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'''棋戦'''(きせん)とは、[[将棋]]のタイトルや優勝を争う争奪戦大会のことである通常はプロ([[棋士 (将棋)|棋士]]、[[女流棋士 (将棋)|女流棋士]])のものを指すことが多くいい、女流棋士のものは特に「女流棋戦」という。アマチュアの大会については、単に「将棋大会」などと言うことが多いが、規模の大きいものは「[[将棋のアマチュア棋戦|アマチュア棋戦]]」と呼ばれる。以下では、プロの棋戦について述べる
 
棋戦には、以下の3種類がある。
プロ棋戦のうち対局結果が記録(棋士や女流棋士の成績等)として残るものを「公式戦」あるいは「公式棋戦」と言う。公式戦はタイトル戦と一般棋戦とに分かれていて、現在プロ[[将棋界]]には8つのタイトル戦と6つの女流タイトル戦がある。他に記録として残らないプロ棋戦を「非公式戦」と言う。[[富士通杯達人戦|達人戦]]が主な例である。
 
*タイトル戦
タイトル戦は将棋界では非常に重んじられていて、一般棋戦とは明確に差別化がされている。タイトル戦と一般棋戦とを分ける基準は公表されていないが、タイトル戦に共通する要件として、前回のタイトル獲得者(現在のタイトル在位者)に挑戦者が挑戦する[[挑戦手合制]]と言う形式で行われること、またその勝負が[[番勝負]]<ref group="注釈">タイトル戦以外でも、たとえば[[竜王戦]]の挑戦者決定戦では三番勝負、[[新人王戦 (将棋)|新人王戦]]の決勝戦では三番勝負が行われる。</ref>(「シリーズ」と表現する<ref>「第70期名人戦七番勝負第6局-堂々の防衛劇」 『将棋世界』 2012年8月号、7頁。</ref>)であることの2点がある。しかし、[[王座戦 (将棋)|王座戦]]はこの2点を満たしていながら1982年まではタイトル戦ではなかった。2006年まで行われていた[[朝日オープン将棋選手権]]も、この2点を満たしていながらタイトル戦ではなかった。
*一般棋戦
*非公式戦
 
タイトル戦は、優勝者にタイトル(称号)が与えられる棋戦のことである。一般棋戦は、タイトル戦以外の公式戦のことである。非公式戦は、対局結果が日本将棋連盟の公式記録に残らない棋戦のことである。
タイトル在位者は、在位中は[[将棋の段級|段位]]ではなくタイトルを付して(例:[[佐藤天彦]]名人、名人 佐藤天彦)、あるいはタイトルそのもの(例:名人)で呼称される。
 
2019年現在、棋士の棋戦は、8つのタイトル戦、7つの一般棋戦、1つの非公式戦がある。女流棋士の棋戦は、7つのタイトル戦、1つの一般棋戦、4つの非公式戦がある。なお、過去には一年に2回開催する棋戦なども存在したが、現在の棋戦は原則として一年に一回である。
アマチュアのものは「将棋大会」「アマチュア大会」と呼ばれ、規模の大きいものは「[[将棋のアマチュア棋戦|アマチュア棋戦]]」と呼ばれることがある。
 
==概要==
棋士・女流棋士は、棋戦に参加して対局をすることで対局料・賞金を得て活動している。過去の棋戦も含めて、棋戦の大半は新聞・雑誌・テレビ・インターネット放送といったマスメディアが主催者である。新聞や雑誌の場合には主催紙に棋譜が掲載され、テレビやインターネット放送の場合には主催局で対局の模様が中継される。これらの主催者から、対局者に賞金等が支払われる。
 
棋戦のうち、'''称号'''(タイトル)を争うものがタイトル戦である。通常は、称号の名前がそのまま棋戦の名前になる(例:「竜王」の称号を争う棋戦が「竜王戦」)。優勝者は、称号を獲得し、翌年のタイトル戦が終わるまでの間、[[将棋の段級|段位]]に代わってこれを肩書として名乗ることができる(例:「[[広瀬章人]]竜王」、「竜王 広瀬章人」、あるいは単に「竜王」など)。さらに、特定の条件を満たした場合には、恒久的に名乗れる特別な称号を獲得できる場合もある('''永世称号''')。棋士個人の地位を左右するものであるため、棋戦の中では、タイトル戦が最も重んじられている。
 
タイトル戦は、いわゆる[[挑戦手合制]]で開催される。挑戦手合制では、まず現在のタイトル在位者(前回の優勝者)を除く棋士でトーナメント等を開催して挑戦者を決定する。そして、選ばれた挑戦者と現在のタイトル在位者との間で'''[[番勝負]]'''<ref group="注釈">これ以外にも番勝負が行われることはある。たとえば[[竜王戦]]では挑戦者決定戦も三番勝負で開催される。</ref>(1対1で複数局を連続して戦うこと。シリーズとも言う<ref>「第70期名人戦七番勝負第6局-堂々の防衛劇」 『将棋世界』 2012年8月号、7頁。</ref>)を行い、勝ち越した方がタイトルを獲得する。現在のタイトル在位者が再びタイトルを獲得することを防衛、挑戦者がタイトルを獲得することを奪取と言う。
 
タイトル戦以外の公式記録に残る棋戦が一般棋戦である。一般棋戦の中には、若手棋士のみを対象にした棋戦などもある。一般棋戦の開催方式は様々である。近年は[[トーナメント方式|勝ち残り式トーナメント]]が多いが、過去には、勝ち抜き戦や挑戦手合制で開催されるものもあった。勝ち残りトーナメント方式の一般棋戦は、優勝棋戦などと呼ばれることもある。また、挑戦手合制の一般棋戦(早指し王位戦、王座戦(旧)、朝日選手権など)は、準タイトル戦などと呼ばれることもある。過去の一般棋戦は、トーナメント方式の場合でも決勝のみ番勝負となっているものが多く、[[新人王戦 (将棋)|新人王戦]]は現在も決勝三番勝負で行われる。なお、一般棋戦でも特殊な称号(NHK杯選手権者など)が獲得できることもあるが、これらはその棋戦の中でのみ使われるものであるため、タイトルとは区別される。
 
== 沿革 ==