「荘王 (楚)」の版間の差分

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== 絶纓(ぜつえい)の会 ==
荘王はある夜、臣下たちを宴に招いた。皆、心ゆくまで酒を飲み、多くの者が酔った。宴もたけなわの頃、正殿の蝋燭(ろうそく)が風に吹き消された。と、その時、蒋雄という者が后の唇を奪ってしまった。后はすぐさま、蒋雄の纓(冠のヒモ)を引きちぎり、荘王にこう言った。「蝋燭が消えた隙に、私に無礼を働いた者がおります。私はその者の纓を引きちぎりました。蝋燭を灯しさえすれば、それが誰だかすぐわかります」すると、荘王は、「今しがた、わしの妻がつまらぬ事を申した。わしは皆の者にそのように楽しくくつろいでもらい大変嬉しい。ここは無礼講、みな、明かりがつかぬ間に纓を引きちぎれ」と命じ、一同がその通りにした。そのおかげで蒋雄は罪を問われずに済み、蒋雄は心から荘王に感謝した。
 
その後、楚が秦に苦しめられたとき、蒋雄はいざこの時だ、とばかりに先陣を切り、満身創痍になりながらも大功を立てた。そして荘王が息も絶え絶えの蒋雄に向けて「よくやってくれた。だが、わしはお前をそこまで大事にした覚えはないのに、何ゆえ命を惜しまずにここまでやってくれたのか?」と聞いてみた。すると蒋雄は「いいえ、王は私を救ってくださいました。私は絶纓の会の時、后様の唇にいたずらをした者でございます。あの時の王様の計らいで私は恥を晒さずに済みました。このような形で恩を返せて幸せでございます」と答え、笑顔で死んでいった。寛容で女に迷わない立派な君主としての荘王の人格を示す故事である。