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==生化学==
フルクトースは、グルコースに比べ開環率が高く(約10倍も[[糖化反応]]に使われやすいため<ref name=mc/>)、生体への毒性はグルコースよりも遥かに高い。この毒性を早く消す目的で、[[肝臓]]はグルコースよりもフルクトースを優先的に処理する<ref>山内俊一、[httphttps://doi.org/10.6032/gnam.34.219 糖質ー特にフルクトースに関してー]、痛風と核酸代謝 Vol.34 (2010) No.2 p.219-, {{DOI|10.6032/gnam.34.219}}{</ref>。
 
フルクトースは、腸から吸収されると[[門脈]]から肝臓に達し、肝細胞に入ると[[グルコース]]よりも速やかに[[フルクトキナーゼ]]により[[リン酸化]]されて[[フルクトース-1-リン酸]]を生成し、[[フルクトース-1,6-ビスリン酸]]を経て[[解糖系]]に入り、[[ピルビン酸]]を生成する。大量のフルクトースの摂取はピルビン酸の処理が追いつかず多量の[[乳酸]]を生じ乳酸[[アシドーシス]]を発症する場合がある。多量のフルクトースの摂取はピルビン酸を脱炭酸して多量の[[アセチルCoA]]を生じ、[[脂肪酸の合成]]に利用され、[[中性脂肪]]の生成を促進する。慢性的な中性脂肪の生成は[[高トリグリセリド血症]]をきたす。なお、空腹時には、フルクトースはフルクトース-1,6-ビスリン酸を経て[[糖新生]]に入り、66%がグルコースに変換されると言われる。また、グルコースは、門脈を経て肝細胞内に入るとリン酸化されて[[グルコース-6-リン酸]]となり、細胞内に留まることが可能となり、必要に応じて肝臓の[[グルコース-6-ホスファターゼ]]によりリン酸が脱離されて再びグルコースになり細胞膜中を輸送されて肝静脈に放出される。これはグルコースの代謝量を調節するために重要であるが、フルクトースにはこのような調節機構がないことにより速やかに各種代謝が進行する<ref>高橋隆一 [http://www.umin.ac.jp/fukusayou/adr123e.htm [解説]高カロリー輸液施行中に認められるアシドーシス]</ref>。