「おやしお型潜水艦」の版間の差分

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構造様式は、船体前後が複殻、中部が単殻の部分単殻構造であり、複殻部分は外フレーム式、単殻部分は内フレーム式とされている。これは、船体中部への側面アレイ・ソナーなどの設置を織り込んだ設計であった。側面アレイ・ソナーの取り付けには極めて高い精度が求められることから耐圧殻への設置が望ましく、従ってこの部分は単殻構造となる必要があった。また従来の涙滴型船型では魚雷発射管が船体中部寄りに設けられていたが、これでは船体装備の側面アレイ・ソナーと干渉することから、魚雷発射管を船体前方に移動させる必要から、艦首ソナーと上下に並べて設置できる葉巻型船型が採択されたものである<ref name="SubHis P118-123"></ref><ref name="weapon">{{Cite journal|和書|year=2006|month=10|title=兵装 (海上自衛隊潜水艦の技術的特徴)|journal=世界の艦船|issue=665|pages=130-133|publisher=海人社|naid=40007466930}}</ref>。流体力学的な合理性では涙滴型にわずかに劣るものの、通常動力型潜水艦が活動するような比較的低速の領域では、葉巻型でも有意な差はないとされている<ref name="16SS-hull">{{Cite journal|和書|author=幸島 博美|year=2009|month=11|title=船体 (特集 新型SS「そうりゅう」のすべて) -- (新型潜水艦「そうりゅう」の技術的特徴)|journal=世界の艦船|issue=713|pages=84-91|publisher=海人社|naid=40016812491}}</ref>。
 
本型の設計の特徴の1つが、全般的な[[ステルス艦|ステルス化]]である。[[1980年代]]後半当時、[[対潜戦]]水上艦艇において、[[AN/SQS-26|AN/SQS-53]]や[[75式探信儀 OQS-101]]など、大出力・低周波の探信儀(アクティブ・ソナー)の配備が進んでいたが、これらは、状況次第では[[収束帯|第1収束帯(1CZ)]]以遠という超長距離での潜水艦探知をも期待しうる性能を備えていた。艦型拡大に伴う[[ターゲット・ストレングス([[:en:Target strength|TS]](TS; [[レーダー]]での[[レーダー反射断面積|RCS]]に相当する概念)増大もあり、水中放射雑音の低減にとどまらない全般的な対策が求められるようになっていた。このことから、本型では新開発の水中吸音材が導入された。これは、外部の音に対して逆位相になるような音を加えることでこれを打ち消すという[[消音スピーカー#位相によるノイズキャンセラ|パッシブノイズキャンセラ]]であった。ただし、低周波ソナーに対応できる吸音材はかなり分厚く、船体全部に貼り付けることは難しかった。このため、セイルには単なる反射材を設置するなど使い分けがなされている。セイルの外板は傾斜しており、[[ステルス機]]の対レーダーステルスと同様、探信音を発振元に戻さないようにすることで探知を避けることを狙っていた<ref name="development">{{Cite journal|和書|author=小林正男|year=2009|month=11|title=「うずしお」から「そうりゅう」へ-運用者から見た海自潜水艦の発達 (特集 新型SS「そうりゅう」のすべて)|journal=世界の艦船|issue=713|pages=75-81|publisher=海人社|naid=40016812489}}</ref>。
 
[[File:Submarine recharging (JMSDF).jpg|thumb|250px|充電中のおやしお型潜水艦]]