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→‎方向微分: 全体を改稿。ベクトルの長さの変更にともなう方向微分の変化についての記述は、重要度が低いものとみて削除。
263行目:
{{Main|方向微分}}
 
関数 {{mvarmath|''f''(''x''{{ind|1}}, …, {{math|'''R'x''{{msupind|''n''}})}} 上の実数値函数ならばについて{{mvar|f}} の各偏微分は {{mvar|f}} の各座標軸方向への変を測るものである。例えば、{{mvar|f}} が {{mvar|x, y}} の函数であれば {{mvar|x}}-方向、{{mvar|y}}-方向の変動を偏微分は測ることができるが、しかし対角線 {{math|1=''y'' = ''x''}} など任意の方向への {{mvar|f}} の変直接的に測るではない。それらを測るのは方向微分である。
 
ベクトル {{math|1='''v''' {{=}} (''v''{{ind|1}}, …, ''v''{{ind|''n''}})}} に対して、関数 {{mvar|f}} の {{mvarmath|x''a'' {{=}} における (''a''{{mathind|1}}, …, ''a'v'{{ind|''n''}}-)}} における {{mvar|v}} 方向への'''方向微分係数'''は、[[差分商]]の極限
: <math>D_{\mathbf{v}}{f}(\mathbf{x}) = \lim_{h\to 0}{\frac{f(\mathbf{x}a + h\mathbf{v}hv) - f(\mathbf{x}a)}{h}}</math>
のことである。{{math|''x''{{ind|''j''}}}} 軸正の方向の単位ベクトルを {{math|''e''{{ind|''j''}}}} とするとき、{{math|''e''{{ind|''j''}}}} 方向への方向微分係数は、{{math|''x''{{ind|''j''}}}} に関する偏微分係数に他ならない。
で与えられる。場合によってはベクトルの長さを調整してから方向微分をした方が評価や計算が楽になることがあり、しばしば単位ベクトル方向の方向微分として計算される。実際、{{math|1='''v''' = λ'''u'''}} として、上記の差分商に {{math|1=''h'' = ''k''/λ}} を代入すれば、
: <math>\frac{f(\mathbf{x} + (k/\lambda)(\lambda\mathbf{u})) - f(\mathbf{x})}{k/\lambda}
= \lambda\cdot\frac{f(\mathbf{x} + k\mathbf{u}) - f(\mathbf{x})}{k}</math>
となり、{{math|''h'' → 0}} の極限で同じく {{math|''k'' → 0}} であるから、{{math|'''v'''}} に関する方向微分の微分商は {{math|'''u'''}} に関する方向微分の微分商の {{math|λ}}-倍 ({{math|1=''D''<sub>'''v'''</sub>(''f'') = λ''D''<sub>'''u'''</sub>(''f'')}}) であることが分かる。この相似性により、単ベクトルに関する方向微分のみ考えるということもしばしば行われる。
 
{{mvar|f}} が {{mvar|xa}} において任意すべて変数に関して偏微分を持ち、かつ連続可能ならば、あらゆるベクトル {{mvar|fv}} について、点 {{mvar|a}} における {{mvar|v}} 方向へ方向微分係数が存在する。またこのとき、方向微分係数は {{mvar|v}} に関して[[線型写像|線型]]である。特に、{{math|''v'' {{=}} (''v''{{ind|1}}, …, ''v''{{ind|''n''}}-方向への)}} に対して方向微分係数 {{math|''D''{{ind|''v''}}''f''(''a'')}} 、等式
: <math>D_{\mathbf{v}}{f}D_vf(\boldsymbol{x}a) = \sum_{j=1}^n v_j \frac{\partial f}{\partial x_j}(a)</math>
によって与えられる。
に従う。これは[[全微分]]の定義からの帰結である。方向微分は {{math|'''v'''}} に関して[[線型写像|線型]]、すなわちベクトル {{math|'''v''', '''w'''}} に対して {{math|1=''D''{{ind|'''v''' + '''w'''}}(''f'') = ''D''{{ind|'''v'''}}(''f'') + ''D''{{ind|'''w'''}}(''f'')}} を満たす。
 
同様の事は {{mvar|f}} が {{math|'''R'''{{msup|''m''}}}} に値を取るベクトル値函数に対しても(成分ごとに考えて)定義できる。この場合、方向ベクトルの値は {{math|'''R'''{{msup|''m''}}}} のベクトルとして与えられる。
 
=== 全微分 ===