「イスパノ・スイザ HS.404」の版間の差分

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=== アメリカ ===
[[File:Aircraft_MG.JPG|thumb|240px|[[A-1_(航空機)|ダグラス A-1 スカイレイダー]]に搭載された、アメリカ生産型HS.404の改良型であるAN-M3]]
[[アメリカ陸軍航空隊]]と[[アメリカ海軍]]では、それまでの航空機搭載火器の標準であった[[ブローニングM1919重機関銃#派生型|AN-M2 7.62mm機関銃]]と[[ブローニングM2重機関銃#エーション|AN-M2 12.7mm機関銃]]の混載に替わる武装強化策として、口径15~20mmへの統一、もしくは20mmと12.7mmの混載への変更を予定していた。しかし、自国開発による新型機関砲の開発は難航し、早期に口径20mmクラスの機関砲の国産開発は困難とされたことから、当初は[[デンマーク]]の{{仮リンク|[[マドセン|en|Madsen_20_mm_cannon|FIXME=1}}]](Madsen)社<ref>当時正式な社名は「Dansk Industri Syndikat A/S」で、“マドセン(社)”はこの時代にはブランド名もしくは通称である。</ref>の[[:en:Madsen_20_mm_cannon#Design|23mm機関砲]]を導入する予定であったが、[[1939年]]の第二次世界大戦の勃発と[[1940年]]の[[デンマークの歴史#第二次世界大戦|ナチスドイツによるデンマーク占領]]により不可能となったため、早急に導入可能な20mm航空機関砲としてHS.404が選定されたものである。
 
HS.404はまずは陸軍航空隊に“'''Gun,Automatic,20 mm,M1'''”の制式名称で採用された。続いて、陸海軍航空機の武装統一計画に伴い海軍にも導入され、“'''AN-M1'''”の統一制式番号が与えられた<ref>AN-M*の“AN”とは"Army & Navy"の略で、「陸海軍(統一)」を意味する。</ref>。
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AN-M1およびM2は第二次世界大戦中に合わせて134,663基が製造されているが、生産は[[1944年]][[2月]]には中止されたため、全面的に切り替えられることはなく、第二次世界大戦中に実戦投入された機体の搭載機銃としては、陸軍航空隊では[[P-38_(航空機)|P-38 ライトニング]]<ref>なお、P-38では再装填装置が機体側の装備として備えられていたため、他の機種に搭載されたものに比べて飛行中に不具合の対処が可能で、信頼性が高かった。</ref>、[[P-39_(航空機)|P-39 エアラコブラ]]の外国向け供与型および[[P-61_(航空機)|P-61]][[夜間戦闘機]]の他には[[P-51_(航空機)|P-51]]の試作型(NA-91)など数種の試作機に搭載されたのみで、海軍/海兵隊航空隊でも[[F6F (航空機)|F6F]]や[[F4U (航空機)|F4U]]の一部に対爆撃機用や対地攻撃任務用の武装変更型として搭載されたにすぎなかった。[[B-29_(航空機)|B-29]][[爆撃機]]の防御武装としても搭載されたが、不具合が多い上に有用性が低いとされ、多くの機体で運用開始後順次撤去されている。
 
戦争が終結した後の[[1945年]][[12月]]の段階でもAN 20mm機関砲の改良計画は陸軍長官の承認のもとに続けられており、イギリスのイスパノ Mk.Vに倣ってAN-M2の銃身を短縮して改良した'''T-31'''を開発、'''AN-M3'''の制式名称で採用したが、やはり信頼性の問題は続いた。最終的にアメリカ製HS.404であるAN-M 20mmシリーズの信頼性問題は、アメリカ陸軍航空隊向けでは電動式再装填装置を追加、薬室の設計を変更した'''M24'''([[1947年]]の[[アメリカ空軍]]発足に伴って制式番号は変更されている)が、アメリカ海軍向けではAM-N3の改良型である'''[[コルト Mk12|Mk-12]]'''が開発されるまで解決しなかった<ref>ただし、MK-12も[[F-8_(戦闘機)|F-8 クルセイダー]]艦上戦闘機に搭載されて[[ベトナム戦争]]で用いられた際には「''信頼性に難がある''」との評価が出されている。</ref>。なお、Mk-12では発射速度は毎分1,000発に向上しており、弾薬も独自の{{仮リンク|20×110mm USN弾|en|20×110mm USN}}(20×110mm MK-100 series)を使用している<ref>HS.404系列とは弾薬の互換性はない。</ref>。
 
AN-M2/3およびM24、そしてMk-12は第二次世界大戦後にジェット機が主流になった後もアメリカ海空軍で航空機搭載機銃として使われ続けたが、やはり[[リヴォルヴァーカノン]]、そして[[ガトリング砲|モーターガトリング砲]]の開発とそれらを搭載した航空機の導入により、航空機搭載機銃としては主流の座を退いた。