「グローバル・ポジショニング・システム」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
→‎安全保障輸出管理: 規制回避の例について追記
→‎測位法: ディファレンシャルGPS廃止について加筆
77行目:
GPSの測位方法は、コード([[搬送波]]の変調)に基づく方法(コード測位方式)と、搬送波の[[位相]]に基づく方法(搬送波測位方式)に分けられる。一般にはコード測位が用いられているが、精密測位には搬送波測位が用いられる。
; 単独測位 :コード測位。誤差10[[メートル|m]]程度(民生用)。
; DGPS(ディファレンシャルGPS):Differential GPS(相対測位方式)。コード測位。測位対象となる移動局のほかに、位置のわかっている基地局でもGPS電波を受信し、誤差を消去する方法。基地局で生成された補正情報を送信し、移動局で受信すれば、実時間でDGPSの補正処理を行うことができる。日本国内では、[[海上保安庁]]の中波[[無線方位信号所|ビーコン]]により補正情報を送信しており、これを使用するのが一般的である。誤差数[[メートル|m]]。なお、海上保安庁が提供するディファレンシャルGPSについては、「GPS精度の向上」、「衛星等による別の補正システムの運用開始」、「[[2019年]](平成31年)[[4月7日]]に発生するロールオーバー(後述の『1999年8月21日問題』を参照)による信頼性が保証できない」を理由として、2019年(平成31年)3月1日に運用を終了する予定である<ref>{{Cite web|url=https://www.kaiho.mlit.go.jp/soshiki/koutsuu/dgps/haishi.pdf|title=ディファレンシャルGPSの廃止について|accessdate=2019-1-7|date=2017-6-30|format=PDF|publisher=海上保安庁|archiveurl=https://web.archive.org/web/20190107120150/https://www.kaiho.mlit.go.jp/soshiki/koutsuu/dgps/haishi.pdf|archivedate=2019-1-7}}</ref>
; RTK測位 :Real Time Kinematic GPS。干渉測位方式。DGPSと同様に、[[電子基準点]]から受信する電波の位相差を計測し、測位計算。測位時間1分以下、誤差数[[センチメートル|cm]]が可能。測量地点では、基準受信機を参照基準点(既知)に設置し、(複数の)移動受信機で測位。
; 高速スタティック測位 :干渉測位方式。測量地点で、複数のアンテナを固定設置し、測位時間30[[分]]以下、誤差1[[センチメートル|cm]]以下が可能。
151行目:
多くの天文観測設備では天体追尾にGPSに同期させることで補正する[[クォーツ時計]]やルビジウム時計を用いている。このため、米国が秘密裏にSAを加えようとしても、少なくともSAが加えられたこと自体はエラーとして検出される。
 
=== 1999年8月21日問題(週データのロールオーバー問題) ===
GPSの時計が[[オーバーフロー|桁溢れ]]する日(1999年8月21日など)が1024週ごとにある。これは、[[GPS衛星]]に搭載されている[[時計]]の週の積算データが10[[ビット]]で管理されているため、GPS時計の周期開始日である[[1980年]][[1月6日]]から1024週後の1999年8月21日([[日本標準時|JST]]では1999年8月22日午前9:00)に[[リセット]]されて内部で0週に戻ってしまう仕様となっていたのを無視して[[カーナビゲーション]]システムを製造したために、発生した問題である。当時、対応が迫られていた[[2000年問題]]と同根の問題であることもあり、こう呼ぶ。