「フォトマスク」の版間の差分

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フラットパネルディスプレイ用でもフォトマスクは、製造しようとする素子の各積層ごとや加工処理ごとに1枚ずつ必要となる。そのため、ディスプレイ素子の構造が複雑になればそれだけフォトマスクの枚数は増加する。現在最も一般的なフラットパネルディスプレイである液晶ディスプレイでは、それぞれ機能を造り込まれた2枚のガラスに[[液晶]]を挟み込むことによって形成されているが、画素のON/OFFを司るTFT (Thin Film Transistor) 基板では3から6枚、画素の色をコントロールするカラーフィルタ基板では4から7枚のフォトマスクが用いられる。
 
半導体用と異なり、ほとんどの工程では等倍露光が用いられる。ただし、低温ポリシリコン液晶のTFTなど一部の工程では拡大、縮小露光も用いられている。露光方法としては、フォトマスクの像をレンズないしプロジェクションミラーによって転写するプロジェクション方式、及び光学系を使わず、フォトマスクと被転写基板を数十~数百[[マイクロメートル|μm]]の間隔で近接させて転写するプロキシミティ方式の両方が用いられる。前者は解像度、転写像の忠実性に優れ主にTFT基板加工用に用いられ、後者はコスト、及びタクトタイムに優れ、比較パターンの大きいカラーフィルタ基板で主に用いられる。ただし、TFT基板でプロキシミティ方式を用いたり、カラーフィルタ基板でプロジェクション方式を用いるケースも見られる。
 
液晶ディスプレイの製造において特徴的なのは、コストダウンを目的として露光量の部分的な制御のために半透過部を持たせたマスクが存在することである。転写後は、初期膜厚に近いレジスト残膜となる部分、中間の膜厚となる部分、レジストが除去される部分の3通りの状態となる。これにより、1回の露光で形成したレジストパターンを使って、積層された二つの層に順次エッチングを行うことが出来、工程削減、すなわちコストダウンが可能となる。当初は韓国のパネルメーカーで始まった技術であるが、現在ではかなり一般的に用いられるようになってきている。フォトマスク上への半透過部の形成については半導体製造と比較して低い解像度を逆に生かして、微細パターンをぼかして半透過部を作るものや、任意の透過率を持った膜をさらに積層、パターニングすることにより半透過部を形成するものが用いられる。前者をグレートーンマスク、スリットマスクといった名称で呼び、後者をスタックドレイヤーマスク、ハーフトーンマスクといった名称で呼ぶ。また、特許明細などでは、両者を包含してグレートーンマスクと称する例も見られる。