「超臨界流体」の版間の差分

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m WP:BOTR パスカル_(単位) 改名および曖昧さ回避
三菱化工機のプラントをコメントアウト。WP:WAVEDASHWP:JPEに触れるため、㈱と~を除去し、単位の前にスペースを入れておく。
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'''超臨界流体'''としてよく使用される物質は、[[水]]と[[二酸化炭素]]である。
 
超臨界流体の[[水]]は酸化力がきわめて高いため、腐食しにくいといわれている[[ハステロイ]]や{{仮リンク|白金・イリジウム合金|en|Platinum-iridium alloy}}、さらに[[金]]や[[タンタル]]までもが腐食する。安定な物質である[[セルロース]]や[[ダイオキシン]]、[[ポリ塩化ビフェニル|PCB]]も[[水#亜臨界水・超臨界水|超臨界水]]中では分解可能である。酸化力が極めて高いがゆえに使いづらいケースも多く、その場合は[[水#亜臨界水・超臨界水|亜臨界水]]を用いる<ref name="asiabiomass" />。超臨界水は密度は室温の液体水(1g/cm3)の0.03~0.4倍程度であり、100℃、0.1MPaの水蒸気に比べて数十~数百倍大きい<ref name="asiabiomass" />。粘性率は気体並みに低く、自己拡散係数は液体と気体の中間程度で<ref name="asiabiomass" />、臨界水と亜臨界水1は気体分子と同程度の大きな運動エネルギーを持ち、液体の1/10程度の密度を持つ活動的な流体といえる<ref name="asiabiomass" />。150~350℃、0.5~25MPaの亜臨界水2は大きな加水分解力を持つ高温高圧の液体水であり、亜臨界水や超臨界水は[[温度]]、[[圧力]]を制御することにより[[密度]]や[[溶解度]]等のマクロな[[物性]]から、流体分子の[[溶媒和]]構造等のミクロな物性・構造まで連続かつ大幅に制御が可能。亜臨界・超臨界水は[[誘電率]]や[[イオン積]]という反応場に大きな影響を与える要素の制御が容易で単一溶媒であり、尚且つ水溶性から非水溶性の特性を示し、[[イオン反応]]場から[[ラジカル反応]]場までを提供することができる<ref name="asiabiomass">[https://www.asiabiomass.jp/topics/1101_01.html 亜臨界水・超臨界水を用いたバイオマスの資源化技術が実用化へ]</ref>。
 
また、超臨界流体の[[二酸化炭素]]は、様々な物質をよく溶解する。目的物を溶解した超臨界二酸化炭素を臨界点以下にすると、二酸化炭素は[[気化]]するので、後には[[溶質]]のみが残る。気化した二酸化炭素は回収して再利用が可能である。実用として[[コーヒー]]の[[デカフェ|脱カフェイン]]や[[ニンニク]]の臭気成分や機能性食品の有効成分の抽出などに使用されている。二酸化炭素は臨界温度が31℃と低いため、分子を破壊せずに活性を維持した状態で抽出する事ができる<ref>[http://www.chorinkai.co.jp/older/chorinkai.html 超臨界研究所]</ref>。
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[[火力発電]]では、作動流体である水蒸気の圧力及び温度は、高ければ高いほど熱効率が高くなる。このため、ボイラーに貫流ボイラーを使用し、発生する蒸気の圧力・温度を水の臨界点以上に高めた超臨界流体が使われている。そのような発電技術を超臨界圧(Super Critical: '''SC''')、又は超超臨界圧(Ultra Super Critical: '''USC''')と呼び、2013年における最新式の石炭火力発電プラントで実用化されている。
 
[[第二世代バイオ燃料]]の製造工程で[[セルロース]]を加水分解するために超臨界水の使用が研究される<ref>[http://www.spc.jst.go.jp/hottopics/0910recycle/r0910_sako.html 亜臨界・超臨界水によるバイオマス廃棄物の有効利用技術の開発]</ref><ref>[http://www.nedo.go.jp/content/100082907.pdf 木質系バイオマス資源の超臨界水処理による石油代替エネルギーの獲得]</ref><ref>[http://www.jwrs.org/woodience/mm003/miyafuji.pdf 超臨界水法によるリグノセルロースからのバイオエタノール生産]</ref>。バイオマスを亜臨界水・超臨界水を用いて資源化する開発・実用化は、日本が最も進んでいる。
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実用化技術として、三菱化工機株式会社は、下水汚泥を1.6MPa~26 - 2.9MPa9 MPa200℃~230℃200 - 230 ℃の亜臨界水で処理し、固形燃料や[[バイオガス]]を生成するための連続処理設備の販売を開始した<ref name="asiabiomass">[https://www.asiabiomass.jp/topics/1101_01.html 亜臨界水・超臨界水を用いたバイオマスの資源化技術が実用化へ]</ref>
* 三菱化工機による当該システム紹介は[http://www.kakoki.co.jp/products/e-027/index.html]にあるが、亜臨界水による処理でもない。
 
* https://www.jswa.go.jp/g/g5/g5m/ms/112.pdf に下水道事業団とのリリースがあるが、「飽和水蒸気」の吹き込みであり超臨界流体で扱うトピックではない。
* 類似のものに三菱長崎機工による[http://www.mnm.co.jp/products/environment/sewage.html メタサウルス]があり、180℃、10気圧(ほぼ、1 MPa)の条件で汚泥の連続処理を行う。これも三菱化工機と同じくB-DASHプロジェクトによる成果物。
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[[経済産業省]]と[[東北大学]]、[[東京大学]]、[[九州大学]]は、[[地下]]深部の高温高圧で超臨界になっている[[地下水]]を利用した[[地熱発電]]の実用化を研究する
<ref>{{Cite news|url=http://www.nikkei.com/article/DGXLZO16987380Y7A520C1TJM000/|title=経産省、超臨界水で地熱発電 高温高圧を利用|work=|publisher=『[[日本経済新聞]]』電子版|date=2017年5月28日}}</ref>。