「動脈列島」の版間の差分

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==あらすじ==
[[名古屋市]][[熱田区]]。[[東海道新幹線]]が住宅密集地にもかかわらず時速200キロ近い高速で走り抜けていく。そのすさまじい騒音ゆえに付近に住む老婆は、新幹線の音を[[B-29_(航空機)|B-29]]の音と間違えておびえだすほどに精神に異常をきたし、[[医師]]である秋山宏([[近藤正臣]])と、その恋人である[[看護師]]・君原知子([[高橋惠子|関根恵子]])の懸命の介抱も空しく息絶えてしまった。老婆を死に至らしめた[[日本国有鉄道|国鉄]]に怒りを覚えた秋山は復讐を誓った。秋山は恋人君原に、わけも話さずに病院から[[ニトログリセリン]]を少し盗み出すように依頼し、それを持って君原には[[ヨーロッパ]]に旅行すると伝えて行方をくらませた。
 
次の日、[[ひかり (列車)#新幹線超特急・特急「ひかり」|新幹線ひかり]]の車内のトイレがつまり、原因を探ると[[ニトログリセリン]]と脅迫状が入れられた袋が出てきた。脅迫状の趣旨は[[国鉄]]に対する騒音対策の実施要求と、要求を受け入れなければ10日以内に新幹線を転覆させるというものだった。翌日には[[豊橋駅]]でこだま号が脱線させられた。一歩間違えば脱線した[[こだま (列車)|こだま号]]に後ろから来たひかり号が追突するほどの危険な状況であり、秋山はあえてそのタイミングをねらったのだった。
 
[[警察庁]]は[[科学捜査研究所|犯罪科学捜査研究所]]所長の滝川保([[田宮二郎]])を[[捜査本部]]長に任命し、数人の新幹線の沿線の[[愛知県警]]や[[警視庁]]の幹部刑事と共に極秘捜査を開始する。滝川は脅迫状の内容が名古屋新幹線騒音公害訴訟団の要求と同じであったことから、訴訟団が主張の根拠としていた論文を書いた秋山に注目する。しかし当の秋山はヨーロッパ長期旅行中であった。だが秋山の指紋と脅迫状にあった指紋が一致したことから捜査陣は(出国の偽装工作をしたとみて)秋山を犯人とほぼ断定し、極秘ながらも捜索を開始する。
 
そのころ東京に潜入していた秋山は[[秋葉原]]の電気街にいた。音波発信機を製作した彼は[[国鉄]]に「もう一度新幹線をストップさせてみせる」とマスコミも含め予告した。国鉄・警察にはこの事を知った大手マスコミが駆けつけ、極秘にしていたことを非難し、公開捜査を要求した。そこで滝川は次のストップ予告を阻止できなければ公開すると約束した。しかし、警察の検問をかいくぐった秋山は新幹線と並行する[[東名高速道路]]をレンタカーで列車と並走し、スピード0(停車)の信号電波を発信、またも新幹線を止めてしまう。この手口を予想できなかった滝川ら捜査陣をマスコミは責め、滝川らは公開捜査についに踏み切り、同時に(証拠が固まった)秋山宏を全国指名手配にした。