「コレラ菌」の版間の差分

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いつみ (会話 | 投稿記録)
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O1型については、さらに吸収抗血清によって小川型(Ogawa, AB型)、稲葉型(Inaba, AC型)、彦島型(Hikojima, ABC型)という亜型に分類されている。また生物学的特徴の違いから、'''古典型'''(アジア型)と'''エルトール型'''という2つの生物型(biovar)に分類されている。エルトール型は当初、溶血性のコレラ菌として分離され、その他にも薬剤感受性や生化学的な特徴で古典型と区別された(なお、溶血性については、その後変異して非溶血性のエルトール型が主流になった)。古典型は後者に比べて毒性が強く典型的な水様性下痢を起こし感染力が高いが、自然界での残存性は比較的悪い。これに対して後者は一般に病原性は前者より低いが、自然界での抵抗性が高く、長期間生残するため流行が長期化しやすいといわれる。
 
非O1コレラ菌については、O1型と反応する血清と反応しない(抗O1血清に非凝集性)であったことから'''NAGビブリオ'''(非凝集性ビブリオ、non-agglutible vibrio)と呼ばれたことがあった。この名称は、これらの菌もO1以外のそれぞれの血清に対しては凝集性であるため適切な分類名ではないという批判からあまり用いられなくなったが、食品衛生の分野など、一部では未だにこの呼び方をする場合がある。
 
このO1型と非O1型に分類する考えは、1992年にコレラ毒素産生O139型コレラ菌が発生したことによって見直しを迫られているが、分類名称としては未だによく使用されている。