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[[シイタケ]]、[[エノキタケ]]、[[シメジ]]類、[[マイタケ]]、[[ナメコ]]、[[マッシュルーム|ツクリタケ(マッシュルーム)]]のように、非常によく食べられており、栽培も行なわれている食用キノコがある。最近では、[[エリンギ]]や[[ヤマブシタケ]]の栽培も増えている{{いつ|date=2013年11月}}。また、[[マツタケ]]のように、人工栽培には成功していないが、大量に輸入されていたり、[[トリュフ]]のように高価で珍重されるキノコもある。[[キヌガサタケ]]は高級な[[中華料理|中国料理]]の材料として扱われていたが、すでに[[中華人民共和国|中国]]で栽培されている。菌床栽培された食用キノコを洗いすぎると吸水し水っぽくなったり栄養や旨みが失われるため、洗いすぎず食べることが肝心。
 
食用キノコには[[リボフラビン|ビタミンB<sub>2</sub>]]を含むものが多いが、同一の種でも生育環境(栽培条件)により栄養成分の含有量は大きく異なる<ref>[http://dx.doi.org/10.3136/nskkk1962.40.7 ナメコの化学成分組成に及ぼす栽培時のオゾン暴露の影響] 日本食品工業学会誌 Vol.40 (1993) No.1 P7-16</ref><ref>[http://dx.doi.org/10.3136/nskkk.47.191 シイタケの菌床栽培における培地窒素量と子実体の窒素含有成分との関係] 日本食品科学工学会誌 Vol.47 (2000) No.3 P191-196</ref>、そのため収穫後の子実体への効果を期待し様々な成分の添加が研究されている<ref>[httphttps://doi.org/10.2488/jwrs.55.170 シイタケ培地へ添加したトレハロースの子実体への影響(第1報)添加量と子実体の収量,含有量,鮮度保持,食味との関係] 木材学会誌 Vol.55 (2009) No.3 P170-175</ref><ref>[httphttps://doi.org/10.3136/nskkk.42.682 ヒラタケおよびナメコによるカルシウム塩添加培地からのカルシウムの吸収] 日本食品科学工学会誌 Vol.42 (1995) No.9 P682-686</ref>。また、シイタケには[[呈味性ヌクレオチド]]である[[グアニル酸]]が含まれ、[[出汁|だし]]を取るのに利用されている。キノコの旨み成分の多くは加熱により増えるため、ほとんどのキノコは生で食べても旨みは感じられない。
 
従来から、可食種とされている[[クリタケ]]、[[ナラタケ]]、[[エノキタケ]]、シイタケでは過熱が不十分な場合、中毒症状を起こすおそれがある。また、体質によっては消化不良を起こし、下痢をする場合がある。さらに、コウジタケ、[[アイタケ]]、ホテイシメジでは、[[ビタミンB1]]を破壊する作用が報告<ref>[http://hdl.handle.net/10131/2991 キノコ類のビタミンB_1破壊に関する研究 脇田正二 1976/10/28 横浜国立大学]</ref> されており、調理方法には注意が必要である。食用となるキノコの一覧は後の「[[#種類]]」を参照のこと。
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===キノコの効能===
キノコの効能については、抗菌、抗ウイルス、コレステロール低下、血糖降下、血圧降下、抗血栓、PHA幼若化抑制、抗腫瘍などが報告されている。きのこに含まれる多糖類であるβ-D-グルカンは抗腫瘍活性があるのではないかと指摘されている。キノコから開発された多糖体制癌剤(免疫療法剤)として[[クレスチン]]、[[レンチナン]]、[[ソニフィラン]]が認可されている<ref>水野 卓 『[httphttps://doi.org/10.1271/nogeikagaku1924.63.862 抗腫瘍活性物質]』 「日本農芸化学会誌」Vol. 63 (1989) No. 4 P 862-865</ref>。
 
[[ファイル:Shiitakegrowing.jpg|thumb|シイタケ(''[[シイタケ|Lentinula edodes]]'' )]]
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}}
[[画像:Pleurocybella porrigens020359.jpg|サムネイル|かつては食用菌とされていたが近年有毒と判明したスギヒラタケ。]]
毒キノコには、食用キノコと非常によく似た見た目のものもある。また、毒性が弱くても体調によっては深刻な症状となることもある([[ツキヨタケ]]のような比較的弱い毒キノコでも中毒死した例はある)。自然界には毒性の不明なキノコが多数存在し、従来から食用とされてきたキノコであっても、実際には毒キノコであることが判明する場合がある。2004年に急性脳炎が多数報告された[[スギヒラタケ]]は、その前年の法改正によって急性脳炎の患者が詳しく調べられるようになり、初めて毒性が明らかになった。元々毒キノコだった可能性も指摘されている<ref name="fukiharu">{{Cite book ja-jp|author = 吹春俊光|year = 2009|title = きのこの下には死体が眠る!? 菌糸が織りなす不思議な世界|pages =p.95-98|isbn =978-4-7741-3873-2|publisher = [[技術評論社]]}}</ref>。ある種の毒キノコ([[ベニテングタケ]]、[[シャグマアミガサタケ]]など)は調理によって食用になる場合もあるが、これらは例外であって、ほとんどの毒キノコはどう調理しても食用にならない。「[[ナス]]と一緒に食べれば中毒しない」といった話も迷信である<ref>根田仁、「[httphttps://doi.org/10.11519/jjsk.54.0_39 毒きのこ類]」『森林科学』Vol.54 (2008) p.39-42, {{doi|10.11519/jjsk.54.0_39}}</ref>。
 
エノキタケの廃培地からも発生する[[コレラタケ]]は「食用キノコを収穫した後に生えるから大丈夫」と'''誤解'''され、食中毒を起こすおそれが高い。
 
毒キノコの中毒件数(1959-1988年、2,096件)の種類別の内訳は、[[ツキヨタケ]]30%、[[クサウラベニタケ]]20%、[[カキシメジ]]5.8%、[[ニガクリタケ]]1.8%、[[テングタケ]]1.1%の順であり、種類不明が28.5%を占めている。毒キノコの死亡件数(1970-1990年)の内訳は、[[ツキヨタケ]]14人、[[コレラタケ]]5人、[[タマゴテングタケ]]4人、[[ドクツルタケ]]3人を数えている<ref name="yamaura"> 山浦 由郎 『[httphttps://doi.org/10.14840/jsfm1984.10.113 毒キノコと食中毒]』 「食品と微生物」Vol. 10 (1993-1994) No. 3 P 113-119 </ref>。
 
*'''猛毒'''(致死性が強い)
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| last = 水野 | first = 卓
| contribution = キノコの機能と衛生
| contribution-url = httphttps://doi.org/10.3358/shokueishi.30.258
| magazine = 食品衛生学雑誌
| publisher = 日本食品衛生学会