「セミオートマチックトランスミッション」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
34行目:
それでも、自動クラッチ車はスムーズに変速するには一度ニュートラルに入れてアクセルを煽ることで回転数を合わせたり、急なシフトレバー操作を控えるなどといった独特のコツが必要とされた為、市場のニーズは変速操作も自動化されたフルATに次第に移行していくようになった。1984年にはいすゞから、自動クラッチ車をベースに変速操作も全自動化した[[NAVi5]]を搭載するアスカが発売されたが(後にジェミニにも登場)、速度域に応じてトルコンを機械的に直結する'''ロックアップ機構'''や、オーバードライブギア(O/D)を採用したトルコン式フルATが普及したことにより、主に高速巡行時の燃費やエンジン騒音の問題が解消されたため、自動クラッチ車はフルAT車に対する優位性を失っていき、日本では1980年代後半にはほぼ廃れた形式となった(但し、いすゞが[[NAVi5|N]]AVi5を進化発展させた大型トラック用の「スムーサー」は、現在12段変速まで進化している。)。その後は「全自動変速機能を持たない純然たる2ペダルMT」は、2000年に発売された[[トヨタ・MR-S]]の[[シーケンシャルマニュアルトランスミッション|シーケンシャルMT]]が近年唯一の例であった<ref>{{Cite web|url=http://www.motordays.com/newcar/articles/mrs20000922/|title=トヨタ MR-S シーケンシャルMT 新車試乗記 - MOTOR DAYS(モーターデイズ)|accessdate=2015-02-26|publisher=株式会社 デイズ}}</ref>。
 
一方、欧州ではサキソマットの遠心クラッチを流体継手に置き換えたポルシェ・スポルトマチックや、VW・オートマチック・スティックシフトなどのような形式が1980年代まで製造された後も、ルノーやフィアットなどの廉価な小型大衆車を中心に、トルクコンバータ式フルATに比べて安価に製造できる自動クラッチ車の需要が残り続け、1990年代には乾式単板クラッチを油圧で操作するルノー・イージーシステムなどが登場、1990年代後半からは電磁クラッチとMTを組み合わせた方式がセミATの機構として一般化し、さらにその変速操作をアクチュエーターにより自動化してフルATとなったAMT(ロボタイズドMT、RMTとも)や[[デュアルクラッチトランスミッション]](DCT)が、[[ヨーロッパ]]を中心に廉価な小型車や大型トラックで普及しつつある<ref>{{Cite web|url=http://www.jama.or.jp/lib/jamagazine/201102/02.html|title=JAMA -JAMAGAZINE-|publisher=一般社団法人 日本自動車工業界|accessdate=2015-02-26 |deadlinkdate=2019年4月}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://www.udtrucks.com/ja-jp/trucks/quon/cd/fuel-efficency|title=UD Trucks - 燃費効率 Quon CD|publisher=UDトラックス株式会社|accessdate=2015-02-26|deadlinkdate=2019年4月}}</ref>。AMTは日本ではNAVi5以降は[[スムーサー (変速機)|スムーサー]]や[[ツインクラッチSST]]などが、一部の大型トラックや[[スポーツカー]]に採用されている程度であったが、2014年にスズキが油圧式ロボタイズドMTである'''オートギアシフト'''(AGS)<ref group="注釈">スズキの登録商標(第5739263号)。</ref>を自社の[[軽自動車]]に積極的に採用し始め、2016年からは小型の[[ハイブリッドカー]]へと採用の範囲を広めたことで[[大衆車]]にも普及の兆しが見え始めている。
 
== 市販車での採用例 ==