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'''未確認飛行物体'''(みかくにん ひこうぶったい、{{lang-en-short|unidentified flying object}}、{{lang|en|UFO}})とは、その名の通り、何であるか確認されていない(正体不明の)飛行する物体のこと<ref name="digidai">デジタル大辞泉</ref>。
 
その正体は航空機など既知の人工物体、遠方の[[サーチライト]]や自然物([[天体]]・[[雲]]・[[鳥]]など)の誤認も含まれうるが、略称のUFOは「エイリアンクラフト」([[宇宙人]]などの乗り物)という意味で使われることが多い<ref>一例として、[[石川県]][[羽咋市]]観光情報サイト内「[http://www.hakui.ne.jp/ufotown/whats.html UFOのまち研究室]」(2018年2月24日閲覧)</ref>。
 
== 概要 ==
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小型[[ドローン]]や観測気球はレーダーから消えやすく接近しても目視で捉えにくいことや、スクランブル機が到達する前に着陸・墜落しても痕跡を発見しにくいため、「未確認飛行物体」のまま行方不明となることもあり、戦闘機パイロットの体験談が超常現象として流布されることもある。またパイロットが星や自然現象を航空機と誤認し報告する事例もある。2019年4月、アメリカ海軍では未確認飛行物体が軍の航空管制圏内や空域に侵入する例が増加しているため、パイロットが「説明不可能な現象」に遭遇した際の報告手順を標準化すると発表した<ref>[https://www.cnn.co.jp/fringe/35136306.html 米海軍、「UFO目撃報告」の正式手順を規定] - [[CNN]]</ref>。
 
航空・軍事用語としては上記のような用語ではあるが、一般雑誌やテレビ番組では'''異星人が乗る飛行物体'''という意味で使われる場合が多々ある<ref name="digidai" />。とりわけ、[[超常現象]]を扱う一部のテレビ番組、書籍・雑誌、Webや[[サイエンスフィクション]](SF)作品などでは概ね、地球外文明の[[宇宙人]](エイリアン)が搭乗する宇宙船(エイリアンクラフト)の意味で「UFO」を用いている<ref>一例として、[https://bpub.jp/family/item/006405914770 『UFOと宇宙人の大百科』(学研教育出版)]、2018年2月24日閲覧</ref>。また、目撃される代表的な形状から'''円盤'''、'''[[空飛ぶ円盤]]'''がUFOの代名詞的に使われている。超常現象とみなす見解ではこのほか、未来から来た人間の[[タイムマシン]]などとする仮説もある。
 
したがって、一口に「未確認飛行物体」といっても「航空・軍事用語として用いている」のか「超常現象用語として用いている」のかを区別する必要がある。未確認飛行物体を超常現象として捉える考えは[[フィクション]]の題材として用いられており、多数の映画・小説・テレビ番組などが製作・出版・放映されて、興行的成功を収めている(映画『[[未知との遭遇]]』など)。ユーフォロジー<ref>{{lang-en-short|ufology}}</ref>とは未確認飛行物体を超常現象であるという解釈に基づいて行う[[UFO研究]]のことである。航空軍事用語としてのUFO(アメリカ空軍・海軍の公式用語)とは意味が異なるので、はっきりと区別し混同してはならない。
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== UFOの分類 ==
UFOは正体のわからない飛行物体であるので、根拠をもって分類することは不可能である。その解釈は多岐に上っており、その中にはUFOUFOそのものを未知の宇宙生命体と見なす意見さえあるほどで、その全てを網羅することは困難である。
 
ここに述べた分類におけるUFOは地球外文明の宇宙船=エイリアンクラフトであるという解釈に基づいており、本来の意味、すなわち航空軍事用語としてのUFOではない。
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軍用機からのジャミングを受けたという説や、[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]系の番組『[[特命リサーチ200X]]』では、正体はアメリカで行われた[[EMP]]の実験に関連した現象だという説が紹介されていた。EMP実験説では、対象物が鋭角的な方向転換をした現象や飛行速度などについて説明できないが、欺瞞ジャミングを受けたならば、レーダーコンタクトのそのような動きについては、複数の欺瞞信号を同一の物体と誤認したことで十分に説明できる。そもそも欺瞞ジャミングは、レーダーの信号処理システムにそのような誤認を生じさせるためのものである。
 
 この事件は、[[1998年|1988年]]の日本版『サイエンス』誌9月号に、観測・調査の複数の専門家が目撃証言した記録として掲載された。
 
==== 中国空軍UFO追跡事件 ====
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==== 1954年ヨーロッパでのフラップ事件 ====
[[1954年]][[8月]]よりヨーロッパ全土にて識別不能の飛行物体が目撃された。物体は主に球形、円盤型、葉巻型をしていた。目撃者の中にはパイロットや軍人、警察官なども含まれていた。特に[[10月3日]]には50以上の目撃報告がフランス全土の新聞にて報じられ、目撃の数は10月20日より減少し始めた。フランス国防省は多くの情報を調査する目的で、省内に幕僚委員会を設置した<ref name="Europe" />
 
==== 1963年8月のUFOフラップ事件====
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1966年3月22日には、ヒルズデイル大学内で87名の女学生と民間防衛隊の隊長が、女子寮から数百ヤード離れた沼地帯に静止滞空しているフットボール型の輝く物体を目撃した。物体は寮の方に近づいてきて突然静止し、元の場所に戻って行った。「物体は飛行場の灯台を巧みに回避」し、車が近づくと暗くなり車が去ると明るくなった。物体は4時間の間目撃され続けた。翌日、少し離れたミシガン州のデクスターで、2名の警察官を含む目撃者5人が、農場の沼地帯から光り輝く巨大な物体が上昇し、約1000フィート上空でしばらく静止し、その後飛び去るのを目撃した。目撃者の数は合計で100名を超えた。
 
多くのマスコミがこの事件を取り上げたが、研究の結果、空軍はこの現象は「沼地ガス」が発生したことが原因であると発表した。(沼地ガスとは、沼の植物が腐敗することで年に何度か発生するガスのことで、自然発火し不規則な動きをする。比較的珍しい現象で、目撃者は多くない。)この空軍による「沼地ガス説」はあくまで仮説として唱えられたが、マスコミや目撃者たちからの大きな批判を呼び、空軍の調査への疑念が生まれた。この事件は1960年代にアメリカで最も論議を呼んだ事件の1つとなった。後に大統領となるジェラルド・フォード議員は「米国市民は、空軍の説明とは呼べない代物よりも、もっとまともな説明を受ける権利がある」とコメントした。また空軍調査(プロジェクト・ブルーブック)の指揮者であったビル・コールマンは、このミシガン州で起きた事件を全て「沼地ガス説」では説明するのは無理があった、と後に語った<ref name="Bill" /><ref name="Ronsoushi" />
 
==== インゴルシュタット上空の星型物体 ====
[[1979年]][[9月16日]]、[[ドイツ]]の[[インゴルシュタット]]郊外にて、3個の「星形の飛行物体」の目撃が報告された。目撃者の一人によると、飛行物体は白い光に包まれており、表面は[[アルミ箔]]のように金属的に見えた。物体の1つは分離し、設置されていた巨大な広告看板の上で静止すると、また元の2つの光と合流した。インゴルシュタット西の警察署には目撃報告が相次ぎ、出動した10名の警察官もそれを目撃した。
 
2日後の[[9月9日]]には[[ニュルンベルク]]でも同様の目撃があった。その1時間後にはインゴルシュタットにて赤い卵型の飛行物体が目撃された。当該空域の航空管制官は、インゴルシュタット上空を飛行している[[セスナ機]]へ異常な光体を探すように依頼した。セスナ機の2名のパイロットは、4、5個の明るい光体がこちらに向かって飛来してくると応答した。物体は同じ速度、同じ行動を保ち右から左へと位置を変えた。パイロットは光体がセスナ機を「からかっている」印象を受けた。光体の一部が前に出てきて航空機の後方を飛行したり、周りを旋回したりした。飛行物体は30秒後に姿を消した。同日、バイエルン内務省はこの件について、当時のインゴルシュタット地域の異常な気象条件と、軍事訓練の対空射撃が蜃気楼となったものであるとの記者会見を行った<ref name="Europe" />
 
==== 1979年 スペインでのUFOフラップ事件 ====
[[1979年]][[11月11日]]の夜、TEA社による109名の乗客を乗せた旅客機のパイロットが、驚くべき速度で飛来する2個の赤い光を目撃した。ジャンボジェットほどのサイズである2個の光の動きは完全に連動しており、航空機の周りを自由自在に飛び回り「挑発」とも取れる動きを示した。機長は空港に連絡を取り[[バレンシア]]に緊急着陸を行った。その後も赤い光は上空に見えており、地上要員や航空管制官、空港長が目撃した。その空域のレーダーにも捕捉された。スペイン防空司令部は戦闘機に迎撃を命じたが、飛行物体は逆に戦闘機への急接近を行った。
 
ちょうど1年後の[[1980年]][[11月11日]]、同じ飛行物体がスペイン北東部に再び現れ、少なくとも6機のスペイン旅客機がそれを目撃した。飛行物体は非常に明るい緑色の球形で、空港の滑走路を「ウロついた」後に「飛び去って行った」と目撃者は述べている<ref name="Europe" />
 
==== ベルギーUFOウェーブ事件 ====
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特に[[1989年]][[11月29日]]には[[ベルギー]]の農村地域にて145件もの目撃が報告され、ニュースメディアは大々的に報じた。下部にスポットライトのような光を放ち、無音で飛行する三角形型の物体が目撃された。日中で目撃されたのはこの例だけであり、残りの目撃は夜中のものである。[[1990年]][[3月30日]]から[[3月31日]]にかけては、数百名の市民が空に光体を目撃した。これはレーダーでも捉えられ、NATO軍基地でも正体不明の目標が捕捉された。調査のために出撃した2基のF-16戦闘機もレーダーで物体を捕捉した。しかし物体は速度150から970ノットまで加速し、高度5000フィートから11000フィートの間を往復するなど瞬時に猛烈な動作を行った。
 
目撃報告の中には新型電子機器を使う試験飛行、性能の悪いレーダーによる誤認、ライトショーの光の反射、ヘリコプターの誤認といったケースも多数含まれており{{要出典|date=2010年11月}}、特に空軍がUFO騒動について説明せずに紛らわしい訓練飛行を行っていたことは問題視され、議会で追及されている。モーター付き飛行船を所有する男が悪戯で自分の飛行船に細工をし、ベルギーの空に放ったイタズラであるという証言も出た。またこのベルギーのUFOフラップ事件をとらえた写真の中で最も鮮明なものだといわれていた写真は、当時18歳だった者が発泡スチロールを使用して行なったイタズラであったことが、本人の発表により判明した<ref>[http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2816368/7566037 90年代に話題のUFO、実は発泡スチロール ベルギー 国際ニュース : AFPBB News]</ref>。1990年4月7日に約150mの距離から撮影された写真はブリュッセルの研究所で分析された。飛行物体の下部のライトは非常に小さいが強力な多数のライトで構成されており、飛行物体は弱い放射線を出していたことが示唆された<ref name="Europe" />
 
ウィリアム・ミラーは、飛行物体の正体は偵察用の飛行船であったという説を唱えた。目撃されるのを避けるために船体を黒にして、夜中に航行していという説である。しかし、この説では目撃された飛行物体の形状が、三角形型を中心に、円盤型、ダイヤモンド型、ブーメラン型など多岐にわたることや、飛行物体の周りの赤い光体の不可解な軌道を説明できない。稀にビルを振動させるほどの轟音を出していた物体も存在した。1983年に[[ニューヨーク州]]ハドソンバレーに同様の飛行物体が出現したときは、主要道路の真上に滞在していた<ref name="Europe" />
 
 
=== 第2種接近遭遇(UFOの物理的証拠が残る例)===
==== ファルコン湖事件 ====
1967年5月20日、スティーブン・マイカラクは[[カナダ]]のファルコン湖の近くで、二機の卵型の円盤が赤く輝きながら降下してくるのを目撃した。1機は空中で静止し、色を変えながら雲の中に消えたが、もう1機は輝きながら着陸した。マイカラクが近づくとその物体からは硫酸のような臭いがしていた。物体の上部には開口部があり、中から二人の人物の話し声が聞こえたので、マイカラクが話しかけると開口部は閉じられた。マイカラクが円盤に手を触れると、手に付けていた手袋が焦げて溶けた。やがてマイカラクは正面に「排気口」のような穴があることに気付いたが、その穴から突然に熱風が吹き出し、円盤は上昇して消えた。マイカラクは熱風により第一級の火傷を負った。マイカラクは医者にかかったが、皮膚伝染病にかかっており、身体が変色したこともあった。マイカラクの胸の火傷は「熱気泡」であり、その火傷の形は唐草模様であったが、それはマイカラクが描いたイラストの排気口の形と一致していた。その他にもマイカラクの症状には吐き気や嘔吐、リンパ球の減少などが見られた。ある医師はマイカラクが放射線に晒されたことが原因だと述べたが、彼を診断した27名の医者のうち、完全な説明ができたものはいなかった<ref name="Timothy" />
 
==== キャッシュ-ランドラム事件 ====
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憲兵による現場の調査結果はニコライの目撃証言とほぼ一致した。ニコライの証言によれば、飛行物体は驚くほど正確な操縦技術で操作されていた。ニコライ家の近隣には軍事基地があったが、時間帯や着陸場所から考えてもヘリコプターや飛行機ではなく物体は全く無音で飛行したため、エンジンで動く機体でもなかった。[[フランス国立宇宙研究センター]]のUFO調査部署である{{仮リンク|GEPAN|en|GEIPAN}}は、現場から採取した土や植物のサンプルを解析した。その結果、着陸痕の地面は衝撃で摂氏600度まで上昇し、微量の[[鉄]]や[[亜鉛]]などが検出された。現場で採取された[[ウマゴヤシ]]は、[[電磁気学|電磁気]]的な影響により損傷を受けていたため、飛行物体が電磁気で飛行していたという仮説が立てられた。物体の質量は推定500〜700kgであった<ref name="Velasco" />。
 
懐疑的な研究者はUFOの着陸痕が完全な円形ではなく、車のタイヤに似ていること、当時の発見場所には車の往来があったこと、GEPANが現場に到着し調査を行うまでには時間の空白があったので、人為的な影響を及ぼすことが可能であった事などを指摘している<ref>Figuet, M. (Ed.) (1995). L’affaire de Trans-en-Provence. Dompierre-les-Ormes, SERPAN.</ref>。そこで1988年には調査が再開された。再度による土壌分析では植物に影響を及ぼしうる(粉末状のセメントなどの)物質は見つからなかった。「これらの分析から重大な物理現象が実際に起き、植物への説明できない影響、地面を擦った後、熱衝撃をもたらしたという結論が得られた」と分析者は述べている<ref name="Europe" />
 
==== ナンシー事件 ====
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[[1954年]][[10月10日]]、[[フランス]]でのUFO目撃がピークに達したころ、再びヘマー村の真北50kmの地点て、葉巻型の飛行物体が目撃された。あるミュンスターの映写技師は低空1.5mの高さで低空する葉巻型物体と、その下で作業する体長1m以下の小人たちを見た。彼らの頭部は大きく、ゴム製のような衣服を身に着けていた。小人たちは梯子を使い、物体の中に入っていった。その数時間前には、近くの田舎道を走行していた3名が、2体の小さな生き物がハイウェイを横切り円盤の中に入っていくのを目撃していた。
 
上記の目撃者は、誰も他の者の体験について知らなかった。目撃された飛行物体は同じ形状で、その搭乗者にしても当時流行していたハンサムで長髪のUFO搭乗者の記述とは一致していなかった<ref name="Europe" />
 
==== エンリケ・ボッタ事件 ====
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[[1977年]][[3月2日]]にビルト・ツゥアイトゥング紙にてこの事件が報じられた。その報道では昼のように輝く、非常に明るい光体を8名が目撃したとされている。その物体は軍のレーダーにより捕捉されていたことが後に判明した。また[[国防省 (イタリア)]]は1977年2月23日の夜から24日にかけて、非常に明るいハローの光に囲まれた飛行物体が、23分間にわたってイタリア空軍戦闘機を追跡したことを公表した。その物体は追跡をやめると、270度ターンを行い消失した。
 
謎の光体は独立した複数の者に目撃されているが「搭乗者」を目撃したのはシェフラーのみである。シェフラーが目撃した「搭乗者」はいわゆる典型的なエイリアン像といえるが、1977年のドイツにはそのイメージは定着していなかった。シェフラーは事件の後、酷いトラウマで不眠と悪夢による体調不良に陥り、薬物に依存するようになった。しかし「本当のこと」を知りたかったため、研究者による事後調査に積極的に参加した。シェフラーは[[ロールシャッハ・テスト]]など計3回の心理検査を受け、高い信頼度数を示した。次に、発光体を目撃した時間についてシェフラーの証言には矛盾があったため[[催眠療法]]を受ける事となった。シェフラーは物体の内部にいた事以外詳しい内容を思い出せなかった。シェフラーによれば、この事件の後に2度にわたって[[メン・イン・ブラック]]と思しき男に「事件のことを周りに話せば良くないことが起こるぞ」と脅迫されたという。その現場を目撃した者はいないが、シェフラーがその後も継続する精神的ダメージを受けるような体験をしたことは大規模な心理検査で明らかにされた<ref name="Europe" />
 
 
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地球外起源説が一般に普及する際に大きな影響力を与えたものは、米国の「ライフ」誌に1952年に「我々は宇宙からの訪問を受けているのか?」と題して掲載された記事である。著者はロバート・ジナとH.B.ダラッチの2名であり、この記事のために未公表の10のUFO目撃の事例が機密解除されたと言われる。当記事では「UFOの挙動は地球上の材質によるものでは考えられない」とUFOの気球説、他国の秘密兵器説が批判された<ref name="Ronsoushi" />。また、民間研究者である[[ドナルド・キーホー]]の著作やSF雑誌編集者であるレイモンド・A・パーマーの影響も大きい。「トゥルー誌」にキーホーが寄せた「空飛ぶ円盤は実在する」という記事は1950年代のアメリカのUFO観に大きな影響を与えた<ref name="tondemo" />。
 
UFOの地球外仮説を強く指示した研究者の1人にアリゾナ大学の上級気象物理学者ジェームズ・E・マクドナルドが挙げられる。彼は全米中のUFO目撃例を詳細に研究し、「現在得られている事実をもっともうまく説明できているのは地球外仮説だけである」と結論した。1966年当時、膨大なデータに裏打ちされたマクドナルドの研究のレベルは他の研究者を大きく上回っており強い説得力があった<ref name="Ronsoushi" />。
 
UFOの搭乗者が目撃されたケースでは、搭乗者は正体不明であるが、地球上の生物の特徴を有していないことから異星人であると解釈する目撃者もいる。またUFOを目撃したパイロットや技術者たちが「地球上の技術ではない」と感想をもらす例も多い<ref>http://www.huffingtonpost.com/2013/05/03/citizen-hearing-on-disclo_3_n_3208536.html?utm_hp_ref=weird-news#33_former-peruvian-air-force-pilots-riveting-ufo-encounter</ref>。[[アメリカ航空宇宙局]]の研究所で指導的立場に就いていたPaul.R.Hillは長年に渡って、UFOの飛行原理を解明すべく研究をしていたが、その技術はいまだ全く未解明であるという<ref>http://news21c.blog.fc2.com/blog-entry-3511.html</ref>。一方で、UFO搭乗者が自ら異星人であると名乗ったと証言されたケースも極稀に存在する。
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また、UFO目撃事件は各月の24日前後によく起きている事実がある<ref>『トンデモ超常レポート傑作選』楽工社</ref>。こうした傾向は、比較的に信頼性が高いとされる目撃事件にも、創作の疑いが強いとされるストーリーにも同様に見られた<ref name="Gakken" />。
 
一方で精神投影がUFOなどの物質化を起こすのであれば、何故それはUFOに限られるのか。なぜ車やテレビなど見知った概念は物質化されないのか、と言った疑問も出ている<ref name="Europe" />
 
==== 歪曲仮説(The Distortion Theory)====
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[[立花隆]]によれば、臨死体験を経験した後に、UFOと遭遇する者は少なくない<ref>立花隆『臨死体験(上)』</ref>。[[臨死体験]]の研究者である[[ケネス・リング]]が収集した事例では、その体験が[[臨死体験]]なのかUFO遭遇体験なのか区別できない事例が複数あったという。
 
一例として、ニューヨークに住むある女性が[[腫瘍]]で倒れ、[[体外離脱]]を経験した後に、気が付けば宇宙の施設内の手術台の上にいたという事例がある。女性が窓から宇宙を眺めていると「7人位の背の高い痩せた何か」に囲まれ「それ(腫瘍)はもうなくなった」と告げられた。女性の意識が地球に落下していき、肉体の中に戻ると、腫瘍が消失していることに気付いた<ref name="omega" />
 
=== タイムマシン説 ===
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フランスのUFO調査機関である{{仮リンク|GEPAN|en|GEIPAN}}の設立者ルネ・フーエルは、UFO搭乗者が一般的に人類との接触を避けているのは、彼らが未来人でありタイム・パラドックスを避けている可能性があると述べている。
 
歴史上の重要な時点でUFOが目撃されることがしばしばあるが、これは未来人が過去の重要な場面を選んでいるからだという推測もある<ref name="Gakken" />。例えば20世紀直前の時期には[[飛行船]]が将来に実用化されると考えられていたが、当時のUFOは飛行船の形態と似ていた。[[第二次世界大戦]]中には爆撃機のマーカーとして輝くキャンドルが使用されたが、当時のUFOは発光する球体の形をしていた。第二次大戦後の[[1946年]]にはロケットの形をした「ゴースト・ロケット」が世界を騒がせた。1990年代には米国のステルス戦闘機を真似た三角形型のUFOが目撃された。これらの物真似はその時代にどういった種類の飛行物体が製造されるのか前もって知っていなければ不可能である<ref name="Europe" />
 
UFOと遭遇し20分間行方不明になっていた男性が、発見された時は5日分の髭が伸びていたというケースがある。UFO搭乗者が、地球の言語を話したり、地球製の衣服を着ていたり、地球の食物を食べていたという事例も見られる。また極稀に搭乗者が目撃者に対して「今は何年か?」と尋ねたり、未来の地球からやってきた、と証言するケースもある<ref name="Europe" />。UFO搭乗者の姿は、背が低く頭の大きな子供のような姿で描写されることが多いが、これは[[ネオテニー]]が進んだ未来の人類の姿であるという推測もある。
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新兵器を誤認したという観点では、例えばアメリカ軍であれば、[[XF5U (航空機)|XF5Uフライングパンケーキ]]、[[YB-49 (航空機)|YB-49]]、[[F7U (航空機)|F7Uカットラス]]、[[F-117 (航空機)|F-117ナイトホーク]]などの航空機が候補にあげられる。一般人からすると、形状が奇妙だったり開発・運用が秘密だったりするこれらの機体は「UFO」(正体を明かされていない飛行物体)である。それらの新型機はいずれも民間空港で見慣れた形態ではなく、[[全翼機]]などの[[近未来]]風のSF戦闘機を彷彿させる形状をしており、常識を超えた速度(目視による速度の見積もりは問題が多い)で飛行できるなど、超常現象としてのUFOの目撃例と類似した点が見られる。実際、アメリカのネヴァダ砂漠にある空軍基地[[エリア51]]は、新型飛行機を含めた新兵器が開発・訓練するための基地である。当然のことながらこれらは[[軍事機密]]である。[[マンテル大尉事件]]においては、海軍が開発していた[[スカイフック気球]]を誤認したというのが、有力な説かつ空軍による公式見解であるが、当時のスカイフック気球は海軍の機密事項であったため、その存在を知らない大尉にとっては本来の意味においての「未確認飛行物体」であった。また実際に[[電波]]をすべての方向に均等に反射する目的で、円盤型の実験機が1950年代に製作されたこともあったが、空力的安定性があまりにも悪いために実用化には失敗した。
 
だが、この説明には次の指摘もある。多くのUFOUFOは相対した軍用機や基地の設備に明確な電磁効果を及ぼしていた事実が報告されており、仮に地球製のUFOUFOがあるならばそれはジェットのような気流を利用したものではなく、未知の電磁効果による機体重量の制御による飛行体ではないかと言う意見である。
 
それを説明するかのように近年、次のような説が流布され始めている。
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:[[心理学]]者のマイケル・パーシンジャーによれば、[[地震]]や[[竜巻]]が起こる前後数か月から数年間にかけて、主に[[震央]]から数百km以内で異常な発光現象(ALP)が起こりやすいという。地質構造の歪みを誘起する[[電場]]が原因で深い岩石層から発光現象が起こる。それを目撃した距離が遠いとただの発光現象に見えるが、目撃者の距離が近いとその電磁的性質が人間の脳の[[側頭葉]]に影響を及ぼし、幻覚的なビジョンを見せるのではないか、と主張している。
 
:この説の疑問点は何故[[震央]]直近でUFOが目撃されないのか、と言った点である。また地下深くで[[電場]]が生じてもその効果は地表に及ばず待機中に紛れてしまう。[[電場]]自体は長い期間にわたって存在しており人間はそれに適応しているため嵐の時に我々の脳に幻覚は起こったりしない。[[自動車]]は電場を遮断するが、UFO目撃者の多くは自動車に乗っていることが多い。電場は地表への着陸痕やレーダーへの捕捉といった現象を残さない、と言った指摘もされている<ref name="Europe" />
 
;地球光説
:上記のパーシンジャーの説と違い、空中の発光球のみを対象とした説である。[[イギリス]]など幾つかの地域では古来より光体が目撃されており、それは主に[[鉱床]]や旧鉱で見られ、多くは白色で50cm程のサイズである。この光体はすぐに消えるか、短時間だけ滞在する傾向がある。稀にかなりの高度まで上昇するものがあり、地表に触れると消失する。多くは水上や送電線付近、洞窟の入り口で目撃されている。地球光には電磁的な性質があるため、UFO遭遇者が電磁的な性質を帯びる傾向もこれで説明できる<ref name="omega" /><ref name="Europe" />
 
=== 組織的捏造説 ===
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日本領空周辺には[[防空識別圏]]が設定されており、未確認飛行物体の[[領空侵犯]]に対し、[[自衛隊]]は[[スクランブル|対領空侵犯措置]]をとる。[[航空自衛隊]]は[[戦闘機]]を緊急発進させ、[[海上自衛隊]]の[[イージス艦]]は対空戦闘用意が下令される。
 
日本国政府は、[[2007年]][[12月18日]]に[[閣議決定]]された[[答弁書]]において、「地球外から飛来してきたと思われる」<ref>「『UFOの存在、確認していない』――閣議で答弁書を決定」『[http://www.asahi.com/politics/update/1218/TKY200712180100.html asahi.com:「UFOの存在、確認していない」 閣議で答弁書を決定 - 政治]』[[朝日新聞社]]、2007年12月18日</ref>飛行物体について「存在を確認していない」、「研究も飛来した場合の対策も行なっていない」<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20071218i503.htm 「UFO、存在の確認なし」政府が議員質問書で閣議決定] 読売新聞 2007年12月18日</ref>としている。なお、この答弁書については、[[町村信孝]]が、同日行われた定例記者会見において「政府答弁は政府答弁であり、私は個人的には、こういうものは絶対いると思っております」<ref>[http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/071218/plc0712181819012-n1.htm 「個人的にはUFOいると思う」町村官房長官会見(18日午後)] 産経新聞 2007年12月18日</ref>と笑顔で答えたため、多くのマスコミで報道された<ref>「町村官房長官、『UFOの存在信じる』」『[http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-29424020071219 町村官房長官、「UFOの存在信じる」| 世界のこぼれ話| Reuters]』ロイター・ジャパン、[[2007年]][[12月19日]]</ref>(当時[[内閣官房長官]])。また[[石破茂]]は、同年9月27日に放送の[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]『[[モクスペ]]』「UFO vs 世界の科学者100人」のインタビューで「UFOが領空侵犯したらどうすべきか役人と議論した」と語っており<ref>[[亀和田武]]「テレビ健康診断」『[[週刊文春]]』2007年[[10月25日]]号、[[文藝春秋]]</ref>、[[核兵器]]の使用を[[在日米軍]]に要請するかの議論が必要としている。同年12月20日に行われた会見において、「[[防衛省]]の見解ではなくあくまで個人的見解である」と前置きをした上で「未確認飛行物体、それを操る生命体(当然人類もそれに含まれる)が存在しないと断定しうる根拠はない。(中略)少なくともないと断定するだけの根拠を私は持っていない。そういうものはあり得るだろうということだと私は思う」と述べた上で、未確認飛行物体、UFOが日本国の領空に飛来した場合の対処と法整備などを考えておくべきと述べた<ref>[http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/071220/plc0712201151004-n1.htm 「UFO対処を頭に入れるべき」石破防衛相] 産経新聞 2007年12月20日</ref>(当時[[防衛大臣]])。この場合も、未確認飛行物体の用語定義を明らかにしないと、発言者の意思とはかけ離れたと解釈が生まれる。
 
=== 報告と調査についての現状 ===