「洛中洛外図」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
m 舟木本作者について補記。
10行目:
戦国時代の景観を描いたものを初期洛中洛外図と呼ぶ。右隻に[[内裏]]を中心にした下京の町なみや、[[鴨川 (淀川水系)|鴨川]]、[[八坂神社|祇園神社]]、[[東山 (京都府)|東山]]方面の名所が描かれ、左隻には[[花の御所|公方御所]]をはじめとする武家屋敷群や、[[船岡山]]、[[北野天満宮]]などの名所が描かれている。また、初期洛中洛外図屏風を向かって見ると、右隻では、上下が東西、左右が北南となる。一方左隻では、上下が西東、左右が南北となる。こうした初期洛中洛外図屏風の形式は「第一形式」とも呼ばれる。初期洛中洛外図は、4点が現存する。
 
江戸時代の洛中洛外図では、右隻に内裏と大仏[[方広寺]]、左隻に[[二条城]]を描くものが多く、「第二形式」とも呼ばれる。
 
=== 季節の風物と行事 ===
洛中洛外図は[[四季絵]]または[[月次絵]]の要素を持っている(特に初期洛中洛外図)。季節を表す風物や行事が多数描かれ、たとえば、[[祇園祭|祇園会]]の[[山鉾]]を書き込むものが多い。初期洛中洛外図では、右隻に春夏、左隻に秋冬の風物や行事が描かれている。これは、[[五行説]]に従って四季を東西南北、つまり北に冬(玄冬)、東に春(青春)、南に夏(朱夏)、西に秋(白秋)を配したものと考えられている。ただし、季節区分には例外も多くある。
 
=== 人物 ===
115行目:
東京国立博物館所蔵。[[1958年]]重要文化財指定。2016年国宝指定。
 
左隻に二条城(徳川)、右隻に[[方広寺]]大仏殿(豊臣)を対比的に描いている。[[慶長]]年間の京都を描き、従来からその特徴ある人物表現から[[岩佐又兵衛]]の工房の作ともいわれてきたが、近年では又兵衛本人の作との説が有力になりつつある。中心に大きく市街地を置き、歌舞伎小屋や遊女屋などの都市風俗や、庶民の生活が生き生きと描かれており、洛中洛外図の中でも個性的である。また初期洛中洛外図では必ず描かれていた郊外の風景が描かれていない。
 
=== 勝興寺本 ===