「レット・イット・ビー (映画)」の版間の差分

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| 監督 = [[マイケル・リンゼイ=ホッグ]]
| 製作総指揮 = ザ・ビートルズ
| 製作 = ニール・アスピノール<br />マル・エヴァンス
| 脚本 =
| 出演者 = [[ジョン・レノン]]<br />[[ポ・マッカートニー]]<br />[[ジョージマルハリスエヴァ]]<br />[[マイケル・リンゴ・スターゼイ=ホッグ]]<br />[[ビリー・プレストン]]
/>[[ヘザー・マッカートニー]]<br />[[オノ・ヨーコ]]<br />[[ビリー・プレストン]]<br />[[:en:Derek Taylor|デレク・テイラー]]
| 音楽 = フィル・スペクター
| 音楽 = [[ジョン・レノン]]<br />[[ポール・マッカートニー]]<br />[[ジョージ・ハリスン]]<br />[[リンゴ・スター]]
| 撮影 = [[アンソニー・B・リッチモンド]]
| 編集 =
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| 公開 = {{Flagicon|GBR}} 1970年5月20日<br />{{Flagicon|JPN}} 1970年8月25日
| 上映時間 = 81分
| 製作国 = {{USA}}<br />{{GBRUK}}
| 言語 = [[英語]]
| 制作費 =
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}}
 
『'''レット・イット・ビー'''』(''Let It Be'')は、ビートルズが[[1969年]]1月に行ったセッション([[ビートルズの解散問題#「ゲット・バック・セッション」|ゲット・バック・セッション]])と、彼らの最後のライヴ・パフォーマンスとなった「[[ルーフトップ・コンサート]]」の模様を記録した、[[ドキュメンタリー]][[映画]]である。[[ペーパーバック・ライター]]」や「[[レイン (ビートルズの曲)|レイン]]」等のプロモーション・フィルムの製作を手がけた[[マイケル・リンゼイ=ホッグ]]が監督を担当した。
 
当初の映画の目的はビートルズのリハーサルとライヴ演奏を見せることであった。しかし、メンバーの心はバラバラに分かれ始め、結果的に本作は[[ビートルズの解散問題|解散に向かうビートルズ]]の姿を記録するものとなった。
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== ルーフトップ・コンサート ==
[[ファイル:3 Savile Row.jpg|thumb|ルーフトップ・コンサートが行われた旧アップル・コア本社]]
映画プロジェクトの元々の構想では最後にライヴ・ショー([[1966年]][[8月29日]]に[[サンフランシスコ]]の[[キャンドルスティック・パーク]]で最後のツアーを終えてから初の公式なライヴ・パフォーマンス)で終わるというものであった。しかしライヴの方法についての意見はなかなかまとまらなかった。[[ポール・マッカートニー]]はビートルズが初期に行っていたように小さいクラブで演奏することを主張し、[[ジョン・レノン]]は[[アフリカ]]のような海外で行うことを主張した<ref group="注釈">しかし、彼はまた皮肉っぽくライヴを[[精神科|精神病院]]で行うことを望んでいた</ref>。[[リンゴ・スター]]は[[イングランド]]にとどまるよう要求し、[[ジョージ・ハリスン]]はどんなライヴ・パフォーマンスにもほとんど興味を示さなかった。
 
結局、ライヴの方法はアップル本社の屋上において予告無しでコンサートを行うことで解決した。ビートルズはプレストンと一緒に[[1969年]][[1月30日]]、ゲリラ的にライヴ演奏を行った。映画は屋上から大音量で鳴り響く演奏に驚くロンドンの住民たちの姿も記録されている。映画は駆けつけた警察官によって演奏が止められ、コンサートが終了するところで終わる。のちに「[[ルーフトップ・コンサート]]」呼ばれるこのコンサートはビートルズの最後の公式なライヴ・パフォーマンスとなった。
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*"Piano Theme"
::ポールのアドリブで演奏されたピアノソロ。[[サミュエル・バーバー]]の[[弦楽のためのアダージョ]]が元になっている。
*[[ドント・レット・ミー・ダウン]]
::サビのみ。
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::ポールがコードをメンバーに教えながら演奏する。ロード・マネージャーの[[マル・エヴァンズ]]が金属の塊をハンマーで叩いて演奏に参加する。この後のシーンでジョージがマイクで感電しポールが「ジョージが死んだら君ら(スタッフ)はオシマイだぞ」とジョークを言う。
*[[トゥ・オブ・アス]]
::通常編成での演奏で、ポールが[[エレクトリックベース|ベース]]、ジョンとジョージが[[エレクトリック・ギター]]を弾く。オリジナルの[[フォーソング|フォーク]]調とは異なり、[[ロックンロール]]調のパフォーマンスである。
*[[アイヴ・ガッタ・フィーリング]]
::曲の終盤のみのパフォーマンス後、ポールがジョンに対してチョーキングのニュアンスを指示するが、1月31日の最後のライヴではそのパートをジョージが弾いている。その後中間部からパフォーマンス再開。終演後にアルバム『レット・イット・ビー』の「[[フォー・ユー・ブルー]]」の冒頭に収録されることになるジョンの"Queen says 'No' to pot-smoking FBI members."という語りが入る。
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::ポールとリンゴがピアノ連弾で歌う。ただしリンゴ・スターは右手だけを使う。
*[[トゥ・オブ・アス]]
::ロックンロール調のパフォーマンスであるが、イントロのあと冒頭部分を歌ってすぐに中断。その後、ポールの語りとなるが、ポールの指示に対しジョージと口論になる。ポールが「バンドサウンドが合わない。君と僕との(You and I are uh…)…」といった際にジョージは"You and I have…”と『トゥ・オブ・アス」を口ずさみ、ポールも"…memories"と乗る。ジョージ喰ってかかった際、ポールは「君はいつでも悪いように取る。だけど傷つけるつもりはないんだ。ただ、もっとよくなるように言ってるだけなんだ」と諭すが、ジョージは聞こうとしなかった。その後、ポールは「[[ヘイ・ジュード]]」のギター・プレイ(完成版で消されたフレーズ)で口論があったことと同じだと言うと、ジョージは「もうそんなことはどうでもいい。君の言う通りにするさ。弾けと言うなら弾くし、弾くなと言うなら弾かない。好きなようにしてやる」と言い、場が険悪になる。
*[[アクロス・ザ・ユニバース|アクロス・ザ・ユニヴァース]]
::ジョンが「"Nothing Is Gonna Change My World"の回数を変えよう」と言ってこの曲が始まる(ジョンのこの提案の撮影は口論とは別の日であった)。
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*[[ベサメ・ムーチョ]](Consuelo Velázquez-Sunny Skylar)
::ポールがヴォーカル。『[[ザ・ビートルズ・アンソロジー1]]』等に収録されている初期ヴァージョンとは異なり、ゆったりとしたテンポで、オリジナルに近い。ポールは声色を変えて歌っている。[[1月29日]]収録。
*[[オクトパス・ガーデン|オクトパスズ・ガーデン]] (Starkey)
::ポール不在のスタジオで、リンゴが作曲途中のこの曲をピアノで弾き語りでジョージに聴かせている。ジョージにコード進行のアドヴァイスを受けている様子が分かる。レコードとは異なり、C調で演奏している。ジョンもタバコを吸いながら、ドラムを演奏する。その後ポールが恋人リンダとリンダの娘ヘザーを連れて入ってきて「(例のデモ音源は)ひどい曲だな」とけなし、ジョージ・マーティンが「まだ完成してないから」と言う。その後、セッションの準備をし始める。その途中、カメラはヘザーを追い、リンゴのドラムを叩き、リンゴがおどけてキョロキョロする様子が撮影されている。ヘザーがスタジオ入りしていることから[[1月26日]]の収録と察せられる。
*[[ユーヴ・リアリー・ゴッタ・ホールド・オン・ミー|ユー・リアリー・ゴット・ア・ホールド・オン・ミー]]([[スモーキー・ロビンソン|Smokey Robinson]])
::ビリー・プレストン(電気ピアノ)も加わり、オールディーズ・ナンバーを歌う。[[ウィズ・ザ・ビートルズ]]ヴァージョン』収録テイクと異なり、ポールがピアノ、ジョンが6弦ベース。1月26日収録。
*[[ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード]]
::ポールが[[ボサノヴァ]]風にアップ・テンポ口ずさむ。その後、スロー・バラードで歌い始めるも突然声色を変え大声を出し中断となる。1月26日収録。
*[[:en:Shake, Rattle and Roll|シェイク・ラトル・アンド・ロール]] (Jesse Stone (変名のCharles E. Calhounを使った))
::再びオールディーズ・ナンバー。『[[ザ・ビートルズ・アンソロジー3]]』にも収録。
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以下の3曲は、セッション最終日([[1月31日]])のスタジオ・ライヴより。
*[[トゥ・オブ・アス]]
::アルバム収録版とほぼ同じだが、エンディングのジョンの口笛はアルバムとは異なる。ジョージはオールローズ・テレキャスターの低音弦でベース・ラインを弾いている。
*[[レット・イット・ビー (曲)|レット・イット・ビー]]
::『[[レット・イット・ビー...ネイキッド]]』収録版とほぼ同じ。た、オリジナル版ネイキッド版にはない"There will be no sorrow"という歌詞を含んでいる。
*[[ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード]]
::『レット・イット・ビー...ネイキッド』収録版とほぼ同じ。
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以下6曲は[[ルーフトップ・コンサート]]([[1月30日]])より。
*[[ゲット・バック]]
::シングル・ヴァージョンとほぼ同じだが、ジョンのソロオブリガート若干違うほか、ポールのセリフも若干違う。
*[[ドント・レット・ミー・ダウン]]
::ジョンが歌詞を忘れて適当にフレーズを口ずさんでいる箇所がある。歌いだしもシングルと違い、ポールとジョージのハモリが入っている。
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::『レット・イット・ビー』収録版とほぼ同じだが、道行く人々がインタヴューに答えている映像が挿入されている。
*[[ワン・アフター・909]]
::『レット・イット・ビー』収録版とほぼ同じ。終了後にジョンが[[ロンドンデリーの歌]]の替え歌を歌う。 
*[[ディグ・ア・ポニー]]
::リンゴがタバコ休憩に入っていたところでカウントが始まったため、リンゴが制止する。冒頭とラストの"All I want is…"というユニゾンが入る。このユニゾンの削除は理由は不明であるがアルバム『[[レット・イット・ビー]]』で施され、アルバム『レット・イット・ビー...ネイキッド』においても準じて削除されている。
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ゲット・バック・セッション中に演奏したものの、映画『レット・イット・ビー』では採り上げられなかった曲は主に次のものが挙げられる。「[[ラヴ・ミー・ドゥ]]」、「[[アイ・ウォント・ユー]]」、「[[ストロベリー・フィールズ・フォーエバー|ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー]]」、「[[レディ・マドンナ]]」、「[[オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ]]」、「[[浮気娘]]」、「[[オール・シングス・マスト・パス (曲)|オール・シングス・マスト・パス]]」(Harrison)、「[[バック・シート]]」(McCartney)、「チャイルド・オブ・ネイチャー」(Lennon) -<ref group="注釈">この曲は後に「[[ジェラス・ガイ]]」へ作り直された-</ref>「[[ウォッチング・レインボーズ]]」「[[エヴリナイト|エヴリ・ナイト]]」(McCartney)、「[[テディ・ボーイ]]」(McCartney)、「[[真実が欲しい]]」(Lennon)、そして「[[アイ・ロスト・マイ・リトル・ガール]]」(McCartney)、この曲は<ref group="注釈">マッカートニーが14歳の時初めて作った曲である。</ref><ref name="Twickenham"/><ref name="Apple Sessions"/><ref name="Apple Performance"/><ref name="Rooftop"/><ref>{{cite web | url=http://www.npr.org/programs/asc/archives/live031403/ | title=''Watch the Lost Beatles'' | work=NPR's Online Music Show | accessdate=2006-10-29}}</ref>。<br />
その他にも、膨大なオールディーズ・ナンバーやデビュー前の自作曲が演奏されているが、それらの多くは断片的なものに留まる。
 
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[[2004年]]以降、[[ポール・マッカートニー]]を含め、複数の関係者の口からDVD・ブルーレイ化に向けての作業が進められていることが語られているが、[[2017年]]現在、正式なリリースは発表されていない。現在、正式に入手できるのは抜粋が収録された映像版『[[ザ・ビートルズ・アンソロジー]]Vo.8』のみである。
 
また[[2007年]]2月の[[ニール・アスピノール]](元[[アップル・コア]]代表取締役)のインタヴューでは、DVD向けにリマスタリングを行っていることを語り、こう述べた。「The film was so controversial when it first came out. When we got halfway through restoring it, we looked at the outtakes and realized: this stuff is still controversial. It raised a lot of old issues.<!--映画が最初に出てきたときは非常に物議を醸した。その修復作業が半分を過ぎたときに、アウトテイクを見てこう気づいた。この素材は未だに議論を呼んでいると。これは古い議論をよみがえらせた。-->」<ref>http://www.foxnews.com/story/0,2933,251410,00.html </ref>これは「レット・イット・ビー」がDVD・ブルーレイとして再版されるまでに非常に長い時間が掛かるであろう事を示唆している。
 
2019年1月に、[[ピーター・ジャクソン]]の手により、新編集版の「レット・イット・ビー」が現在制作中であることが発表された。同時にオリジナル版の方も、リマスター化されて発売される予定であることも発表された。
[[2019年]][[1月31日]]に、[[ピーター・ジャクソン]]の手により、新編集版の「レット・イット・ビー」が現在制作中であることが発表された。同時にオリジナル版の方も、リマスター化されて発売される予定であることも発表された<ref>{{Cite news|title=ビートルズ『レット・イット・ビー』制作時の未公開映像を基にした映画が制作中、監督はピーター・ジャクソン|url=http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/72135/2|work=Billboard JAPAN|publisher=[[ビルボード]]|date=2019-01-31|accessdate=2019-02-01}}</ref><ref>{{Cite news|title=ビートルズの新作映画製作が決定 ピーター・ジャクソン監督「究極の映像体験に」|url=https://www.daily.co.jp/gossip/2019/01/31/0012025688.shtml|work=[[デイリースポーツ|デイリースポーツ online]]|publisher=株式会社デイリースポーツ|date=2019-01-31|accessdate=2019-02-01}}</ref>。
 
== 脚注 ==
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=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
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