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== 南シナ海領有権問題の余波 ==
ナトゥナ近海でインドネシアが設定しているEEZは、中国が管轄権を主張する[[九段線]]と一部重複しており、係争海域となっている。2010年と2013年にナトゥナ諸島近海で中国漁船がインドネシアに拿捕されたため、中国は武装艦を派遣して漁船を奪還した。インドネシア側は「(島の)領有権問題は存在しない」としつつも空軍施設の強化を計画するなど警戒を強めている<ref name=reuters20140826>{{Cite news|url=http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0GQ0AG20140826|title=アングル:南シナ海領有権問題、インドネシアの諸島が新たな舞台に|work=|publisher=[[ロイター]]|date=2014-08-26|accessdate=2014-08-26}}</ref>。2015年9月に同諸島を視察したリャミザルド国防相は、新たに海軍の艦船3隻と[[特殊部隊]]、さらに空軍の戦闘機4機を新たに配備する計画を表明した。これらにより、ナトゥナ諸島の駐留兵力は約4000人に倍増する<ref>{{Cite news|url=http://www.sankei.com/world/news/160225/wor1602250004-n1.html|title=インドネシア、南シナ海南端の兵力倍増|work=|publisher=[[産経新聞]]|date=2016-2-25}}</ref>。
 
2016年8月には、[[レーダー]]を備えた違法漁業の監視施設をラナイの軍基地に併設した<ref>[http://www.sankei.com/photo/story/news/160817/sty1608170027-n1.html 南シナ海で違法漁業監視 インドネシア、中国けん制]産経新聞ニュース([[共同通信]]による配信)、2016年8月17日</ref>。
 
2017年時点では、[[F-16]]戦闘機5機と[[フリゲート]]3~5隻を配備したと報道され、滑走路の延長工事などを進めている<ref>{{Cite news|url=http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM01H5F_01062017FF1000/|title=南シナ海で対中抑止力 ベトナム、日本の護衛艦が寄港 フィリピン、南沙で滑走路を改修|newspaper=日本経済新聞電子版|publisher=日本経済新聞社|date=2017-06-02|accessdate=2017-06-06}}</ref>。[[地対空ミサイル]]や[[潜水艦]]の配備も進められているほか、[[漁業]]や[[水産業]]の育成にも力を入れている<ref>中国船監視へ離島開発/インドネシア 港湾や市場整備[[読売新聞]]』朝刊2016年8月20日</ref>。
 
飛行場、潜水艦を含む艦艇補給施設、特殊部隊の駐留施設を含む陸海空軍合同基地は、2018年12月に開所式が執り行われた<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39833170Z00C19A1FF2000/ 「南シナ海 中国をけん制/ベトナム ロシアと海底資源開発/フィリピン 領有権争う島 滑走路改修」]『[[日本経済新聞]]』朝刊2019年1月10日(国際面)2019年1月26日閲覧。</ref>。
 
インドネシア政府内には周辺を「ナトゥナ海」に呼称変更すべきだという意見が浮上<ref>「南シナ海」名称変更構想/インドネシア政府「ナトゥナ海」に『読売新聞』朝刊2016年8月20日</ref>。2017年7月14日、諸島の北部海域を「北ナトゥナ海」に改称して地図に記載したと発表した<ref>{{Cite news|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017071400822&g=int|title=南シナ海、「北ナトゥナ海」に=中国けん制で改称-インドネシア|work=|publisher=[[時事通信]]|date=2017-7-14}}</ref>。
 
日本政府も2017年1月、中国の海洋進出を牽制するため、[[安倍晋三]]首相がインドネシアを訪問してナトゥナ開発への支援を表明した<ref>{{Cite news|url=http://www.asahi.com/articles/ASK1H3PTKK1HUTFK001.html|title=首相、インドネシアの離島開発に支援表明 中国を牽制|work=|publisher=[[朝日新聞]]ニュースサイト|date=2017-1-15}}</ref>。
 
インドネシアは中国を[[国際司法裁判所]]に提訴することも検討している。中国は政府レベルでは「ナトゥナ諸島の主権はインドネシアに属しており、中国が異議を示したことはない」としつつ、メディアが「ナトゥナ諸島は[[]]代から[[清代]]にかけて中国か、中国系王国の支配下にあった」と報じている<ref>{{Cite news|url=http://www.sankei.com/world/news/151113/wor1511130036-n1.html|title=中国、ナトゥナ諸島への“野心”を否定 インドネシアの国際司法機関への提訴を牽制|work=|publisher=[[産経新聞]]|date=2015-11-13}}</ref>。
 
== 脚注 ==