「ヴァンダル王国」の版間の差分

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かねてよりローマ帝国の復興を企図していた東ローマ帝国の皇帝[[ユスティニアヌス1世]]は、西ローマ帝国の血を引くヒルデリック王が倒されたことを口実にヴァンダル王国に対する戦争([[ヴァンダル戦争]])を開始し、[[サーサーン朝]]ペルシャとの戦いで活躍した[[ベリサリウス]]将軍を派遣した<ref>松谷健二 135ページ</ref>。ゴダスという西ゴート系の将軍がゲリメルを見限り[[サルデニア島]]で起こした反乱の鎮圧のためにヴァンダル王国の艦隊のほとんどが北へと出帆してカルタゴ近海を離れていた<ref>松谷健二 136ページ</ref>。そのことを知ったベルサリウス将軍は、敵艦隊の間隙を突いて迅速に移動して首尾よく[[チュニジア]]に上陸を果たした<ref>松谷健二 141ページ</ref>。
 
[[533年]]晩夏、ゲリメル王はカルタゴの南10マイルの所でベリサリウス将軍と戦った。[[アド・デキムムの戦い]]として知られる両国の戦いにおいて、ヴァンダル王国軍は敵を包囲しようとしたが、各隊の連携が取れずに失敗し、逆にベリサリウス軍の各個撃破を受けることになった。前衛部隊は[[フン族]]の兵士と平原で激突したがもろくも粉砕された。後続のゲリメル部隊は少しでも有利に立とうと高所を確保して敵を迎え撃ったが、逃亡する敵をすぐさま追撃することができず、態勢を立て直したベリサリウス軍に敗れた<ref>松谷健二 146-147ページ</ref>。ベルサリウスは、残党と戦う一方で、ゲリメルが放棄したカルタゴを夜が明けるのを待って無血占領した<ref>松谷健二 149ページ</ref>。[[533年]]12月15日、カルタゴから20マイルほどのトリカマルムで再び両軍は会戦した<ref>松谷健二 155ページ</ref>。この[[トリカマルムの戦い]]でもヴァンダル軍は敗れ、戦闘の最中にゲリメルの兄弟ツァツォは討ち死にしてしまった<ref>松谷健二 156ページ</ref>。ベルサリウスはすぐさま、ヴァンダル王国第二の都市ヒッポに軍を進めた<ref>松谷健二 157ページ</ref>。[[534年]]、ゲリメルは降伏し、ヴァンダル王国は滅亡した<ref>松谷健二 166-168ページ</ref>。
 
{{main|ヴァンダル戦争|アド・デキムムの戦い|トリカマルムの戦い}}