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Jyameda (会話 | 投稿記録)
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基剤には、常温では固体であって、直腸内などで速やかに融解し、有効成分を放出するものが求められる。また、適用部位への刺激がないこと、[[アレルゲン]]とならないことも重要である。
; 疎水性基剤([[油脂]]性基剤)
: 体温で10分程度で融解するもので、主に[[カカオ]]脂、ウイテプゾール、ハードファットなどが用いられる。基剤による[[粘膜]]保護効果も期待でき、主に局所用に用いられる。本基剤を用いたものは、夏期の高温時には軟化したり酸敗したりするので冷暗所に保存する必要がある。有効成分は水溶性で、[[アセトアミノフェン]](アンヒバ、アルピニー)、[[インドメタシン]](インテバン)、[[ジクロフェナクナトリウム]](ボルタレン)、など。
; 親水性基剤(([[水溶性]]基剤)
: 体液を吸収して溶解するもの。このため疎水性基剤より速やかに有効成分を放出することができ、主に全身用の坐薬に用いられる。また、疎水性基剤より融点の高いものが使われるため、冷所保存の必要がない。主に[[ポリエチレングリコール]]([[マクロゴール]]、[[カーボワックス]])や[[グリセロゼラチン]]が用いられる。また、疎水性基剤と[[エマルション|乳化]]したものが用いられることもある。有効成分は脂溶性で、[[ジアゼパム]](ダイアップ)、[[ドンペリドン]](ナウゼリン)など。
; 2剤以上を併用する場合の注意
: 脂溶性の有効成分の吸収が妨げられるため、水溶性基剤の坐剤を先に挿入し、少なくとも30分以上空けてから、油脂性基剤の坐剤を挿入すべきである<ref>調剤と情報 2014.2 より引用</ref>。
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肛門坐剤の中には、全身作用を目的とするものがある。
坐剤を用いる利点としては次のようなことがあげられる。
* [[直腸]]下部から吸収された場合、[[門脈]]を通らずに全身血流にはいるため、[[肝臓]]の[[代謝]]の影響を受けることが少ない([[初回通過効果]]を受けない)。また、経口投与と比べ消化管を移動する時間が短く、全身血流に到達するまでの時間が短いため、効果発現時間も速い。
* 消化管を通過しないため、消化酵素や腸内細菌の影響を受けることが少ない。
* 胃腸を直接刺激しないので胃腸障害が少ない。食事の影響を受けず、いつでも利用できる。