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ハリガネムシ

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== 生態系にて果たす役割 ==
寄生虫であるハリガネムシが河川に飛び込ませた宿主である[[カマドウマ]]や[[キリギリス]]類は、[[イワナ]]や[[ヤマメ]]、[[アマゴ]]など、渓流に住む河川性[[サケ科]]魚類の貴重なエネルギー源となっている<ref name="sato2013">{{Cite web |author=佐藤拓哉 |date=2013 |url=https://www.jsps.go.jp/seika/2013/vol2_003.html|title= 森と川をつなぐ細い糸:寄生者による宿主操作が生態系間相互作用を駆動する|work= |publisher=日本学術振興会|accessdate=2015-03-26}}</ref>。[[神戸大学]]大学院理学研究科[[准教授]]の佐藤拓哉らによる調査結果では、渓流のサケ科の魚が年間に得る総エネルギー量の約6割を、秋の3か月程度に川に飛び込む寄生されたカマドウマで占めている<ref name="kawabata1">{{Cite news|author=川端裕人|date=2014-11-04|newspaper=Webナショジオ|title=「研究室に行ってみた。神戸大学 群集生態学 佐藤拓哉」第1回 カマドウマの心を操る寄生虫ハリガネムシの謎に迫る|url=http://nationalgeographic.jp/nng/article/20141030/422341/|agency=ナショナルジオグラフィック 日本語版|publisher=日経ナショナルジオグラフィック社|language=日本語|accessdate=2015-03-26}}</ref><ref name="ecology201101">{{Cite journal |first= |last= |author= Sato Takuya, Watanabe Katsutoshi, Kanaiwa Minoru, Niizuma Yasuaki, Harada Yasushi, Lafferty Kevin D.|title= Nematomorph parasites drive energy flow through a riparian ecosystem |journal= Ecology |volume=92 |issue=1 |year=2011 |month=1 |publisher= Ecological Society of America |pages=201-207}}</ref><ref>「ハリガネムシ 生態系の黒幕 昆虫操り、イワナのエサに 京大など解明」読売新聞大阪朝刊、2011年5月16日、19頁。</ref>。カマドウマなど陸の虫が川の中に入ってくることで、川の水生昆虫はあまり食べられなくなり、水生昆虫類の餌である藻の現存量が減り、落ち葉の分解速度が促進される<ref name="sato2013" /><ref name="kawabata4">{{Cite news |title=「研究室に行ってみた。神戸大学 群集生態学 佐藤拓哉」第4回 世界初! 寄生虫が異なる生態系をつなぐことを証明|newspaper=Webナショジオ |date=2014-11-07|author=川端裕人|url=http://nationalgeographic.jp/nng/article/20141104/422873/|accessdate=2015-03-26|agency=ナショナルジオグラフィック 日本語版|publisher=日経ナショナルジオグラフィック社|language=日本語}}</ref>。カマドウマを飛び込ませないようにすると魚は水生昆虫を食べるようになり、その結果藻が増え、落ち葉の分解が遅れ、[[生態系]]が変わってしまった<ref name="kawabata4" /><ref>「寄生生物、巧みな支配 宿主を改造・死のダイブに導く」朝日新聞東京朝刊、2013年3月4日、24頁。</ref>。佐藤らは、ハリガネムシのような寄生虫が森林と河川の生態系に影響をおよぼしていることを、世界で初めて実証した<ref name="ecology201101" /><ref name="kawabata4" />。
 
なお、このような経緯の中でハリガネムシも一緒に魚に食われる例もあるが、その数は少ないという<ref>以降、小澤(2016),p.28-32</ref>。これは宿主昆虫が水中に入ってすぐに脱出が行われることにより、またいったんは喰われた場合も口や鰓から脱出することも出来るので、宿主と共に喰われてしまう例は少ないらしい。その点でハリガネムシの受ける害は多くない。さらに宿主昆虫を魚が食うことで水生昆虫が減少しないことは、ハリガネムシにとっては翌年に生まれた幼生が侵入する中間宿主が多数存在することを意味するので、むしろ利益となると思われる。
 
 
ハリガネムシが寄生する昆虫が川に落ちるのは、主に[[ゴミムシ]]に寄生する[[北海道]]では6-7月頃がピークで、[[本州]]では秋である<ref name="kawabata5">{{Cite news |title=「研究室に行ってみた。神戸大学 群集生態学 佐藤拓哉」第5回 なんと生き物の半分近くは寄生虫!?|newspaper=Webナショジオ |date=2014-11-10|author=川端裕人|url=http://nationalgeographic.jp/nng/article/20141104/422873/|accessdate=2015-03-26|agency=ナショナルジオグラフィック 日本語版|publisher=日経ナショナルジオグラフィック社|language=日本語}}</ref>。
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