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{{性的}}
'''萌え'''(もえ)とは本来の[[日本語]]では、草木の芽が出る(伸びる)様を言う。
 
「萌え」とはある人や物に対して激しく心をときめかすことを言う。
[[サブカルチャー]]文化における[[スラング]]としては、主に[[アニメ]]・[[漫画]]・[[ゲームソフト]]などにおける、登場キャラクターなどへのある種の強い好意などの感情を表す言葉として使用されている。また、そこから転じた[[若者言葉]]では、同様の意味がより広い対象に対して用いられる<ref name="デジタル大辞泉" />。
 
== 本来の「萌え」 ==
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また、「萌え出づ」、「萌え立つ」、「萌え渡る」、「若草萌ゆる」など、草木が芽吹く様を表現する際に用いられる場合が多い。[[萌黄]]色(もえぎいろ、萌葱色とも書く)と呼ばれる色は、葱(ネギ)の芽が出た時に見られる薄[[青]]と[[緑]]の中間色のことを指す。言い換えれば薄い緑に近い色である。
 
人名にも「萌」の字が用いられることがあるが、この場合の意味はこの本来の用法としての「萌え」であり、オタク文化におけるスラングとしての「萌え」の意味ではない(ただし、[[おたく]]向けのアニメやゲームなどの登場人物の場合はこの限りではない)。
 
== 俗語としての「萌え」 ==
俗語としての'''萌え'''は、一部文化において、[[アニメ]]・[[漫画]]・[[ゲームソフト]]等様々なサブカルチャー分野の作品で出てくる、対象(主として登場人物)への好意・恋慕・傾倒・執着・興奮等のある種の感情を表す言葉である。「対象物に対する狭くて深い感情」という意味を含み、それよりは浅くて広い同種の感情を表す「[[好き]]」という言葉を使うのにふさわしくない場合に用いられる<ref name="mainichi20110829" />。最大公約数的には架空の人物、[[アイドル]]、無機物といった現実的には恋愛対象になりえない対象に対する、自覚的な「擬似恋愛」といった定義でくくることもできるが<ref name="榎本2009_pp30-31" />、必ずしも恋愛感情とは同一視されない<ref name="榎本2009_pp30-31" /><ref name="デジタル大辞泉" />。[[愛玩]]的対象に対して、恋愛感情ではない何かが感情として現れることを、萌え元来の意味である芽が出ることから何かに芽生えるという意味で使われていったとされる。「心に春を感じる」といった語感で用いられる<ref name="別冊宝島vol421_p246" />。
 
日本にて1980年代後半から1990年代初頭頃に成立した説が有力だが、その成立の経緯は不明な点が多い<ref name="榎本2009_p61" />。語源についても諸説がある(「[[#「萌え」の成立・普及]]」を参照)。また現在は様々な分野で使用されているが、元々がそれまで適切な表現のなかった、興味の対象によって喚起される様々な感情を一括りにした表現であるために、使用法や解釈を巡る議論は絶えず<ref name="榎本2009_pp30-31" />、ニュアンスには人によって揺らぎがある<ref name="ササキバラ2004_p20" />。当初は専ら架空の美少女キャラクターを形容する表現として使われたが、後年になって当初の定義を離れて対象が多様化している<ref name="デジタル大辞泉" /><ref name="mainichi20110829" />。幅広い概念を含むゆえに共通言語として多用されている面もある<ref name="榎本2009_p16" />。
 
当初は[[ヲタおたく]]の間で使われるスラングであったが<ref name="デジタル大辞泉" /><ref name="mainichi20110829" />、2000年頃からヲタおたく用語としてマスメディアを中心に取り上げられるようになる<ref name="榎本2009_p61" />。認知度が上がったことにより大衆に浸透するようになり<ref name="mainichi20110829" />、やがて日本語本来の「萌え」の用法よりも一般的となっていく<ref name="榎本2009_p30" />。[[2005年]]には[[新語・流行語大賞|ユーキャン流行語大賞]]に選出された。[[若者言葉]]として定義される場合もある<ref name="デジタル大辞泉" />。
 
2018年には[[岩波書店]]の国語事典『[[広辞苑]]』第7版にも俗語として収録された。既に用法も定着し社会に浸透した言葉であるというのが選定理由である<ref>{{Cite news|author=小国綾子|date=2018-01-04|url=https://mainichi.jp/articles/20180104/mog/00m/040/007000c|title=「広辞苑」10年ぶり改訂 担当者が明かす知られざる魅力|work=[[毎日新聞]]|publisher=[[毎日新聞社]]|accessdate=2018-01-12}}</ref>。
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== 「萌え」とエロティシズム ==
架空のキャラクターに対する「萌え」には軽い[[性的興奮]]の意味合いが含まれることもある<ref name="ジャパンナレッジ" />。「萌え」という単語が、「美少女や[[乳房|おっぱい]]がたくさん出てくる」という文脈で理解される場合もある<ref>{{Cite news
|author=成松哲
|date=2011-12-02
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|publisher=サイゾー
|accessdate=2012-01-13
}}</ref>。かつての「萌え」はキャラクターに対する純粋な好意を意味していたのが、次第にそうした意味合いを強くしていったとも言われる<ref name="asciijp20080731" />。
}}</ref>。
 
一方で、「萌え」と純粋な[[エロティシズム]]の間には決定的な差異があると考えられている。軽い性的要素を含んだものは「萌え」として歓迎されるが、性的な要素が濃厚すぎるものは「萌え」の範疇から外れる<ref name="asciijp20080731" />。またライトノベル作家の[[谷川流]]は自著における登場人物の台詞として、対象に性的興奮を覚えて自慰行為に耽った直後に、まだ対象への愛情が持続するか否かで「萌え」と「エロ」は区別できると発言させている<ref>{{Cite book|和書
|author=[[谷川流]]
|title=[[絶望系 閉じられた世界]]
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実業家の[[武井信也]]は、自分が高校生の頃に主催していた[[パソコン通信]]のコミュニティーで発祥し、パソコン通信を介して伝播していったものであるとする説を主張している<ref>{{Harvnb|武井|2013|Ref=CITEREF武井2013|pp=86,202}}</ref>。武井の主張によれば、元はコミュニティーの参加者が仲間に見せるために配信した創作物に対するコメントとして使われはじめたもので、当初は「もえー!!」という平仮名表記が使われていたとしている<ref>{{Harvnb|武井|2013|Ref=CITEREF武井2013|p=202}}</ref>。
 
== 「萌え」とヲタおたく ==
「萌え」は[[ヲタおたく]]の代名詞的なキーワードとみなされ、複数の評論家によるおたく論の中で、おたくの定義と結びつけられてきた<ref name="榎本2009_pp18-19" />。
 
ただし、おたくの興味の対象はさまざまであり、興味の対象に「萌え」を感じる者もいれば、感じない者もいる<ref name="榎本2009_p20" />。またフィクション作品においては、[[ステレオタイプ]]な人物像として「萌えー、萌えー」と叫ぶおたくがしばしば登場するが、これらは誇張されたものであり実情とは異なる<ref name="榎本2009_p16" />。現実においてはおたく同士の会話に用いられることはあっても、日常的な会話や独り言として多用されるほどではない<ref name="榎本2009_p16" />。
 
== 「萌え」の社会現象化 ==
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=== 経済的価値への注目 ===
[[浜銀総合研究所]]の調査によると、2003年度のコミック・ゲーム・映像などの「萌え」関連商品の市場規模は888億円に達した<ref name="itmedia20050520" />。また、地域おこしのPRとしても利用されるようになったケースもある(詳細は[[萌えおこし]]の項を参照)。しかし、「萌え市場はあくまでもヲタおたく向け。ヲタおたくが増えない限り成長はなく、数年で数倍、という伸び方はしない。10人に1人が、ヲタおたくになる時代は来ないだろう」という否定的分析もあり、萌え市場がこれ以上は成長しないとされている。
 
しかし、近年はおたくを名乗る人が増えており、[[マイナビ]]が2016年卒業予定の大学生・大学院生を対象にした「2016年卒マイナビ大学生のライフスタイル調査」によると、約2.7人に一人は自分のことを「ヲタおたく」だと思っているという調査結果が出ている。
 
== 「萌え」を巡る議論 ==
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|
*「萌え」を含む項目
**[[フィギュア萌え族]]
**[[皆集萌え]]
**[[工場萌え]]
**[[秋葉原的萌えクィーンコンテスト]]
*その他
**[[ヲタおたく]]
**[[燃え]]([[同音異義語]])
**[[二次元コンプレックス]]
**[[フェチ|フェティシズム]]
**[[キュンキュン]]
**[[あやしいわーるど]]
**[[たん (接尾語)]]
**[[10月10日#記念日・年中行事|10月10日]](主にネット上で「萌えの日」とされる)