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== ウォルト・ディズニー社と人権問題 ==
人権欲しい
世界規模で事業を展開するディズニー社であるが、作品そのものではなく、人権抑圧・侵害<ref name="ネズミの裏切り">『ディズニー、ネズミの裏切り:欲望、不正、そして危険にさらされる子供たち(Disney: The Mouse Betrayed: Greed, Corruption, and Children at Risk)』([[:en:Peter Schweizer|Peter Schweizer]]著、[[:en:Regnery Publishing|Regnery Publishing社]]、1998年)</ref>と並行した[[多国籍企業]]、[[メディア・コングロマリット]]としての事業拡大への抗議批判も多い<ref>クラウス・ベルナー&ハンス・バイス著『世界ブランド企業黒書 人と地球を食い物にする多国籍企業』(2005年、明石書店)</ref>。
 
=== ディズニー社による児童奴隷労働 ===
ディズニー社が、自社の映画と連動した玩具や衣服の商品化を初めて行ったのは、1937年の『白雪姫』の公開に合わせてのことだった。同年末までにディズニー社は、この映画の関連商品から800万ドル(当時)を稼ぎ出したのである<ref name="再考">『ディズニーを再考する:個人のコントロール、公的な規模(Rethinking Disney: Private Control, Public Dimensions)』(Mike Budd、Max H. Kirsch共著、Wesleyan社、2005年)</ref>。ウォルト・ディズニーは前年の1936年に、「我々の主要な観客は女性である」とコメント。ウォルトの死後、低迷期を経たディズニー社は、1980年代に「主要な観客は彼女らの家族である」とした。こうして、ディズニー社はその言葉通り、幼い女児を対象とした映画作りと、これに合わせた商品開発を連綿と続けるに至った<ref name="良い女の子と邪悪な魔女">『良い女の子と邪悪な魔女:ディズニーの主要なアニメーションの中で変遷する女性像、1937年〜2001年(Good Girls and Wicked Witches: Changing Representations of Women in Disney's Feature Animation, 1937-2001)』(Amy Davis著、John Libbey Publishing刊、2007年)</ref>。
 
こうして「家族向け」に制作されるディズニー社の映画作品における、「キャラクターグッズ」の生産工場は、東南アジア、中南米、中央アジア、中近東、東欧などの[[開発途上国|発展途上国]]を拠点として、約3000の工場と数千人の労働者を擁しており、児童労働、社会保障無視、給料遅延、有害な溶剤や材料からの健康被害などの常態化、その労働環境の劣悪さが批判されている<ref>『Sweated Work, Weak Bodies: Anti-Sweatshop Campaigns and Languages of Labor』(Daniel E. Bender著、Rutgers University Press、2004年)</ref><ref>『Sweatshop USA: The American Sweatshop in Historical and Global Perspective』(Daniel E. Bender、Richard A. Greenwald共著、[[:en:Routledge|Routledge]]社、2003年)</ref><ref>『Unraveling the Garment Industry: Transnational Organizing and Women's Work』(Ethel C. Brooks著、ミネソタ大学刊、2007年)</ref>。
 
ディズニー社から正式ライセンスを受けたこれら「労働搾取工場(日本でいう[[ブラック企業]])」には、「Nathan J. Company」、「Too Cute」、「L.V. Myles」、「Classic Apparel」、「Keyhing Toys」、「Eden Group Mamiye Brothers/American Character」、「Victoria Garment Manufacturing」などがある。これらの工場は労使間の規制が厳しく、労働者は賃金交渉ができない仕組みになっている。またそもそも賃金自体が違法なレベルである。これらの工場では、児童労働者の雇用拡大のために、成人労働者の多くを解雇している。児童のほうが、より低賃金でかつ従順な労働力となるからである。
 
1995年、アメリカ連邦政府の調査機関は、ロサンゼルスの2つのディズニー搾取工場を強制捜査した。うちひとつの「Nathan J社工場」は、12歳程度の子供向けの衣服の製造のために、同じ年頃の児童を働かせていた。もう一方の工場「Too Cute」は、タイの密航請負業者と結託し「Too Cute(可愛過ぎる)」とのラベル商品の製造にタイからの密航者(業者から借金している)を充て、児童を含む彼らに事実上無報酬の奴隷労働を強いていた<ref name="ネズミの裏切り"></ref>。
 
1998年、アメリカのNGO組織「人と労働者の権利を支援する国際労働委員会([[:en:National Labor Committee in Support of Human and Worker Rights|NLC]])」は、[[ハイチ]]におけるディズニーのキャラクターグッズの生産工場が、ハイチ人の労働者に時給60セント<ref>2005年の「IHS児童奴隷労働ニュース」による報告では、最高級待遇で時給28セントに下げられている</ref>の条件を呑ませようとしているとし、また「人間扱いされていない」とのハイチ人労働者の声を伝えた。NLCは、ディズニー社の経営陣に対し、「少しは人間性を見せてほしい」と要求している。このハイチの工場では、労働組合を作ろうとした従業員150人が即座に解雇されている。またNLCは前年の1997年に、メキシコ国境のアクーニャにある『ヘラクレス』や『ライオンキング』、『[[101 (映画)|101]]』などのキャラクターの子供用シャツの縫製工場「Classic Apparel」を調査し、強制的な残業、清潔な飲料水の不足、トイレ休憩の制限を報告している。作業場はネズミが走り回る不潔なもので、飲料用水道は便所の脇にあり、この水を飲んだ多くの女性従業員が罹病していた<ref>『ネズミのための労働(Working for the rat)』(『NI』誌、1998年12月号)</ref>。
 
2001年12月、カリフォルニア州にあるディズニー傘下のグッズ工場「KTB社」で、7歳から15歳の子どもを含む約800人の非白人系従業員が、時給1.35ドルでディズニーアニメのキャラクターグッズの生産に従事していることが明らかになった<ref>カリフォルニア州法での労働者の最低賃金は、時給6.25ドル(当時)であり、完全な州法違反である</ref>。ディズニー社は当初知らぬ存ぜぬの姿勢を採ったが、後に労働者たちに対し補償金の支払い表明を行っている。また[[香港]]でも同様に、[[タコ部屋労働|タコ部屋]]によるわずか5000円程度の月給での、児童を含む休日なしの1日18時間労働実態が[[w:Hong Kong Christian Industrial Committee|香港キリスト教工業委員会]]によって報告されている。[[マカオ]]では年休なしの1週間109時間労働を強いられている従業員の時給が'''約10円'''だった。対するディズニーCEO[[マイケル・アイズナー]]の月給(役員報酬)は、この時期で約8億5千万円だった<ref>『[[ニューヨーク・タイムズ]]紙』2001年12月の連続記事</ref>。また、現在のディズニーCEOロバート・アイガー([[:en:Robert Iger|Robert Iger]])の場合は2071万ドル(20億円超)である(2008年度報告)。
2002年、[[ベトナム]]での、「[[マクドナルド]]<ref>マクドナルド社も「児童奴隷労働」によって国際的な抗議批判を浴びている多国籍企業の一つである</ref> のディズニーキャラクターのおまけ玩具([[ハッピーセット]])」の生産工場「Keyhing Toys」では1800人の従業員中90%が10代の少女たちであり、劣悪な作業環境の中、200人の女性従業員が[[アセトン]]被害で慢性的な生理不順や頭痛に苦しんでいるが、工場側は一切の待遇改善、健康保障を拒絶している。また、工場のマネージャーは、これら児童、女性従業員に日常的に体罰を加えていた。この「Keyhing Toys」工場や[[ミャンマー]]の工場従業員の時給は6セントだった。こういった労働搾取工場の従業員は、ほとんどが10歳から30歳までの女性・児童であり、彼女らの解雇を恐れての避妊の奨励や、工場責任者からの愛人関係の強要、また60セントから35ドルまでの頻繁に課せられる「罰金」制度、強制残業などによる奴隷労働が、これらアジアの搾取工場では一般的とされている。インドネシアの工場では、子供たちが逃げ出さないよう、出入り口が針金で施錠されていた。タイの「Eden Group」は、成人従業員1145人を解雇し、これを児童従業員に切り替えている<ref name="ネズミの裏切り"></ref>。
 
ここで注意したいのは、ウォルト・ディズニー社が「[[国際連合児童基金|ユニセフ]]」が掲げる'''「児童労働と性的搾取からの保護を含む、子供の権利保護」で、最も活動的なメンバー組織'''ということである。ディズニー社はこれらの搾取工場の違法状態をすべて把握しているにもかかわらず、自社のキャラクター製品の生産のためにこれら児童奴隷の搾取工場を使用し続けているのである。
 
「人と労働者の権利を支援する国際労働委員会(NLC)」のチャールズ・カーナガンは、「ディズニーのシャツを作っている人々は、言語に絶する悲惨さの中で生きている」とコメントし、ハイチの子供たちは『[[ノートルダムの鐘]]』、『ポカホンタス』、『ライオンキング』、「ミッキーマウス(「子供のためのミッキー」ブランド)」の衣類、香港とベトナムの子供たちは[[ハッピーセット]]、中国の子供たちは『リトルマーメイド』、『[[トイ・ストーリー]]』、および「[[ミニーマウス]]物」を作らされており、これらの工場では満足な換気設備もなく、また防毒マスクも支給されず、有害な溶剤の蒸気吸入によって、すでに3人の労働者が死亡したと報告している。また、アメリカのTV報道番組「[[NBCニュース]]」では、ジョー・アレンによって、「ロサンゼルスの工場では子供たちは時給6セントで働かされており、たいていの場合、これらの児童労働者たちは有機溶剤によって手を腐食されている」、「[[インドネシア]]では12歳前後の子供が、[[ぬいぐるみ]]の詰めもの作業をさせられており、工場所有者は『子供のほうが従わせるのがより簡単なので、労働力として子供を使うほうがいい』と誇らしげに語った」との実情が報じられている<ref>『ディズニー、児童労働違反の王国(Disney - the Kingdom of Child Labor Violations)』(「anomalies unlimited.com」)</ref>。『ポカホンタス』や『眠れる森の美女』などのキャラクターシャツの搾取工場としては、上記の国の他にマカオ、[[ホンジュラス]]、ビルマ、[[バングラデシュ]]などがある。ディズニー社の販売する『リトルマーメイド』のティアラとスティックの玩具は、これらの国の物価を吊り上げるまでの経済的影響を与えている。
 
2000年代に入って、シャーリー・スレシンジャー([[w:Shirley Slesinger Lasswell|Shirley Slesinger Lasswell]])<ref>「[[クマのプーさん]]」のアメリカでの権利者の妻である</ref> はNLCと共同で、これらディズニー搾取工場に対する改善要求を開始、最晩年まで抗議を行っている。また、ディズニー製品のハイチ工場の責任者が「より安い生産拠点」として中国に拠点を移すと発表した際には、米国政府は[[マイケル・アイズナー]]宛てに労働条件改善を促す親書を送ったが、アイズナーはこれを無視。ハイチの工場は閉鎖縮小され、中国への移転が行われた<ref>『ウォルト・ディズニー社における児童奴隷労働(Child Slave Labor in the Walt Disney Company)』(「IHS児童奴隷労働ニュース([[w:Immaculata High School|IHS]] Child Slave Labor News)」2005年11月、Frederick Koppによる報告)</ref>。
 
== 歴代経営者 ==