「変分法 (解析力学)」の版間の差分

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となり、''ħ''は[[換算プランク定数]]、''ε''<sub>0</sub>は[[真空の誘電率]]、 ''r<sub>i</sub>'' (for ''i'' = 1, 2) は核からの''i''番目の電子の距離、 |'''r'''<sub>1</sub>&nbsp;−&nbsp;'''r'''<sub>2</sub>| は2つの電子間の距離である。
 
2つの電子間の反発を表わす項 ''V<sub>ee</sub>'' = ''e''<sup>2</sup>/(4π''ε''<sub>0</sub>|'''r'''<sub>1</sub>&nbsp;−&nbsp;'''r'''<sub>2</sub>|) が考慮されなければ、ハミルトニアンは核電荷 +2''e''を持つ2つの[[水素原子におけるシュレーディンガー方程式の解|水素様原子]]のハミルトニアンの和となる。基底状態エネルギーはその結果8''E''<sub>1</sub> = −109&nbsp;eVとなり(''E''<sub>1</sub>は[[リュードベリ定数]])、その基底状態波動関数は水素様原子の基底状態に対する2つの波動関数の積となる<ref name=Griffiths1995>Griffiths (1995), p. 262.</ref>。
:<math> \psi(\mathbf{r}_1,\mathbf{r}_2) = \frac{Z^3}{\pi a_0^3} e^{-Z(r_1+r_2)/a_0}</math>
上式において、''a''<sub>0</sub>は[[ボーア半径]]、Z = 2はヘリウムの核電荷である。''ψ''<sub>0</sub>によって記述されるこの状態の全ハミルトニアン''H''(項''V<sub>ee</sub>''を含む)の期待値はその基底状態エネルギーについての上界となる。<''V<sub>ee</sub>''> は −5''E''<sub>1</sub>/2 = 34&nbsp;eV あるため、<H> は8''E''<sub>1</sub>&nbsp;−&nbsp;5''E''<sub>1</sub>/2 = −75&nbsp;eV。