「国鉄205系電車」の版間の差分

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[[ファイル:JNR205-HS52.jpg|thumb|none|200px|HS52形励磁装置(界磁添加励磁装置)]]
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前述した通り201系と203系で採用した[[電機子チョッパ制御]]では高コストとなることから、本系列では国鉄末期の財政難の状況でも大量投入が行えるように比較的簡単な機器構成で[[省エネルギー]]効果が得られる[[東洋電機製造]]製の[[界磁添加励磁制御]]を国鉄で初めて採用した。機構的には古くからの[[電気車の速度制御#抵抗制御|抵抗制御]]の延長上にあるが、[[発電ブレーキ|電気ブレーキ]]に[[回生ブレーキ]]が使える利点があり、軽量な車体と相まって、結果的に201系より優れた省エネ車両となった。特に制御回路は電機子チョッパ制御とは異なり、高価な[[半導体素子]]を使用することなく、従来の車両で広く普及している部品を使用するため機器のコストは大幅に抑えられている
 
界磁添加励磁方式は、機構的には古くからの[[電気車の速度制御#抵抗制御|抵抗制御]]の延長上にあり、力行の制御は基本、電動カム軸式抵抗制御器を用いる在来手法によるが、私鉄で普及していた[[界磁チョッパ制御]]と同様、[[発電ブレーキ|電気ブレーキ]]に[[回生ブレーキ]]が使える利点があり、軽量な車体と相まって、結果的に201系より優れた省エネ車両となった。特に制御回路は電機子チョッパ制御とは異なり、高価な[[半導体素子]]を使用することなく、従来の車両で広く普及している部品を使用するため機器のコストは大幅に抑えられている。加えて界磁チョッパ方式の場合は直流主電動機をコスト高な複巻式にせねばならないところ、界磁添加励磁方式はシンプルで一般的な直巻式主電動機を使用でき、その点からも直巻式主電動機以外を選択できなかった当時の国鉄にとって最適な方式であった。
また、導入前に本系列の山手線走行シミュレーションを実施した結果、性能向上と車体軽量化により201系よりも電力消費量は少なく、さらに同線で運用されている103系よりも大幅に電力消費量が減少することが確認されている<ref name="Fan1985-4-2"/>。本系列で採用したCS57形電動カム軸式[[主制御器]]には加減速の頻度が大きい場合に有用な[[ノッチ戻し]]機構も搭載されている。この[[力行]]時に用いられる抵抗制御回路の段数は直列13段・並列11段である。
 
また、導入前に本系列の山手線走行シミュレーションを実施した結果、性能向上と車体軽量化により201系よりも電力消費量は少なく、さらに同線で運用されている103系よりも大幅に電力消費量が減少することが確認されている<ref name="Fan1985-4-2"/>。本系列で採用したCS57形電動カム軸式[[主制御器]]には加減速の頻度が大きい場合に有用な[[ノッチ戻し]]機構も搭載されている。この[[力行]]時に用いられる抵抗制御回路の段数は直列13段・並列11段である。
 
本系列での界磁制御を行うため、CS57形主制御器に付随してHS52形励磁装置が搭載されている(ただし、JR東日本化後の増備車は後述するHS52A形に変更)。この励磁装置は弱め界磁制御と[[回生ブレーキ]]使用の際に界磁制御を行うもので、装置は[[サイリスタ]] (1,600 V - 800 A) と[[ダイオード]] (1,600 V - 250 A) を組み合わせた三相混合ブリッジとバイパスダイオード (1,600 V - 800 A) 、さらには励磁用変圧器やマイコン制御部などの無接点制御装置から構成されるものである。電動機の制御には[[電動発電機]] (MG) からの[[三相交流]]440Vを基に三相混合ブリッジを用いて全波整流(HS52形)/半波整流(HS52A形)を行い、主電動機の制御を行う。