「ブラック・レイン」の版間の差分

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*リドリー・スコットは『ブレードランナー』で描かれていたような雑多で猥雑なイメージを日本に求めていたが、実際の日本はかなり清潔な街並みであったために驚いたという。そのためにロケーションはそれらを満たすであろう新宿歌舞伎町を当初予定地に挙げていた。
*撮影にあたっては、日本側の警察による交通規制の協力がほとんど得られない事情からロケ地調整に苦労した。
**当初の監督の希望ロケーションは東京新宿歌舞伎町であったが、警察との折衝の結果不可能となり、比較的警察協力の融通が利く大阪、関西方面に変更された。10週間の撮影を計画したものの、各所で期待した協力が得られなかったために5週間で切り上げて帰国した<ref>{{PDFlinkcite web | format=PDF |[url=http://www.jetro.go.jp/jfile/report/05000987/05000987_001_BUP_0.pdf |title=諸外国におけるロケーション・ハンティング戦略実態調査報告- |author=日本貿易振興機構] 市場開拓部 |page=6 |accessdate=2019-03-19 |archiveurl=http://web.archive.org/web/20160308103202/https://www.jetro.go.jp/jfile/report/05000987/05000987_001_BUP_0.pdf |archivedate=2016-03-08}}6ページ参照</ref>。[[広島市]]もロケの候補になっていた。撮影できなかった部分は後述のとおり米国で行った。
**ラストシーンのニックと佐藤の一戦の舞台であるブドウ畑農場は、日本国内という設定ではあったが日本の農地の風景ではない。アメリカの裕福な日本文化マニアの外国人の私有地(サンフランシスコ郊外<ref>{{efn2|IMDbに拠れば[[ナパ郡 (カリフォルニア州)|ナパバレー]]である。</ref>}}ということが『[[SmaSTATION!!#SmaSTATION-6|SmaSTATION6]]』の松田優作特集で公表された)を借りて撮影された。山林の中に立っている標識の漢字は外国人が適当に書いたもので場所が国外ということを分からせてくれる。また、このシーンで登場する佐藤が乗った[[メルセデス・ベンツ W126|メルセデス・ベンツSクラス]]([[ケーニッヒ]]仕様車)は、ダミーの「大阪」ナンバーをつけた対米輸出仕様車である。
**他にも強制送還されるニックが飛行機から抜け出す空港のシーン、チャーリーが佐藤一味に殺される地下駐車場のシーン、菅井の自宅豪邸、クラブ・ミヤコのシーン、佐藤のアジトシーンもアメリカや香港で撮影されている(後者2つについては主要キャスト以外の日本人が英語訛りの日本語を話しているためそれがわかる)。
*ケイト・キャプショーの登場場面のほとんどは米国で、カメラの切り替えでいかにも大阪でロケを行っているように見せている。唯一日本で撮影したシーンが使われているのは、今はなき[[心斎橋]](地名ではなくかつての長堀川域に実在し、1910年に二代目として架橋され、同川が埋め立てられ長堀橋筋となって以降の1964-95年の間、歩道橋として再利用されていた橋の名前を指す。2014年現在は心斎橋筋通路に欄干部が再々利用されている)の上でホームレスの男性に「これでパンでも買って」というシーンである。加えて菅井宅は『[[ブレードランナー]]』のデッカード宅と同じロサンゼルスのエニス・ブラウン邸<ref>IMDbに拠れば住所は2607 Glendower Avenue, Los Feliz, Los Angeles, California, USA</ref>である(特徴的な[[フランク・ロイド・ライト]]作のブロック壁で判別可能)。
*佐藤の愛人をニックと松本が尾行するシーンは[[神戸市|神戸]]で撮影されている。
**神戸ナンバーの車だらけの中、佐藤の部下、梨田が乗ったタクシーだけは「なにわ」ナンバーだった。
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*ホテル内でスコット監督と行われた佐藤役のオーディションには、決定した松田優作の他に、[[萩原健一]]、[[根津甚八 (俳優)|根津甚八]]、[[小林薫]]、[[世良公則]]、[[田代まさし]]、[[遠藤憲一]]などが参加していた(「[[プレイボーイ]]」誌インタビューより)。
**このオーディションで松田優作は、自分で締めていたネクタイを外し、それを手錠に見立て手首に結び本番さながらの迫真の演技を披露し佐藤役を獲得した。松田は当初、一次審査(書類選考)の時点で落とされていたが日本側のスタッフが、松田がそのようなレベルの役者ではないとアメリカ側のスタッフを説得し実現したものだった。
**[[萩原流行]]もオーディションを受けたが意中の役は射止められなかった。その際、松本刑事の部下役で打診されたが丁重に断った。しかし、松本役が高倉健だと後で知って後悔したと[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]『[[カミングダウト]]』<ref>{{efn2|放送日は不明だが、2004年12月に発売された番組本に掲載されている。</ref>}}で語っている。
**元々は『[[海と毒薬 (映画)|海と毒薬]]』をベルリン映画祭で見たプロデューサーが主演の[[奥田瑛二]]に佐藤役を打診したが、本作と同時期に公開された『[[千利休 本覺坊遺文]]』との撮影スケジュールが合わず、断ったため、オーディションが行われた([[山口猛]]著『松田優作 炎静かに』より)。
**[[木村祐一]]もオーディションを受けたがすぐに終わり、落選した。木村によると島木譲二はパチパチパンチをやって合格したらしい(『[[ダウンタウンDX]]』2007年12月13日放送分より)。
**先述の木村同様、[[今田耕司]]もオーディションに参加しており、当時会社命令で他の吉本芸人ともどもオーディションを受けるも本人は乗り気でなく、オーディション中も自身の質問に対し、コメディアンである事を伝えると外国人スタッフから「コメディアンなら何か面白い事をやってみろ」と要求されるも外国人に自分のギャグを披露しても伝わるわけがないと思った今田が「いや、ボクは別にいいです」と答えたところ、質問したスタッフが不思議そうな表情を浮かべながら「お前はチャンスがいらないのか?」と云われた。
**クランクイン前に、[[マイケル・ダグラス]]と親交を結んだ[[坂本龍一]]に、高倉健演じる松本正博役をやらないかというオファーがあった<ref>「SELDOM{{Cite - ILLEGALbook |和書|title=Seldom-illegal 時には、違法 |author=[[坂本龍一]] |date=1989-10 |publisher=角川書店 |isbn=404883245X |page=}}{{要ページ番号|date=2019-03-19}}</ref>。坂本は、当時自身のアルバム「[[ビューティ]]」の制作に時間を割いていた上、「脚本を読んだら、自分ではなくて、[[勝新太郎]]のような渋い俳優がやるべきだと思った」とのことである。坂本のこのアルバムの1曲め"Calling From Tokyo"はニックと菅井が「クラブみやこ」で目を合わせるシーンに使用され、サントラにも収録されている("JAZZ #1"というタイトルの別アレンジとして)。
*なお、[[マイケル・ダグラス]]は日本人の殺人鬼を演じないかと[[ジャッキー・チェン]]に言ってきたが、この映画はアジア人を悪く見せたし、ファンが悪者を演じる僕を見たがるとも思わなかった。(自伝“IAM JACKIE CHAN”より)と出演を断ったようである。
**ニック役に[[リチャード・ギア]]が候補になっていた。
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*アメリカ映画ユニオンの規定により俳優1人につきキャンピングカー1台を用意する必要があったため、日本中のレンタルキャンピングカーが集められ、ロケ現場には全国のナンバーが付いたキャンピングカーが集結した。
*アメリカ映画ユニオンの規定によりあたたかい物が食べられるケータリング車が必要であったが、当時の日本にはあまりそういったものがなかったため、縁日などにある「屋台」がロケ現場に用意され、スタッフは撮影時間中いつでも、うどん、やきそば、たこ焼き、飲み物などが用意され、外国人スタッフにはサンドイッチなどが用意された。
*ニックのバイクは[[ハーレーダビッドソン]]XLCR、ニックにニューヨークで賭けレースを挑む男は[[スズキ・GSX-F]]1100(1988年式)<ref>{{efn2|[[カウル]]側面に大きくRとデカールが貼ってあるが車両はFである。</ref>}}。佐藤のバイクは[[スズキ・GSX-R]]1100(1986-1988年式のいずれか)、佐藤の手下はGSX-R400(1987-1989年式のいずれか)、[[スズキ・RH250]]、RA125など佐藤側のバイクは全てスズキ製が使用されている。
*[[2ストローク機関|2st]][[単気筒エンジン]]の[[デュアルパーパス|オフロードバイク]]も排気音は[[4ストローク機関|4st]]多気筒のものに殆どの場面で差し替えられている。
 
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*[[ポール・バーホーベン]]、[[ピーター・ハイアムズ]]、[[ジョン・バダム]]が監督の候補になっていた。
*主人公がうどんを啜るシーンは、音を立てない食事を旨とする欧米人にカルチャーショックを与え、話題になった。
*米国内での[[広告媒体|宣伝素材]]に使われたタイトルの日本語表記がことごとく「ブラック・ンイレ」になっている<ref>{{efn2|その際の[[誤植|誤表記]]に基づく[[POP広告]]の写真が、[[宝島社]]の『[[VOW]]3』(1991年、ISBN 4-7966-0138-4)のp.11に収録されている。</ref>}}
*文学座つながりの[[渡辺徹 (俳優)|渡辺徹]]が、『太陽にほえろ』で競演中、松田優作から演技指導を受けたらしい。それは、「相手の胸ぐらを掴みながらセリフを言う時、まず相手を睨み深呼吸をいったんしろ、そうするとより怖いセリフになるんだ」というものであった、それを松田自身が実践したのが『ブラック・レイン』で佐藤がレストランに登場するシーンである(『[[ダウンタウンDX]]』より)。
*大橋警視役の[[神山繁]]によると、「セリフが毎日変わった。毎日新しいシナリオを渡された」とのこと([[日本放送協会|NHK]]『[[英語でしゃべらナイト]]』で本人談)。
*漫画『松田優作物語』では、[[マイケル・ダグラス]]が、チャーリーが佐藤に殺されるシーンの撮影で「チャーリー! 逃げろ!」と叫ぶべきところを、「アンディ! 逃げろ!」と[[アンディ・ガルシア]]の本名のほうを叫んでNGを出してしまったとある。松田優作のあまりの気迫に「アンディ・ガルシアが本当に殺される」と錯覚したという。
* [[朝の連続テレビ小説]]『[[純ちゃんの応援歌]]』の撮影で大阪に滞在していた[[唐沢寿明]]はミナミを散歩中に同作の撮影現場に遭遇し、マイケル・ダグラスと高倉健に駆け寄り握手してもらったのが忘れられない大阪の思い出と明かしている<ref>{{Cite news |title=唐沢寿明 健さんとの握手に大感激…映画撮影現場に遭遇 |newspaper=[[スポーツニッポン]] |date=2014-09-14 |url=http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2014/09/14/kiji/K20140914008928160.html |accessdate=2014-09-15 |format= |agency= |location= |publisher= |id= |page= |pages= |at= |language= |trans_title= |quote= <!--|archiveurl=httphttps://web.archive.orgis/web/20140915084453/http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2014/09/14/kiji/K20140914008928160.html rxBvE|archivedate=2014年9月15日-09-> |ref= |postscript= 15}}</ref>。
 
== ロケ地 ==