「ツルキンバイ」の版間の差分

[[和名]]'''ツルキンバイ'''は「蔓金梅」の意<ref name="Kadota" /><ref name="Makino" />。で、走出枝をもち、キンポウゲ科の[[キンバイソウ]]のような、黄色で梅のような花を咲かせるのでいう<ref name="Makino" />。

本種は、1900年に採集された標本をもとに、[[牧野富太郎]]が1910年に「『植物学雑誌」』に {{Snamei|Potentilla yokusaiana}} Makino として新種記載し<ref name="BMT"> [https://www.jstage.jst.go.jp/article/jplantres1887/24/282/24_282_137/_pdf/-char/ja {{Snamei|Potentilla yokusaiana}} Makino, sp. nov.], 『植物学雑誌』、The botanical magazine, Tokyo, Vol.24, No.282, pp.142-144, (1910)</ref>、長い間この名前が使われてきた。1982年刊行の旧版『日本の野生植物 II』でもそのように扱っている<ref name="Satake">『日本の野生植物 草本II 合弁花類』p.180</ref>。一方、フランス人植物学者の[[エクトル・レヴェイエ]]は、朝鮮半島でフランス人宣教師の[[ユルバン・ジャン・フォーリー|フォーリー神父]]が採集した標本をもとに、1909年にキジムシロ属の新種として {{Snamei|Potentilla rosulifera}} H.Lév. を記載発表した。この種については、[[中井猛之進]]は、1911年に「不明種」と、のちの1952年には「[[ヒメヘビイチゴ]]の異名」と扱っている。そ<ref name="JJB">[http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_076_237_238.pdf ツルキンバイの後学名], 『植物研究雑誌』、Journal of Japanese Botany, Vol.76, No.4, pp.237-238, (2001)</ref>。

こうしたなか、植物学者の池田博は、{{Snamei|P. rosulifera}} H.Lév. の[[タイプ標本]]が所蔵されているイギリスのエジンバラ王立植物園でそれを確認した。その結果、それはヒメヘビイチゴではなく、ツルキンバイであることが判明した。牧野が発表した{{Snamei|P. yokusaiana}} (1910) より、エクトル・レヴェイエが発表した {{Snamei|P. rosulifera}} (1909) の方が1年早く、[[国際植物命名規約]]の規定により優先権があることになる。池田は、そうした経過と理由から、池田はについて、2001年、『植物研究雑誌』に「ツルキンバイの学名」を記載し、本種の学名は {{Snamei|Potentilla rosulifera}} H.Lév. になを使用する必要があることを「植物研究雑誌」に発表した<ref name="JJB">[http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_076_237_238.pdf ツルキンバイの学名], Journal of Japanese Botany, Vol.76, No.4, pp.237-238, (2001)</ref>。

* [https://www.jstage.jst.go.jp/article/jplantres1887/24/282/24_282_137/_pdf/-char/ja {{Snamei|Potentilla yokusaiana}} Makino, sp. nov.], 『植物学雑誌』、The botanical magazine, Tokyo, Vol.24, No.282, pp.142-144, (1910).

* [http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_076_237_238.pdf ツルキンバイの学名], 『植物研究雑誌』、Journal of Japanese Botany, Vol.76, No.4, pp.237-238, (2001).