「アゾベンゼン」の版間の差分

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異性化反応の機構には2通りの経路が考えられてきた。ひとつは、N=N 二重結合のπ結合が解けて N-N 単結合となり、そこで回転 (rotation) が起こり異性化する経路、もうひとつは、N=N-Ar の[[結合角]]が、直線型の[[遷移状態]]を通りながら立体反転 (inversion) する経路である。トランス体からシス体への異性化は、S<sub>2</sub>状態(ππ<sup>*</sup>[[励起状態]])で起こる回転、シス体からトランス体への異性化は、S<sub>1</sub>状態(nπ<sup>*</sup>励起状態)で起こる立体反転によるものとされてきた。異性化反応の各々について、どの励起状態が直接的な役割を果たしているかという点は未だに議論の対象となっている。しかし、Diau らによる、フェムト秒時間分解蛍光分析と、計算化学とをあわせた研究は<ref>Diau, E. W.-G. ''
J. Phys. Chem. A'' '''2004''', ''108''(6), 950-956. [httphttps://dx.doi.org/10.1021/jp031149a DOI:10.1021/jp031149a]</ref>、S<sub>2</sub>状態はまず[[内部転換 (化学)|内部転換]]により S<sub>1</sub>状態に変わり、それから C-N=N-C の4原子が同時に直線に並んだ遷移状態を経由して異性化する「協奏的な立体反転 (concerted inversion)」の経路を、新しい可能性として示した。この機構では S<sub>2</sub>状態が異性化に直接関わってはおらず、π-π<sup>*</sup> 吸収から異性化への[[量子収率]]が低いという実験結果を説明できる<!--訳者 Diau の原著で内容を確認しました-->。
 
== 光異性化による分子の動きの応用 ==