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現代の小数と同じ[[十進法]]における小数は、記録に残る所では古代中国が最古である。[[劉徽]]は[[263年]]に[[九章算術]]という数学書の注釈本を著していて、現代のアラビア数字表記での8.660254寸を「八寸六分六釐二秒五忽、五分忽之二」と書いている(小数第6位を表す単位が無いため、分数との併記になっている)。しかしこの時代の[[分 (数)|分]]はあくまで計量単位で『(長さの場合は常に)寸の1/10』を表しているのであり、現代的な無名数の小数が成立するのはもっと後の時代になる。{{See also|漢数字#小数}}
 
現代の数学の系譜であるヨーロッパの数学においては、小数の導入は遅れた。これは[[エジプト式分数]]表記が普及していたためである。ヨーロッパで初めて小数を提唱したのは、オランダの[[シモン・ステヴィン]]である。[[1585年]]に出版した「十進分数論」の中で、初めて小数を発表した。その名が示す通り、分数の分母を[[10|十]]の累乗に固定した場合に計算が非常にやりやすくなると主張し、それが小数の発明となった。しかし、[[奇数]]では[[5|五]]よりも[[3|三]]の方が小さくて頻度が高いにも拘らず、ステヴィンは「"[[1/3|三分の一]]"が割り切れること」の重要性を理解しておらず、「[[1/2|二分の一]]」「三分の一」「[[1/4|四分の一]]」「[[1/9|九分の一]]」の全てが割り切れる[[6|六]]の累乗や[[12|十二]]の累乗を軽視している。
 
ないなお、ステヴィンの提唱した小数の表記法は、現代の「0.135」であれば、これを「1①3②5③」と表記する。現代のような小数点による表記となったのは、20年ほど後に[[ジョン・ネイピア]]の提唱による。