことを伝えても、聞き手はそのすべてを覚えられないだろう」「難しい話をするときは、具体例を示すとわかりやすくなるだろう」といった自己について人間の認知特性や課題そのもの、方略に関する知識を経験から蓄積しており、それぞれを必要に応じて活用している<ref name=":0">{{Cite book|title=Meta ninchi : Gakushuryoku o sasaeru koji ninchi kino.|url=https://www.worldcat.org/oclc/1022201327|date=2008|publisher=北大路書房|isbn=9784762826221|others=Sannomiya, machiko., 三宮, 真智子(1953-)|oclc=1022201327}}</ref>。
 
自分が何かを行う際どのようなプロセスを踏んでいるのかを知ることや、自分の[[思考]]や[[行動]]そのものを対象として[[客観]]的に把握し、それを実行するという特徴から以下のような4つの機能で表現される。
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* Cognition about cognition(認知についての認知)
* Understanding what I understand(自身の理解についての理解)
 
== メタ認知の活動的側面 ==
メタ認知的活動とは、自己に対してメタ認知を行うことで自身の状態を情報として理解し、またそうした情報から自身の行動へと反映または修正させていくものである。研究によって見解は様々であるが、一般的にメタ認知的活動は、以下の2つのモデルに分類される<ref name=":0" /><ref>{{Cite book|title=Gakushu kagaku handobukku. 1.|url=https://www.worldcat.org/oclc/1050211634|date=2018.6|publisher=Kitaojishobo|isbn=9784762830259|others=Sawyer, Robert Keith., Mori, Toshiaki, 1949-, Akita, Kiyomi, 1957-, Ooshima, Jun, 1963-, Mochizuki, Toshio., Masukawa, Hiroyuki.|oclc=1050211634}}</ref><ref>{{Cite journal|last=阿部|first=真美子|last2=井田|first2=政則|date=2010|title=An Attempt to Construct the Adults' Metacognition Scale: Based on Metacognitive Awareness Inventory|url=https://ci.nii.ac.jp/naid/40018275663/|journal=The journal of psychology Rissho University|volume=1|pages=23–34}}</ref>。
 
* メタ認知的モニタリング(metacognitive-monitoring)
 
 自分自身の認知プロセスについての気づき。課題に対しての予想や点検、評価を行うこと。
 
* メタ認知的コントロール(metacognitive-control)
 
 認知についての目標設定。モニタリングをもとに、課題達成に向けた方略の選択や計画、修正を行う。
 
これらモニタリングとコントロールは循環的な関係にあり、もしモニタリングの結果が不適切であれば、コントロールにおける方略選択や修正もまた不適切なものになってしまうと考えられている<ref name=":0" />。
 
== メタ認知と教育 ==