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保険は金銭面での損失をカバーするシステムであるが、それを逆手にとって不正に金銭を得ようとする事件が後を絶たない。そもそも保険契約者と保険会社の関係は、典型的な[[プリンシパル=エージェント理論|プリンシパル=エージェント関係]]とみなされており、[[逆選択]]や[[モラル・ハザード]]が発生する危険を常に背負っているといえる。保険における逆選択とは、リスクがより大きな者が、保険加入に際してより強い動機を持つため、結果として保険加入者がリスクのより大きな者で占められてしまう傾向をさし、モラル・ハザードとは、保険加入によって保障(補償)が得られるために、加入者がリスクを回避することを控えてしまうことをさす。
 
例えば生命保険の場合は、被保険者となる人物に過度の保険に加入させ、その人物を意図的に[[殺害]]・または重度の[[障害]]などを負わせる事によって、多額の[[保険金]]を得ようとしたり、損害保険の場合は対象となる物を意図的に損壊・または損壊したなどと偽って報告することにより保険金を貰い、新しい物を購入したり実際の収入に結びつけたりしようとする事がある(事例<ref>{{cite news|url=http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110702-OYT1T00509.htm|date=2011-7-2|title=柔道整復師が証明書、事故保険金詐欺20人逮捕|publisher=[[読売新聞]]|archivedate=2011年7月5日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20110705115438/http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110702-OYT1T00509.htm|deadlinkdate=2017年9月}}</ref><ref>[https://mainichi.jp/articles/20190312/dde/041/040/047000c?pid=14542 放火 パチンコ店に 容疑の男を逮捕 大阪・保険金狙う] 毎日新聞 2019年3月12日</ref><ref>[[1998年]][[7月25日]]に発生した、[[和歌山毒物カレー事件]]の[[犯人]]と疑われた林眞須美は、この事件の共犯者と思われた夫の健治と共に、この保険金詐欺を繰り返すことにより、こうしてその夫婦の家族は生活していたと言う。</ref>)。中には実際に掛かった費用(修理費用など)を過大申告し、その差額分の金銭を得ようとする事もある。
 
これらは保険金を騙し取る行為であり、「'''保険金詐欺'''」という立派な[[犯罪]]となる。このような犯罪行為を阻止するため、保険会社は、加入時あるいは支払時に契約内容あるいは請求内容を審査したり、保険会社間で契約情報や事故情報を交換したり、調査会社に委託してその保険事故が正当なものであるかどうかを調査することがある。