「使い走り (小説)」の版間の差分

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1987年の初め、E・P・ダットン社の編集者からフランス人伝記作家[[アンリ・トロワイヤ]]の『チェーホフ伝』<ref>邦訳も存在する。『チェーホフ伝』(中央公論社、1987年11月、[[村上香住子]]訳)。</ref>が送られると、カーヴァーはやりかけていた仕事を中断しただちに読み始める。チェーホフの治療にあたっていたシェヴェラー医師がシャンパンを一瓶注文する場面でカーヴァーは「私は今一篇の短篇小説の中に送りこまれたのだと」感じ、本作品の執筆にとりかかった<ref>『THE COMPLETE WORKS OF RAYMOND CARVER 7 英雄を謳うまい』
中央公論新社、2002年7月7日、214-215頁。「『使い走り』について」より。</ref>。合計で1ダースほどの文章をマイケル・ヘンリー・ハイムの訳文から抜き取り、少しだけ言い換えた文章を使用した。「実際に起こった出来事から逸脱するわけにはいかない」と彼は考えていたという<ref>{{Cite book |和書
|author = キャロル・スクレナカ
|translator = 星野真理
|title = レイモンド・カーヴァー  作家としての人生
|date = 2013-7-10
|publisher = 中央公論新社、2013年7月、星野真理訳、
|pages = 670頁。
}}</ref>。最後の場面でホテルのボーイがとる行動は、テス・ギャラガーの提案によって生まれた<ref>キャロル・スクレナカ 『レイモンド・カーヴァー 作家としての人生』前掲書、671頁。</ref><ref>D・T・マックス「誰がレイモンド・カーヴァーの小説を書いたのか?」 『[[月曜日は最悪だとみんなは言うけれど]]』中央公論新社、2006年3月、村上春樹編訳、47-48頁。</ref>。
 
『プライズ・ストーリーズ 1988』の第1位に選出され、『ベスト・アメリカン・ショート・ストーリーズ 1988』にも収録された。