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「ベクトル値函数の微分」をリライトし、見出しを変更した上で「1変数関数の微分法」節の中に移動。
115行目:
: <math> f(a+h) = f(a) + f'(a)h + \frac{f''(a)}{2} h^2 + \dots + \frac{f^{(n)}(a)}{n!} h^n + o(h^n)</math>
が成り立つ([[テイラーの定理]]のペアノの剰余項による形)。これは、前述の、一点における微分可能性の1次近似による定式化の一般化にあたる。
 
=== {{anchors|ベクトル値数の微分}}ベクトル値数の微分 ===
実数値の変数 {{mvar|x}} をもち、<math>\mathbb{R}^m</math> に値をもつ[[ベクトル値関数]] {{math|''f''(''x'') {{=}} (''f''{{ind|1}}(''x''), …, ''f''{{ind|''m''}}(''x''))}} を考える。これが一点 {{math|''x'' {{=}} ''a''}} において'''微分可能'''であるというのは、
: <math>\mathbf{y}'(t)=\lim_{h\to 0}\frac{\mathbf{y}f(ta+h) - \mathbf{y}f(ta)}{h} = (y'_1(t), \ldots, y'_n(t))</math>
という極限が存在することである{{efn|ここでベクトル値関数の極限は、2乗ノルム、絶対値ノルムなど、どんな[[ノルム]]を用いて定めても同じことである。}}。上記の極限として現れるベクトルを {{math|''f''&prime;(''a'')}} で表す(これも<math>\mathbb{R}^m</math>の元である)。一般には {{math|''f''&prime;(''a'')}} に特に名前はないが、{{math|''f''(''x'')}} が <math>\mathbb{R}^m</math> における点の位置の変化([[曲線]]といってもよい)を表しているとみなす場合は、{{math|''f''&prime;(''a'')}} を[[速度ベクトル]]とよぶことがある。
 
{{math|''f''(''x'') {{=}} (''f''{{ind|1}}(''x''), …, ''f''{{ind|''m''}}(''x''))}} が {{math|''x'' {{=}} ''a''}} において微分可能であることと、各成分 {{math|''f''{{ind|''i''}}(''x'')}} がすべて {{math|''x'' {{=}} ''a''}} において微分可能であることは同値である。また
: <math>f'(a)=(f'_1(a),\dots,f'_m(a))</math>
が成り立つ。
 
ベクトル値関数 {{math|''f''(''x'')}} が区間 {{mvar|I}} の各点で微分可能なとき、{{math|''f''(''x'')}} は区間 {{mvar|I}} において'''微分可能'''であるという。
 
ベクトル値関数については、高階微分も同様にして考えることができる。{{math|''f''&prime;&prime;(''a'')}} は、{{math|''f''(''x'')}} が <math>\mathbb{R}^m</math> における点の位置の変化を表しているとみなす場合は、[[加速度|加速度ベクトル]]とよばれる。
 
=== 超準解析による定式化 ===
203 ⟶ 216行目:
== {{anchors|多変数関数の微分法}}多変数函数の微分法 ==
{{main|ベクトル解析|多変数微分積分学}}
=== {{anchors|ベクトル値関数の微分}}ベクトル値函数の微分 ===
実数 {{mvar|t}} を適当な[[ベクトル空間]] {{math|'''R'''{{msup|''n''}}}} のベクトルへ写す実変数[[ベクトル値函数]] {{math|'''y'''(''t'')}} は成分ごとの函数に分けて {{math|1='''y'''(''t'') = (''y''{{ind|1}}(''t''), …, ''y''{{ind|''n''}}(''t''))}} と書くことができる。例えば {{math|'''R'''{{msup|2}}}} または {{math|'''R'''{{msup|3}}}} 内の{{仮リンク|曲線の媒介変数表示|en|parametric curve}} はベクトル値函数である。成分函数(座標函数)は実函数だから上で述べた意味において微分を考えることができる。任意の成分函数が {{mvar|t}} において微分係数を持つときかつそのときに限り、{{math|'''y'''(''t'')}} の微分係数
: <math>\mathbf{y}'(t)=\lim_{h\to 0}\frac{\mathbf{y}(t+h) - \mathbf{y}(t)}{h} = (y'_1(t), \ldots, y'_n(t))</math>
は存在して {{mvar|t}} における[[接ベクトル]]と呼ばれるベクトルを定める。任意の {{mvar|t}} に対して {{math|'''y'''}} の微分係数が存在するとき、導函数 {{math|'''y'''′}} はそれ自身ベクトル値函数を定める。
 
{{math|'''R'''{{msup|''n''}}}} の標準基底 {{math|'''e'''{{ind|1}}, …, '''e'''{{ind|''n''}}}} に対して {{math|'''y'''}} は {{math|1='''y'''(''t'') = ''y''{{ind|1}}(''t'')'''e'''{{ind|1}} + … + ''y''{{ind|''n''}}(''t'')'''e'''{{ind|''n''}}}} と書くことができるが、ベクトル値函数の微分が{{仮リンク|微分の線型性|label=線型性|en|linearity of differentiation}}を持つようにするためには、各基底ベクトルは定ベクトルであるから
: <math>y'_1(t)\mathbf{e}_1 + \cdots + y'_n(t)\mathbf{e}_n</math>
となる以外は無い。これは上記の結果と整合する。
 
=== 偏微分 ===