「ロジカルシンキング」の版間の差分

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== 三角ロジックとトゥールミン・モデル  ==
[[ファイル:Toulmin model of argument mini illust jp.svg|サムネイル|{{仮リンク|トゥールミンモデル|en|Toulmin method}}の略型。]]
[[ディベート|競技ディベート]]や科学的論証などの文脈で、論理を構築する考え方として、三角ロジックと呼ばれる形式が用いられることがある。 三角ロジックは、正三角形の各頂点にクレーム(主張)、データ(客観的事実)、ワラント(論拠)が配置される。 クレームは上の頂点に、データは下辺の左の頂点に、ワラントは下辺の右側の頂点に配置される。 これら3要素が揃っていることをもって論理的であるとする考え方である。これらの構成要素はトゥールミンモデルに基づくものであり、国内外で広く議論・利用されてきたことから理論的な権威性を持つが、三角形の配置については日本独自のものである。 
[[ファイル:Toulmin Argumentation Example.gif|代替文=Toulmin model|サムネイル|Toulmin argumentation can be diagrammed as a conclusion established, more or less, on the basis of a fact supported by a warrant (with backing), and a possible rebuttal.]]
[[:en:Stephen_Toulmin|トゥールミン]]は ''The Uses of Argument'' の中で、論証のパターンの枠組みのもっとも基本的な形として、データ(D: data)、ワラント(W:warrant)、結論(C:conclusion)からなる枠組みを示した。この図式として、データを左側、結論を右側に配置し、右方向への水平の矢印で両者をつないだ構造が示されている。ワラントはデータから結論に向かう矢印の下に、矢印を支えるような形で記載されるのが一般的である。トゥールミンのモデルはさらに、より精緻な枠組みとして、限定子(Q:qualifier)、 論駁(R:rebuttal)、 裏付け(B:backing) の要素を加えたものを示している。 
 
トゥールミンの示した[[議論]]の枠組みは、もともとは法律的な議論を行うモデルとして考案されたものであるが、用語の揺らぎはあるものの分野を問わず広く用いられている。結論(conclusion)か主張(claim)か、データ(data)か事実(fact)か、といった用語選択は分野によって様々である。大学における論文の論理などを組み立てるために書かれた『大学で学ぶ議論の技法』においても、トゥールミンモデルによる議論の分析方法が示されている。