「ワンサくん」の版間の差分

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『'''ワンサくん'''』は、[[手塚治虫]]原作漫画、[[キャラクター]]および、それを基にした[[児童漫画]]作品、テレビアニメである
 
== 漫画 ==
1971年に手塚の個人マネージャーを務めていた[[虫プロ商事]]兼オフィス・アカデミー(個人事務所)所属の[[西崎義展]]が、手塚に描かせた数パターンの犬のイラストを版権営業先の[[三和銀行]]([[UFJ銀行]]→現:[[三菱UFJ銀行]])へ提示し、マスコット[[キャラクター]]として採用されたものである。「お子さま通帳」イラストやノベルティグッズに起用された。
月刊誌『てづかまがじんレオ』(虫プロ商事発行、1971年10月号創刊)に連載されたが、同雑誌が(1972年4月号までの7冊で?)廃刊になったため未完結のまま終了している。ストーリーもアニメ版とは異なり、ワンサと仲間達が税務署を襲撃するところもある。『[[手塚治虫漫画全集]]』では本作の他に『[[海のトリトン|海のトリトン (『テレビマガジン』・『たのしい幼稚園』版)]]』、『らびちゃん』、『とべとべるんちゃん』、『ぽっかち』の4作の短編漫画を収録している。秋田文庫『[[ふしぎなメルモ]]』では本作と『海のトリトン(『テレビマガジン』・『たのしい幼稚園』版)』を収録している。
 
その後、月刊誌『てづかまがじんレオ』([[虫プロ商事]]発行、1971年10月号創刊)に連載されたが、同雑誌が(1972年4月号までの7冊で?)廃刊になったため未完結のまま終了している。ストーリーもアニメ版とは異なり、ワンサと仲間達が税務署を襲撃するところもある。『[[手塚治虫漫画全集]]』では本作の他に『[[海のトリトン|海のトリトン (『テレビマガジン』・『たのしい幼稚園』版)]]』、『らびちゃん』、『とべとべるんちゃん』、『ぽっかち』の4作の短編漫画を収録している。秋田文庫『[[ふしぎなメルモ]]』では本作と『海のトリトン(『テレビマガジン』・『たのしい幼稚園』版)』を収録している。
 
虫プロダクション倒産後、権利保有者のオフィス・アカデミーと三和銀行とのキャラクター使用契約更新にあたり、西崎がライセンス料を釣り上げて破談となったため、1974年ごろにはキャラクター使用は終了している。
 
== アニメ『ワンサくん』 ==
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1973年4月2日から9月24日に、[[西崎義展]]が所属していた[[瑞鷹 (アニメ製作会社)|瑞鷹エンタープライズ]]企画、[[関西テレビ放送|関西テレビ]]の製作で[[フジテレビジョン|フジテレビ]]系列で毎週月曜19時00分から19時30分に放送された。関西テレビ<ref>メインバンクは[[阪急阪神東宝グループ]]の流れから[[住友銀行]]である</ref>が製作した初のテレビアニメであり、[[虫プロダクション#株式会社虫プロダクション(旧虫プロ)|旧虫プロダクション]]が制作した最後のアニメ作品でもある。
 
プロデューサーは当時瑞鷹エンタープライズに所属していた[[西崎義展]]で、にとっては『[[海のトリトン]]』([[アニメーション・スタッフルーム]]・[[ABCテレビ|朝日放送]]製作、[[TBSテレビ|TBS]]系列)に次いで2作目のアニメ製作となった。音楽は『海のトリトン』ではジャズ色が強かった[[鈴木宏昌]]であったが、本作ではポップスとクラシック色が強い[[宮川泰]]が坦当した。
 
脚本の[[藤川桂介]]によると、西崎は「日本の[[ディズニー作品]]」を目指しており、本作はディズニーの[[ミュージカル]]風な作風になったという<ref>藤川桂介「II アニメーション時代 ワンサくん—かわいい子犬の母探しをテーマにする 二クールで終わった犬のミュージカル」『アニメ・特撮ヒーロー誕生のとき ウルトラマン、宇宙戦艦ヤマトから六神合体ゴッドマーズまで』ネスコ、1998年8月9日、ISBN 4-89036-979-1、98頁。</ref><!--<ref>しかし、2018年6月25日に、日本での[[ウォルト・ディズニー・レコード]][[レコードレーベル|レーベル]]は、[[ユニバーサルミュージック (日本)|ユニバーサルミュージック]]と新たにライセンス契約を結び、同年10月1日以降音楽ソフトの販売を開始したことから、本作は他のレコードレーベルとは異なる。</ref>。-->
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第21話まではコミカル路線だったが、第22話以降は生き別れになった母親を訪ね歩くシリアス路線となった。最終回は、探しあてた時にはワンサの母は病気で、看病の甲斐もなくあっけなく死んでしまう。ワンサは一人たくましく生きていく決意をして幕が降りる。しかし実は全話が演劇だったという設定になっている。しかもよく見ると、第21話と同じ設定(観客が猫族。もっとも第21話のラストでは、犬達と猫族が大喧嘩になって終わりとなる)であることから、第21話からまるまる6話かけて最終回になる形での終わり方だった。
 
西崎にとっては前作の『海のトリトン』と同様、商業的に失敗に終わることとなった。しかし、翌[[1974年]]に『海のトリトン』のスタッフでオリジナル作品『[[宇宙戦艦ヤマト]]』([[讀賣テレビ放送|よみうりテレビ]]製作・[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]系列)を製作することとなる。瑞鷹エンタープライズから離れる際にアニメ版の著作権が退職金代わりに西崎(オフィス・アカデミー→ウエスト・ケープ・コーポレーション)へ譲渡されるも、19971996年に[[東北新社]]が同権利を買収した。<ref>[https://www.mushi-pro.co.jp/%E7%89%88%E6%A8%A9%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%B3%A8%E6%84%8F%E4%BA%8B%E9%A0%85/ 版権に関する注意事項]</ref>
 
=== ソフト化 ===
[[1990年]]に[[西崎義展#関連企業|ジャパン・オーディオ・ビジュアル・ネットワーク]]から傑作選のVHSソフトが1タイトル発売。
 
19971996年以降、アニメ版の著作権を[[東北新社]]が保有しているため、虫プロダクション作品の主題歌集ビデオ([[ハピネット|ビームエンタテインメント]] 1998年発売)やDVD(日本コロムビア 2004年発売)には収録されていない。ただし音源については日本コロムビアが[[原盤権]]を有していたため、2003年に発売された「[[手塚治虫の世界]]」に手塚治虫作品として主題歌と挿入歌が収録されている。
[[2002年]]11月21日に「手塚治虫アニメワールド」シリーズとして[[DVD-BOX]](TKBU-5157)が発売された。同シリーズは虫プロダクション作品が[[日本コロムビア]]、[[手塚プロダクション]]作品と[[ドン・ドラキュラ]]が[[NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン]]と発売元が棲み分けられているが、本作のみ唯一[[徳間ジャパンコミュニケーションズ]]からの発売となった。
 
1997年以降、アニメ版の著作権を[[東北新社]]が保有しているため、虫プロダクション作品の主題歌集ビデオ([[ハピネット|ビームエンタテインメント]] 1998年発売)やDVD(日本コロムビア 2004年発売)には収録されていない。ただし音源については日本コロムビアが原盤権を有していたため、2003年に発売された「[[手塚治虫の世界]]」に手塚治虫作品として主題歌と挿入歌が収録されている。
[[2002年]]11月21日に「手塚治虫アニメワールド」シリーズとして[[DVD-BOX]](TKBU-5157)が発売された。同シリーズは虫プロダクション作品が[[日本コロムビア]]、[[手塚プロダクション]]作品と[[ドン・ドラキュラ]]が[[NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン]]と発売元が棲み分けられているが、本作のみ唯一[[徳間ジャパンコミュニケーションズ]]からの発売となった。なお、「[[メーテルリンクの青い鳥 チルチルミチルの冒険旅行]]」DVD-BOXも翌年に徳間ジャパンから発売されているため、西崎義展作品という括りの可能性がある
 
<!--後に2018年4月1日に[[バンダイビジュアル]]が[[ランティス]]を吸収合併して、[[バンダイナムコアーツ]]になったことから、バンダイナムコアーツの映像レーベル「バンダイビジュアル」が関わるようになった。これにより、主にディズニー作品とは異なり、他の虫プロダクション制作の手塚治虫アニメのように、『ワンサくん』がバンダイナムコアーツの映像レーベル「バンダイビジュアル」が関わるのは、かつて『ワンサくん』がビデオで発売元を担当した[[西崎義展#関連企業|ジャパン・オーディオ・ビジュアル・ネットワーク]]以来となる<ref>ちなみに、主にディズニー作品としては、2018年4月1日以降のバンダイナムコアーツの映像レーベル「BANDAI VIDEO NETWORK」が関わるようになった。</ref>。-->
 
=== 再放送 ===
東北新社が権利を獲得後、1999年に[[NHK衛星第2テレビジョン]]、[[2006年]]に[[日本映画専門チャンネル]]の「手塚治虫アニメシアター」内で放送された。
 
=== 声の出演 ===