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|slogan = You're On
}}
'''Ustream'''(ユーストリーム)は、かつて存在した[[2007年]]3月に設立された[[動画共有サービス]]である<ref name="bwire">[http://www.businesswire.com/portal/site/google/index.jsp?ndmViewId=news_view&newsId=20071218005356&newsLang=en Ustream Continues Rapdi Growth]、[[ビジネスワイヤ]]、2007-12-18</ref>。[[ライフキャスティング]]やライブ[[ストリーミング|ビデオストリーミング]]などのプラットフォームを提供する、様々なチャンネルネットワークで構成されている<ref>[http://www.pcmag.com/article2/0,1759,2167967,00.asp?kc=PCRSS02129TX1K0000530 Ustream At A Glance], Broida, RickPC, Magazine, 2007-8-7</ref>。動画視聴者とのチャット機能や、視聴者からの投票機能などがある。2017年にIBMに買収され、IBM Cloud Video に移行した。現在は、その下で提供される視聴サイトおよびアプリのブランド名として名を残すのみである。
 
== 歴史 ==
===誕生以前===
共同設立者の[[ジョン・ハム (実業家)|ジョン・ハム]]とブラッド・ハンスタブル([[1978年]] - )、ジュラ・フェヘルは米国ニューヨーク州の[[ウェストポイント (ニューヨーク州)|ウエストポイント]]にある[[陸軍士官学校 (アメリカ合衆国)|アメリカ合衆国陸軍士官学校]]で出会った。
 
ハムは若くして起業に興味を示し、16歳で株式投資やオプション取引を始めた。ウエストポイントでは[[NASA|アメリカ航空宇宙局]]と[[ニューヨーク証券取引所]]のインターンシップに参加。[[航空宇宙工学]]の学士を取得してウエストポイントを卒業すると、[[アメリカ陸軍]]で[[少尉]]に任じられた。
 
ハンスタブルは少年期に情報技術に興味を示し、11歳にして「ダーク・レルムズ」<ref>{{lang-en-short|Dark Realms}</ref>と呼ばれる[[電子掲示板]](BBS)を始めた。工学管理の学士を取得してウエストポイントを卒業すると、アメリカ陸軍で少尉に任じられた。陸軍在籍中には、[[オハイオ州立大学]]フィッシャーカレッジ・オブ・ビジネスの金融と不動産の[[経営学修士|MBA]]も取得した。
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3人が設立したUstream.tvは、元々は[[イラク戦争]]中に[[イラク]]に派兵された友人たちのために、実家の家族とのコミュニケーションツールとして生まれた。Ustreamに似た機能で、自由時間に全員揃って親族と会話をすることが可能となった。
 
上述のように3人はそれ以前、写真共有サイトを運営していたが、2003年にハンスタブルとハムの転属によってこのサービスも終了する。その後、除隊した2人はインターネットを利用したライブビデオの一般向け共有サービスの検討に入る。これに可能性を見出すと元パートナーのフェヘルと連絡を取り、技術設計を依頼した。[[2006年]]にはUstream.tvを設立。ブラッドの弟のバンド演奏の実験放送を試みる。ブラッドは[[ノートパソコン]]に[[Webカメラ]]を接続し、自社のテストサーバーへ向けて送信した動画の公開実験は成功した。
 
2007年3月には一般向けベータ版のサービスを開始。ライブビデオサービスの先駆けとなり政界、エンターテイメント業界、技術分野でその後大きく躍進した<ref>[http://www.businesswire.com/portal/site/google/index.jsp?ndmViewId=news_view&newsId=20071113005734&newsLang=en Ustream.TV Experiences Significant Business Growth; Company Adds New CEO, Industry Partners and Thousands of Users<!-- Bot generated title -->]</ref>。
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2009年2月17日、広告表示などを消した有償のブランドサービスの「WATERSHED」<ref>[http://www.ustream.tv/blog/2009/02/17/today-ustream-launches-watershed/ Today, Ustream launches Watershed] - The Ustream.tv blog, 2009-02-17.</ref>のサービスを開始。1000人までの視聴者で1人あたり1時間1ドル。5000人まで0.75ドル5万人まで0.5ドルそれ以上0.25ドル。定額制で500人まで月額49ドル 2000人まで月額179ドル 11000人まで879ドル。5月にはチャット部分に「Social Stream」として、[[Twitter]]のAPIを採用。これにより、チャット部分がTwitterにも同時に投稿され、Ustream放送の内容が告知、広報されるようになった。6月には[[Facebook]]側とも連携し、8月には[[X JAPAN]]の[[YOSHIKI]]が全世界での[[エグゼクティブアドバイザー]]に就任した。<!-- 「今後、Ustream上に登場することにより、YOSHIKI氏が世界中のファンとより一層の交流を深めることが可能になる」とUstreamはコメントしている。 -->
 
2010年1月29日、[[ソフトバンク]]から約2,000万ドル(約18億円、出資比率13.7%)の出資を受け入れ、[[日本]]・[[中国]]を中心としたアジア事業の本格化を進めている<ref>[http://www.softbank.co.jp/ja/news/press/2010/20100202_03/index.html Ustream, Inc.への出資について] ソフトバンク プレスリリース 2010年2月2日</ref><ref>[http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920010&sid=aewJgpySdr6Q 米動画配信のユーストリーム、7500万ドル調達-ソフトバンクなど出資]</ref>。同年[[5月]]までに日本語化を実現させる旨を、ソフトバンク社長の[[孫正義]]がTwitter上で表明<ref>[http://twitter.com/masason/status/9233918476 日本語化決定。5月迄に実現させます。] ソフトバンク孫正義社長twitter 2010年2月17日</ref>。4月27日に予定を前倒しして日本語版が提供開始され<ref>[https://news.mynavi.jp/news/2010/04/27/048/ ライブ動画配信サービス「Ustream」、日本語版サイトが公開] マイコミジャーナル-2010/4/27</ref>、5月18日には「'''Ustream Asia'''」を、TVバンク(ソフトバンクの100%子会社)60%、米Ustream32%、DCM(ファンド)8%の出資比率で設立することが発表された<ref>[http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20413612,00.htm ソフトバンク、USTREAM Asiaを設立--iPhone向けのビューアーなども提供へ] - Cnet Japan 2010/5/19</ref>。
 
日本でも、個人単位で情報発信するユーザーが増え、[[TBSテレビ]]「[[地球同時多発情報SHOW 革命×テレビ]]」、[[BSジャパン]]「[[デキビジ]]」などテレビ・ラジオ番組とUstreamを連動させた事例も増加している<ref>[http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2010061202000105.html “産地直送”共感メディア ネットのライブ動画配信サービス ユーストリーム “産地直送”共感メディア ネットのライブ動画配信サービス ユーストリーム], 東京新聞, 2010年6月13日朝刊放送芸能面。</ref>。2011年3月の[[東日本大震災]]では[[日本放送協会|NHK]]、[[TBSニュースバード]]、[[テレビ神奈川]]、[[フジテレビジョン|フジテレビ]]など13のテレビ・ラジオ放送局が番組再配信を実施。視聴回数はのべ680万回を超えた<ref>[http://internet.watch.impress.co.jp/docs/event/irop_tk11/20110610_452151.html Ustream Asia 中川社長が講演、3月11日・東日本大震災当日の視聴動向を解説] INTERNET Watch 2011年6月10日</ref>。一方、自殺中継といった問題も起きた<ref>[http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1011/10/news025.html Ustreamで自殺中継 視聴者が通報、2ちゃんねるに予告も] - 産経新聞, 2010-11-10.</ref>。
 
2010年12月8日、「Ustream Asia」は[[横浜アリーナ]]で行われた[[宇多田ヒカル]]のコンサート「WILD LIFE」公演のライブ動画配信を実施。過去最高の34万5千人のユニーク視聴者数となった<ref>[http://ustream-asia.tv/news_20101221.html Ustream Asia、宇多田ヒカル公演の配信で101カ国・地域からのアクセス、100万を超えるページ・ビュー数を記録] - Ustream Asia 2010/12/21</ref>。また2011年8月28日に行われた[[2011年民主党代表選挙]]の動画配信を実施し、過去最高の57万8千人のユニーク視聴者となった<ref>[http://ustream-asia.tv/news_20110830.html 民主党代表選挙の延べ視聴者数が100万人を突破]- Ustream Asia 2011/08/30</ref>。
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しかしその後は、スマートフォン対応に遅れをとったことから他社のサービスに顧客を奪われ、視聴者数は伸び悩んだ。
 
2015年12月1日、Ustream Asiaの運営を2016年2月1日よりUstream, Inc.に移管し直接運営にすると発表した<ref>[http://www.ustream-asia.tv/news_20151201.html 「Ustream」運営移管についてのお知らせ]</ref><ref>[http://biz-journal.jp/2015/12/post_12723.html 時代の寵児Ustream、ひっそり撤退…なぜ視聴者&配信側に見捨てられた?甘さがアダ]</ref><ref>[http://ascii.jp/elem/000/001/086/1086157/ Ustream Asiaがアジアから撤退、国内向けサービスはどうなる?]</ref>。
 
===売却===
2016年1月21日、米国IBMが {{lang|en|Ustream, Inc.}} を買収した。<ref>[http://www-03.ibm.com/press/jp/ja/pressrelease/48861.wss IBM、Ustreamを買収 &mdash; 各業界におけるクラウド・ベースのビデオ・サービスを推進](日本IBM、ニュースリリース、2016年1月25日)</ref>
 
2017年4月、Ustreamを買収したIBMが、UstreamをIBMのビジネス向けクラウドビデオサービス「IBM Cloud Video」に移行させる事を発表。これまでの一般向け配信サービスは継続するが、今後はBtoB向けサービスがメインとなるとしていた<ref>[https://news.yahoo.co.jp/byline/mikamiyoh/20170405-00069546/ さらばUstream、10年で消滅。IBM Cloud Videoへ完全移行] 2017年4月5日閲覧</ref>。
 
2018年8月1日、Ustream最初期から続いていた無料プランの提供を終了し、日本においては月額9800円からの有料プランのみの提供となった<ref>[https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1125916.html IBM Cloud Video(元Ustream)が無料プランを終了] 2018年11月19日閲覧</ref>。
 
==多言語対応・多地域展開==
上記の通り、元々アメリカにおける英語でのサービスとして始まったUstreamは、ソフトバンク・孫正義が絡む形で、2010年4月27日に初の他言語版である日本語版が提供開始された。
 
それと時を同じくして、その事業主体として、ソフトバンク系[[TVバンク]]Ustream出資して「'''Ustream Asia株式会社'''」([[東京都]][[中央区 (東京都)|中央区]][[銀座]]8丁目20番33号)が同年5月19日付で設立されたが、2016年2月1日から、サービス運営をUstream本体に移管されたことで、2016年2月24日に、Ustream AsiaはTVバンクに吸収合併され、日本での事業が解散した<ref>[http://gamebiz.jp/?p=157383 TVバンク、Ustream Asiaを吸収合併 Ustream Asiaは解散へ] - Social Game Info 2016-02-24</ref>。
 
2012年2月9日、そのUstream Asiaと韓国通信会社KTが、合弁で「Ustream Korea」を設立し、3月20日から韓国朝鮮語版を提供開始した<ref>[http://www.ustream-asia.tv/press_20120321.html Ustream Korea、韓国語サービス本格開始] - Ustream Asia プレスリリース 2012-03-21</ref>。
 
一方で、同年4月18日には、スペイン語対応も開始され<ref>[http://www.ustream.tv/blog-jp/?p=2659 多言語化進行中! スペイン語表示開始] - Ustreamブログ 2012-04-20</ref>、その後も、フランス語版、ロシア語版が続々と提供開始されている(2012年5月現在)。