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== 歴史 ==
人間用の索道は、アジアでは1600年代以前から山岳地帯で谷を越えるための手段としてよく知られていた。これは、編んだ線を人が手で掴んで人力で横断するものであった。貨物を運搬するためのハーネスやかごにも革新的な改良が加えられた。
 
記録上で最初の機械式の索道は、[[ヴェネツィア]]のファウスト・ヴランチッチ([[:en:Faust Vrančić|Faust Vrančić]])が[[1616年]]に設計した複線式の乗客用のものである。業界では、一般に[[オランダ]]人ウィーブ・アダム(Wybe Adam)が[[1644年]]に初めての実用的なシステムを建設したと考えられている。この技術はヨーロッパの[[アルプス山脈|アルプス地方]]で発展したが、鋼索と電気駆動装置の出現によって急速に進歩し、広まった。[[第一次世界大戦]]は、[[イタリア]]と[[オーストリア]]の間で軍事用索道が大幅に利用されるきっかけとなった。
 
分かっているうちで最初のスキーリフトは、[[アメリカ合衆国]][[アイダホ州]][[サンバレー (アイダホ州)|サンバレー]]のスキー場に[[1936年]]に設けられたものである<ref>どれが最初のチェアリフトかは、定義による。[[アラスカ州]]コネチカットの鉱夫が1920年代に採鉱用の索道をスキーに用いている。他にスキー用ではないチェアリフトは、19世紀末から20世紀初めに[[カナダ]]の[[ブリティッシュコロンビア州]]に、1896年に[[カリフォルニア州]]グラスバレーに、1890年に[[コロラド州]]アスペンに、1874年にブリティッシュコロンビア州にあった。</ref>。このスキーリフトは、1939年以来サンバレー・リゾートの主要なスキーゲレンデとなったプロクター・マウンテン(より有名なボールド・マウンテンの3km東にある)に設置された。
 
このチェアリフトは、[[ネブラスカ州]][[オマハ (ネブラスカ州)|オマハ]]にある[[ユニオン・パシフィック鉄道]]技術部のジェームズ・カラン(James Curran)によって1936年の夏に開発されたものである。カランはユニオン・パシフィックに務める前は、バナナを運搬船に積み込む輸送システムを開発する会社に勤務しており、バナナ用の鈎をいすに置き換えて、当時スキーヤーの運送用として一般的であった[[トボガンそり|トボガン]]([[:en:toboggan|toboggan]])よりも収容人員が多く、Jバーリフト(滑走式リフト)よりも快適な機器を創り出した。カランの基本的な設計は、今日のチェアリフトでも未だに使用されている。最初のスキーリフトの特許は、[[1939年]]3月に、カラン、ゴードン・H・バナーマン(Gordon H. Bannerman)、グレン・H・トラウト(Glen H. Trout)に与えられた(U.S. Patent 2,152,235<ref>[http://www.google.com/patents?vid=2152235 AERIAL SKI TRAMWAY - Google Patents]</ref>)。このプロジェクトを財政的に援助したのは、サンバレーの創設者であり、元[[ニューヨーク州]][[知事]]の[[W・アヴェレル・ハリマン]](W. Averell Harriman)であった。オリジナルの1936年のリフトは、後に[[ミシガン州]]ボイン・マウンテンに移設され、その部品は現在も使用されている<ref>[http://www.fundinguniverse.com/company-histories/Boyne-USA-Resorts-Company-History.html Boyne USA Resorts - Company History]</ref>。
 
世界で2番目のチェアリフトは、[[1938年]]に[[オレゴン州]]マジックフッドに設けられたリブレット社([[:en:Riblet|Riblet]])のマジック・マイル([[:en:Magic Mile|Magic Mile]])と呼ばれるチェアリフトで、これは当時世界最長であった。これに先立って設けられたリフトもあったが、それらは採鉱運搬用に建設されたものをチェアリフトに転用したものであった(例えば、[[ユタ州]][[パークシティ (ユタ州)|パークシティ]]にあった採鉱用索道は、1939年に人間用・スキー用に改造されている)。
 
ヨーロッパで最初のチェアリフトは、[[1940年]]に[[チェコ]](当時の[[チェコスロバキア]])に建設されたものである。また日本で最初のチェアリフトは、[[1946年]](昭和21年)にかつて[[北海道]][[札幌市]]の[[藻岩山]]に進駐軍専用として作られた「[[札幌スキー場]]」に架設されたものだが、現存せず、コンクリート台座の遺構だけが残っている。なお、民間用として最初に架設されたリフトは[[群馬県]]の「草津国際スキー場」(1948年(昭和23年)、現・[[草津温泉スキー場]])のものである。
 
=== リフトの発展 ===
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また、快適性を高めるためにフットレストやフード付きのリフトも開発された。
 
2018年には日本国内で、同一索道上にゴンドラとリフトが混在する混合型リフトが世界めて導入された。<ref>{{Cite web|url=http://ishiuchi.or.jp/topics/28322|title=石打丸山スキー場、リフトおよび付帯施設の大改修プロジェクトについて|accessdate=2019/02/27|publisher=石打丸山スキー場}}</ref>
 
== 構造 ==