「僕らは奇跡でできている」の版間の差分

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一方大学では琴音が一輝に思いを伝えるが、立場上断る一輝に対して琴音は、育実のことが好きなのではないかと指摘する。一輝はそのことを育実本人に相談しに行き、二人はお互いへの思いを意識しあうようになる。一輝は考え抜いた末、育実に対し彼女への気持ちは他の者たちに対する「好き」とも異質な、さまざまな感情を呼び起こされ感動や発見をもたらす「面白い」ものだと伝える。ある日一輝は同研究室の准教授で、内心一輝を邪魔者扱いしている'''樫野木聡'''の娘とフィールドワークの話で盛り上がる。しかし研究がらみで離婚した樫野木が、元妻が別の男性と再婚すると知り苛立っている事情を知らないそのふるまいは、彼の怒りを買う。樫野木は好きなことで生きていける一輝の立場が一握りの人間にしか叶わないものだと指摘し、学生をそのような生き方に憧れさせるのは無責任で、大学から「消えてほしい」と罵倒する。
 
一輝は怯えて研究室を後にし、翌日も大学を休んで森へ向かう。義高と語り合い、辛いことも自分にとっての「光」として受け入れた一輝は、翌日鮫島に講師辞職の決意を伝える。一輝の辞意を知った学生たちは動揺し、彼を慰留しようと育実に説得を頼みに行くなどする。鮫島は授業で一輝のことを尋ねた学生たちに彼にまつわるエピソードを話し、樫野木が一輝に指摘した考え方も肯定的に紹介した上で、自分以外の誰かになろうとするのではなく、自分を生かし切ることが大切だと説く。一輝はフィールドワーク授業に樫野木を誘い、自分の中の問題と向き合った樫野木も暴言を詫びて両者は和解する。そして一輝はこの場で、学生たちに自分が彼らも含めさまざまな人々との関わりでできているということ、大学を離れてもその繋がりは消えないといい、自分は[[飛行機宇宙]]にフィールドワークに行くと宣言する。また一輝に事情を聞いた育実はパイロットになる宇宙へ行く決意を伝えられ、それに必要な歯の治療をきっかけに自院でも[[デンタルインプラント|インプラント]]治療を始めることを思いつき、クリニックの衛生士たちと協力関係を築いていく。一輝はパイロット宇宙を目指すまでの間しばらくは大学で講師を続けることになり、学生たちや樫野木らもそれぞれに新しい道を見つけてゆく。そして後の日、地球の大気圏でジョージを連れて船外作業をする[[パイロット宇宙飛行士]]となった一輝の姿で物語は終わる。
 
== 登場人物 ==