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紙幣に描かれる人物肖像は、[[君主制]]国家では在世中の王侯君主、[[共和制]]国家では[[英雄]]、[[偉人]]と評価されるかつての国家元首、政治家、軍人、探検家、または[[文化人]]と評価される作家、芸術家、思想家、教育者、技術者、研究者などの[[著名人]]が通例になっており、共和制国家の事例では多くは[[故人]]である。[[立憲君主制]]国家でも君主以外の存命人物が紙幣の肖像になることは少ない。日本は君主国であるが、[[天皇]]の肖像を採用しないことになっており、共和制国家同様の人選となっている。
 
紙幣肖像に誰を採用するかは発行当事国により意図的に決められるため、フランスの[[ナポレオン・ボナパルト]]や旧[[ドイツ民主共和国|東ドイツ]]の[[カール・マルクス]]のように発行当事国にとっては評価にたる人物であっても、他国では評価が一変し憎悪されている人物が選ばれることがある。日本銀行券の場合、[[千円紙幣#C号券|C千円券]]に採用された[[伊藤博文]](初代韓国統監)がこれに当たる。
 
また、紙幣肖像人物の珍例として、[[地域通貨]]ではあるがかつてスイスの一地域で[[犯罪者]]、それも贋札犯の肖像の入った紙幣が発行され、流通していたことがある。この贋札犯、公的には犯罪者だが、現地では通貨不足のおり信用できる紙幣を発行して地域経済を安定させた、という評価をされていたためである。