「外国為替証拠金取引」の版間の差分

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市場の動向を、24時間365日常に監視しておく必要がある。これに対しては、[[人工知能]] (AI) に基づき市場動向により[[為替レート]]の変化に際して、売り買いする自動売買機能を持った、個人向け[[アプリケーションソフトウェア]]が開発されており、それらの援用により、個人投資家でも場合によっては高い収益を上げることが可能になっているが、最終的な責任は個人に降り掛かってくる。
 
==特徴について==
外国為替証拠金取引には、[[外貨預金]]・[[外貨]]建て[[マネー・マーケット・ファンド|MMF]]など、他の外貨建て金融商品と比較して、以下の特徴がある。
 
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* 証拠金取引でレバレッジ効果があり、自由に決済期限をロールオーバー(繰り延べ)でき、取引時間中であれば売りも買いも自由に参加したり離脱できるため、[[先物取引]]と同様に輸出業者や輸入業者などの実需筋や投資家等が自己の裁量により将来の価格変動にともなうリスクを外国為替証拠金取引で回避または軽減する手段(リスクヘッジ、保険繋ぎ)にも活用できる。また、一部の[[金融商品取引業者]]では、デリバリー(外貨受け渡し)もできる点もメリットである。[[銀行]]との先物為替予約の場合は直先スプレッド(スワップレート)等が加味されたレートでの契約に対して外国為替証拠金取引の場合は、日々のスワップポイントが加減されるところが異なるため、厳密には適用される金利の性質は異なる。[[銀行]]等の[[金融機関]]との契約による先物為替予約は原則として、あらかじめ決めた予約の実行日または実行期間内に、締結済みの予約金額の全てを消化して使い切らなければならなく、途中解約の場合は解約違約金が発生するケースがあり、為替[[デリバティブ]]商品が、その商品設計が[[銀行]]側に極めて有利な内容になっていて社会問題となった商品も存在するが、外国為替証拠金取引によるリスクヘッジの場合は、取引時間内であれば、自己の都合、裁量で、決済期限を途中での変更が自由に設定でき、違約金が発生しなく、ヘッジのさじ加減が自由にできるのもメリットである。また、スプレッド([[銀行]]又は、[[金融商品取引業者]]の売り価格と買い価格の差額)の観点からしても、一般に、[[銀行]]との先物為替予約の2通貨間の固定金利と[http://www.fx-ichiban.com/ 外国為替証拠金取引] の2通貨間の日々の金利との違いを加味しても、[[銀行]]との先物為替予約よりも、外国為替証拠金取引のほうが取引コストが低いのも特徴である。
 
== ロング・ショートについて ==
外国為替証拠金取引では、「買い」の方の通貨をロング、「売り」の方の通貨を[[空売り|ショート]]、と呼ぶ。常に何らかの通貨を売り、何らかの通貨を買う、という表現をするわけである。2つの通貨のペア間の比率の変動を取引の対象とするから、このような表現となる。通貨のペアは USD/JPY、EUR/JPY、EUR/USD などと表記が決まっており、左側の通貨を右側の通貨で売買した場合の数値が取引の数値(=通貨レート)となり、また左側の通貨をどう取引するかを呼称する。たとえばUSDを買って円を売る場合はUSD/JPYのロングと言う。
 
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一般の[[報道機関]]が「円」が上昇したと報道する場合は「円高」という意味での報道であるが、外国為替証拠金取引でいう「ドル円」が上昇したときは、前述の通り「円安ドル高」と正反対の意味になるため注意を要する。
 
==レバレッジについて==
{{See also|レバレッジ}}
外国為替証拠金取引では、レバレッジを利用することにより、証拠金以上の外貨を取引することができる。レバレッジの倍率を高くするほど為替相場の変動によるリスクは高まる。逆に証拠金と同額の外貨を取引する(レバレッジ1倍という)場合は、外貨預金に近い比較的低リスクな取引もできる。
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レバレッジ規制のない国で運営されている取引業者が、25倍を超えるレバレッジを日本居住者向けに提供している場合があるが、金融庁はそのような業者に対して無登録業者として定期的に警告を行っており、同庁はトラブルが生じた際の追及が困難になるとして利用をしないように呼び掛けている。<ref>[http://www.fsa.go.jp/ordinary/kanyu/20090731.html 無登録の海外所在業者による勧誘にご注意ください] 金融庁ウェブサイト</ref>
 
== 外国為替証拠金取引の例について ==
1ドル=120円、レバレッジ20倍で取引する場合、60万円(5000ドル相当の円)を証拠金として預託すると、5000ドル×20倍=10万ドルの取引が可能となる。つまり、証拠金は取引額の5%になる。1ドル=120円のときに取引開始して10万ドルを買い、その後、円高となって1ドル=115円になったとする。このときの収支は、
 
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実際の取引においては、その相場の状況において根拠あるポイントで[[損切り]]を行い、1回あたりの取引における損失額を限定する必要がある(損切り時における一般的な損失額は1~3%、最大でも5%以内と言われている=上記例の場合、60万円×5%=3万円が上限となり、損切りまで5円の値幅を見込んだ場合6,000ドルまでしか取引することができない。60万円の資金に対して一度の取引で50万円を失う可能性のある取引はオーバートレードとなり、すべきではないことに注意する必要がある)。
 
== 主なリスクについて ==
以下のようなリスクが指摘されている<ref>[http://www.fsa.go.jp/ordinary/iwagai/index.html いわゆる外国為替証拠金取引] 金融庁 公式サイト</ref>。
; 相場変動リスク
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: [[くりっく365]]や[[大証FX]]を除き、業者が破綻などをすれば顧客も損失を被るおそれがある。例えば、顧客から委託された証拠金を、自社の資産とは別勘定で[[信託銀行]]に[[信託分別管理]]するといった保全管理をしていない業者の場合、たとえ分別管理されていても、業者が破産手続を行った場合、[[破産法]]上の一般破産債権に分類される危険性に晒され、破綻した際には預託していた証拠金がまともに戻ることは期待できない。エフエックス札幌という業者では、顧客が持っているポジションが強制清算されて、かつ証拠金が返金されない事態が発生している。業者によって証拠金の(保全)管理方法が異なるので、約款などで確認する必要がある。また、一部分の信託保全か100%信託保全かどうか、どこの銀行に信託保全しているかも確認する必要がある。また、[[イニシア・スター証券]]では、使い込みによる違法な信託保全すべき資金の不足が発生した事例もあり、信託保全方式は結局のところ業者の[[道徳|モラル]]に頼っているところが大きい<ref>[http://kantou.mof.go.jp/kinyuu/kinshotorihou/9814syobun241205.pdf イニシア・スター証券株式会社に対する行政処分ついて] 平成24年12月5日付け関東財務局ウェブサイト</ref>。又、国内において業者の支払不能対策保険契約の対策を行っている業者は確認されてなく、[[証券会社]]業界や[[商品取引員]]業界に存在する業界の投資家保護基金がない。また、業者が破綻せずとも、当該FXサービスから撤退・サービス提供を中止することがある。この場合、投資家が未決済ポジションの決済を迫られることがある。このリスクは大証FXなどの取引所FXでもなおある。
 
== オーダー処理方式による分類について ==
顧客のオーダーの処理方法は、いくつかの方式に大きく分類される。各方式選択制、もしくは内部的に組み合わせている事業者もいる。
 
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近年成長著しい[[中華人民共和国]]の[[人民元|元]](CNY)を取り扱っている業者は少なく、扱っていても[[スワップ]]金利が付かない場合や、中にはスワップ金利が売り買い共にマイナスというケースもある。これは、中国元の元市場が先進国の通貨に比べて自由化されておらず、通常の方法で取引できないためである。
 
== 日本におけるFXについて ==
 
===金融商品販売法の適用===
本取引は、[[2004年]]4月1日施行の「[[金融商品の販売等に関する法律]]」(「金融商品販売法」)の改正により、「'''直物為替先渡取引'''」に該当することが明確になった。(金融商品販売法 第2条1項12号、同法施行令 第4条)
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FX取引を巡って、[[所得税]]の[[脱税]]や申告漏れが多数報告され、納税意識の低さが問題視されていた。2009年1月からは、取引所取引だけではなく、店頭取引についても、支払調書が[[税務署]]に提出されることとなった。2016年からはマイナンバー制度が始まり、更に税務署は確認しやすくなっている。
 
== 欧米におけるFXについて ==
 
=== 米国 ===
米国では商品先物取引委員会(CFTC)がレバレッジを管理している<ref name="singi">[https://www.fsa.go.jp/news/29/singi/20180312-1/01.pdf 店頭FX取引の現状とそのリスク管理(2018年3月)] 金融庁</ref>。ただし、全米先物協会(NFA)にも一時的に証拠金率を上げる権限が与えられている<ref name="singi" />。