「日本相撲協会」の版間の差分

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近年では数々の不祥事が明るみになり、公益法人としての責任・あり方が問われている。
 
[[2007年]]には「[[週刊現代]]」による[[八百長#大相撲|八百長]]疑惑報道、時津風部屋力士暴行死事件、[[横綱]][[朝青龍明徳]]の無断帰国・巡業休場問題が相次いで発生し世間の注目を集めた(朝青龍は[[2010年]]に別の不祥事の責任を取り[[引退]]。また八百長疑惑については「週刊現代」の出版元である[[講談社]]を相手取り、力士・年寄により損害賠償を求める複数の[[民事訴訟]]が提起され、2011年2月現在すべて勝訴している)。
 
[[2008年]]8月には、現役力士の大麻所持が発覚。協会の再発防止検討委員会が実施した抜き打ち[[ドーピング検査|薬物検査]]で陽性反応が出て、当時の[[北の湖敏満]]理事長が辞職した<ref>この検査は、[[世界アンチ・ドーピング機関]]及び[[日本アンチ・ドーピング機構]]の認定検査機関である[[三菱化学メディエンス]]が実施した。</ref>。
 
2010年5月には[[大関]][[琴光喜啓司]]の[[野球賭博]]関与<ref>親方らから事情聴取 野球賭博報道で相撲協会 MSN産経ニュース、2010年5月20日</ref>に端を発し、少なからぬ力士が常習的に野球賭博を行っていたことが明るみに出た。さらに同年6月には現役の親方が[[暴力団]]幹部に[[本場所]]を維持員席(いわゆる「砂かぶり席」)で観戦させていたことが発覚した。
 
[[2011年]]にはそれまで協会が否定しつづけてきた八百長疑惑で、警察によって八百長に関与したとされる力士の携帯電話のメールの存在が明らかとなり、一部力士が関与を認めたとされ、これを受けて相撲協会は史上初めてとなる「不祥事による本場所開催の中止」を決定した。
 
[[2017年]]から[[2018年]]にかけては、秋巡業中に横綱[[日馬富士公平]]による前頭幕内・[[貴ノ岩義司]]への酒席での暴行(日馬富士は引責により引退。後に貴ノ岩も付き人に暴行を行い引責により引退)など部屋内外での暴力行為の続出、立行司による[[セクシャルハラスメント]]行為の発覚、[[十両]][[大砂嵐金崇郎]]による無免許運転行為(大砂嵐は引退勧告を受け引退)など、協会内における不祥事が相次いで続出。さらに2018年春巡業での大相撲舞鶴場所では[[多々見良三]][[舞鶴市]]長が土俵上での挨拶中に倒れ、[[救命処置]]のため土俵に上がった女性たちに対し「女性の方は土俵から降りてください」と行司により複数回アナウンスがなされる<ref>[https://www.youtube.com/watch?v=35aIqDTYOD8 大相撲舞鶴場所、舞鶴市長倒れ、救命女性に「女性は土俵から降りて下さい」とアナウンス]</ref><ref>[http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20180404000146 救命女性に「土俵から下りて」 大相撲巡業、市長倒れ]</ref><ref>[https://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/201804040000764.html 若手行司が女人禁制の指摘に慌て土俵降下アナウンス]</ref><ref>[http://www.yomiuri.co.jp/national/20180404-OYT1T50190.html 市長の応急処置で土俵上がった女性に「下りて」]</ref>など、巡業における救命体制や「[[女人禁制]]」との問題点が日本国内はもとより海外にも記事が配信され、国際的に批判を浴びている<ref>[https://www.sankei.com/sports/news/180406/spo1804060002-n1.html 女性土俵問題、米でも報道 「日本の差別反映」と批判] - 産経ニュース 2018年4月6日</ref>。
 
{{Main|時津風部屋力士暴行死事件|大相撲力士大麻問題|大相撲野球賭博問題|大相撲八百長問題}}
=== 相次ぐ暴力行為と暴力行為禁止規定の施行 ===
{{Main|日馬富士公平#傷害事件・引退|貴ノ岩義司#付き人への暴行と引退}}
 
2017年に起きた横綱・[[日馬富士公平]]による幕内・[[貴ノ岩義司]]に対する傷害事件を皮切りに、力士による付き人など後輩力士への暴力行為の発覚が相次ぎ、協会は2018年10月25日に「指導名目その他、いかなる目的の、いかなる暴力も許さない」などとする7条にわたる「暴力決別宣言」を発表した<ref>[http://www.sumo.or.jp/IrohaKyokaiSocialResponsibility/ketsubetsu 暴力決別宣言] - 日本相撲協会公式サイト</ref><ref>[https://www.jiji.com/jc/article?k=2018102501203&g=spo 相撲協会が暴力決別宣言=防止策に禁止規定制定など] - 時事ドットコム 2018年10月25日</ref>が、それから間もない11月に、日馬富士の一件では被害者であった貴ノ岩が翌2018年11月巡業中に付き人への暴力行為を行ったことなどを重視が発覚する日本相撲一連の暴力行為発覚に対して、協会は同年12月19日の臨時理事会で21条にわたる「暴力行為禁止規定」を定め、同日付で施行した<ref name="jiji05586">[https://www.jiji.com/jc/article?k=2018121905586&g=spo 暴力禁止規定を施行=横綱は引退勧告以上-相撲協会] - 時事ドットコム 2018年12月19日</ref><ref>[https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2018/12/19/kiji/20181219s00005000192000c.html 理事会 横綱の暴力は「引退勧告以上」日本相撲協会が力士暴力の処分基準定める] - スポーツニッポン 2018年12月19日</ref><ref>[https://www.sanspo.com/sports/news/20181219/sum18121921010007-n1.html 横綱の暴力は引退勧告以上 相撲協会が処分基準を承認、禁止規定も] - サンケイスポーツ 2018年12月19日</ref><ref>[https://www.jiji.com/jc/article?k=2018121906188&g=spo 力士の暴力に対する処分基準(要旨)] - 時事ドットコム 2018年12月19日</ref>。暴力行為が発覚した場合、協会員に対する処分内容としては、
#.横綱の場合は、「横綱は最高位で、社会的責任も大きい([[多賀竜昇司|鏡山]]危機管理部長)」として'''「引退勧告」以上'''の厳重な懲戒処分を行う。
#.関取の場合は、出場停止1場所が一応の基準とし、事案の内容、程度、情状、その関取の番付などを考慮することにより、適切な懲戒処分を行う。
#.幕下以下の場合は、事案の内容、程度、情状、番付などにより、出場停止のほか譴責、または懲戒に至らない注意処分なども選択し得ると考える。その力士が未成年者かどうかなど、年齢も重要な要件となる。
#.未成年力士については、師匠の指導に付する処分をる。
#.親方衆(による暴力行為)については、「現役力士以上に厳しく対処する([[北勝海信芳|八角]]理事長)」としている。
 
また、暴力再発防止のためのコンプライアンス委員会を新設し、委員長に前[[名古屋高等検察庁]]検事長の[[青沼隆之]]、外部委員に[[安倍嘉人]](元[[東京高等裁判所]]長官)、[[神津カンナ]](作家・エッセイスト)が就任した。同時に鏡山危機管理部長に加え、各[[一門 (相撲)|一門]]の親方衆から出来山(元関脇・[[出羽の花義貴|出羽の花]]、[[出羽海一門]])、西岩(元関脇・[[若の里忍|若の里]]、[[二所ノ関一門]])、勝ノ浦(元幕内・[[起利錦利郎|起利錦]]、[[時津風一門]])、東関(元幕内・[[潮丸元康|潮丸]]、[[高砂一門]])、大島(元関脇・[[魁輝薫秀|魁輝]]、[[伊勢ヶ濱一門]])を委員に任命し、暴力問題などの通報、相談窓口とした<ref name="jiji05586"/>。
 
== 沿革 ==
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理事会が発動する引退勧告には期限を付けることができ、期日までに引退届が提出されなければ強制力のある解雇処分に切り替えることができる。これに対し横審の引退勧告には強制力がない。
 
=== 相次ぐ暴力行為と暴力行為禁止規定の施行 ===
2017年に起きた横綱・[[日馬富士公平]]による幕内・[[貴ノ岩義司]]に対する傷害事件を皮切りに、力士による付き人など後輩力士への暴力行為の発覚が相次ぎ、日馬富士の一件では被害者であった貴ノ岩が翌2018年11月に付き人への暴力行為を行ったことなどを重視。日本相撲協会は同年12月19日の臨時理事会で21条にわたる「暴力行為禁止規定」を定め、同日付で施行した<ref>[https://www.jiji.com/jc/article?k=2018121905586&g=spo 暴力禁止規定を施行=横綱は引退勧告以上-相撲協会] - 時事ドットコム 2018年12月19日</ref><ref>[https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2018/12/19/kiji/20181219s00005000192000c.html 理事会 横綱の暴力は「引退勧告以上」日本相撲協会が力士暴力の処分基準定める] - スポーツニッポン 2018年12月19日</ref><ref>[https://www.sanspo.com/sports/news/20181219/sum18121921010007-n1.html 横綱の暴力は引退勧告以上 相撲協会が処分基準を承認、禁止規定も] - サンケイスポーツ 2018年12月19日</ref><ref>[https://www.jiji.com/jc/article?k=2018121906188&g=spo 力士の暴力に対する処分基準(要旨)] - 時事ドットコム 2018年12月19日</ref>。暴力行為が発覚した場合、協会員に対する処分内容としては、
#.横綱の場合は、「横綱は最高位で、社会的責任も大きい([[多賀竜昇司|鏡山]]危機管理部長)」として'''「引退勧告」以上'''の厳重な懲戒処分を行う。
#.関取の場合は、出場停止1場所が一応の基準とし、事案の内容、程度、情状、その関取の番付などを考慮することにより、適切な懲戒処分を行う。
#.幕下以下の場合は、事案の内容、程度、情状、番付などにより、出場停止のほか譴責、または懲戒に至らない注意処分なども選択し得ると考える。その力士が未成年者かどうかなど、年齢も重要な要件となる。
#.未成年力士については、師匠の指導に付する処分を新設する。
#.親方衆については、「現役力士以上に厳しく対処する([[北勝海信芳|八角]]理事長)」としている。
 
=== 過去に処分された力士・親方衆・関係者 ===