「レ・ミゼラブル」の版間の差分

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→‎作品背景: 「作家としての活動をやめる」という意味なら「筆を擱く」よりも「筆を折る」の方がふさわしいはず。「筆を擱く」は「この作品はこれでおしまい」という意味です。次回作を予定した表現です。
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主人公のジャン・ヴァルジャン(そしてジャヴェール)は、犯罪者と言われながらも、後にパリ警察の密偵となった[[フランソワ・ヴィドック]]がモデルだと想像される<ref>[[鹿島茂]]『「レ・ミゼラブル」百六景』など</ref>。また、マリユスは若き日のユーゴー自身が、コゼットは彼の妻アデール・フーシェと愛人のジュリエット・ドルーエ([[:Fr:Juliette Drouet|Juliette Drouet]])がモデルだと言われている{{誰2|date=2011年3月}}。さらに、アンジョルラスは革命の大天使と謳われた[[ルイ・アントワーヌ・ド・サン=ジュスト]]がモデルであり、ガヴローシュは、[[ウジェーヌ・ドラクロワ|ドラクロア]]の絵画『[[民衆を導く自由の女神]]』において女神の右前にいる少年にヒントを得て描かれたといわれている<ref>Mould, Michael, ''The Routledge Dictionary of Cultural References in Modern French'', Taylor & Francis, 2011, p.112.; . Berg, William, ''Imagery and Ideology: Fiction and Painting in Nineteenth-Century France'', Associated University Presse, 2007, p.106.</ref>。
 
本作は最初、パリと[[ブリュッセル]]で発売された。というのも、ユーゴーは当時[[フランス第二帝政]]および[[ナポレオン3世]]を拒絶したため祖国を追放されてしまい、ベルギーを経てイギリスの私領[[ガーンジー島]]にて亡命生活を送っていたからである。
 
本作の売れ行きが悪ければ、ユーゴーはペン擱く折る覚悟をしていた。しかし、発売当日は長蛇の列ができ、本作は飛ぶように売れた。一般人はもちろん、数人の仲間から本代を集めた低所得の労働者たちの多くも列に加わり、本作を買っていった。労働者たちは仲間に本作を貸し合い、回し読みしたといわれている。
 
ユーゴーは本作の出版当初は亡命先を離れて旅に出ていたが、本作の売れ行きを心配し、出版社に'''「?」'''とだけ記した問い合わせの手紙を出すと、'''「!」'''とだけ記された返事を受け取ったという。それぞれ「売れてる?」「上々の売れ行きです!」という意味である。<ref>事実、初版本は数日で売り切れたという。これに関してはユーゴーの項も参照。</ref>これら2通は世界一短い手紙であるとされている。