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デスクトップ環境 - Ubuntu Serverとデスクトップ環境の関係を明記 |
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'''Ubuntu'''(ウブントゥ<ref>{{Cite web|url=http://www.ubuntulinux.jp/products/WhatIsUbuntu|title=Ubuntuとは - Ubuntu Japanese Team|publisher=Ubuntu Japanese Team|accessdate=2017-12-24}}</ref>、
== 特徴 ==
[[ファイル:Mark-Shuttleworth-Ubuntu-fr-Karmic.jpg|thumb|2009年 Paris Ubuntu Partyでの[[マーク・シャトルワース]]]]
Ubuntuは[[ユーザビリティ|使いやすさ]]を重要視している。例えばアプリケーションの観点では、標準的なシステムツールに加えて写真編集ツール[[Shotwell]]、オフィススイート[[LibreOffice]]、インターネットブラウザ[[Mozilla Firefox]]、メッセンジャ[[Empathy]]等がデフォルトでインストールされている。[[数独]]や[[チェス]]などの[[カードゲーム]]や[[パズルゲーム]]も同梱されている。
セキュリティの観点では、特に[[Linux]]入門者を考慮し全権限を持つrootでのログインはデフォルトでは無効になっており[[sudo]]を利用する<ref>{{cite web|url=https://wiki.ubuntu.com/RootSudo?highlight=%28sudo%29|title=RootSudo - Ubuntu Wiki|accessdate=2017-12-24}}</ref>。また最初からすべてのポートを閉じている。[[アクセシビリティ]]と[[国際化と地域化|国際化]]にも力をいれており、5.04からは[[UTF-8]]が標準の[[文字コード]]となった。 名称は[[南アフリカ共和国|南アフリカ]]の[[ズールー語]]の言葉で「他者への思いやり」を意味する<ref name="About Ubuntu" />。カノニカルの創業者は南アフリカ生まれでイギリス市民権を持つ[[マーク・シャトルワース]]である。
現在のユーザインタフェースは紫色を基調とした''Light''と呼ばれる。ロゴのフォントはイギリスのフォント制作会社Dalton Maag Ltd.の[http://font.ubuntu.com/ Ubuntu Font Family]である。最初のリリースから9.
== デスクトップ環境 ==
▲古くは[[GNOME パネル]]が利用され、GNOME 3のリリースと同時期の2011年4月に独自の[[Unity (ユーザインタフェース)]]に変更された<ref>[https://www.excite.co.jp/News/it_biz/20121023/Cobs_ie_201210_gnome-shellubuntu-gnome-remix-1210.html Unityへの変更]</ref>。その後、Ubuntu 18.04(2018年4月26日リリース)からGNOMEに戻ることが発表され<ref name="GNOME_Phone">「Ubuntuデスクトップ環境がUnityからGNOMEに変更へ--スマートフォン事業への投資も終了」 https://japan.zdnet.com/article/35099391/</ref>、Ubuntu 17.10から再びGNOMEが採用されている<ref>{{cite web|url=http://www.omgubuntu.co.uk/2017/04/ubuntu-17-10-release-date|publisher=OMG! Ubuntu!|title= This is the Ubuntu 17.10 Release Date|accessdate=2017-04-22|date=2017-04-21}}</ref>。
Ubuntu Serverでデスクトップ環境を利用したい場合、[[APT]]のメタパッケージ機能<ref>https://debian-handbook.info/browse/ja-JP/stable/sect.package-meta-information.html</ref>を利用して"ubuntu-desktop"<ref>https://wiki.ubuntulinux.jp/MetaPackages</ref>をインストールすることで実現できる。
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[[ファイル:Ubuntu Share Of GnuLinux Wikimedia japanese.svg|thumb|]][[ユーザエージェント]]によるとインターネットトラフィックの0.5%<ref name=wikimedia-stats>{{cite web|last=Zachte|first=Eric|title=Operating Systems (December 2011)|url=http://stats.wikimedia.org/archive/squid_reports/2011-12/SquidReportOperatingSystems.htm|work=Wikimedia Traffic Analysis Report|publisher=Wikimedia Foundation|accessdate=23 January 2012}}</ref>から0.65%<ref name=clicky-stats>{{cite web|title=Linux (Global marketshare)|url=http://getclicky.com/marketshare/global/operating-systems/linux/|work=Clicky Web Analytics|publisher=Roxr Software Limited|accessdate=23 January 2012}}</ref> の割合を占めており、Webクライアントの中で最も人気のあるLinuxディストリビューションである。マーク・シャトルワースによると、2006年末までに少なくとも800万人のユーザがいる<ref>{{citenews |url=http://web.archive.org/web/20080412225441/http://www.redherring.com:80/Home/20497 |title=Linux: Ubuntu Founder On Desktop Innovation|publisher=www.redherring.com |date=2008-04-12 |accessdate=2018-08-23}}</ref>。カノニカルのChris Kenyonによると2010年4月時点で1200万を超えるユーザーがいた。
サーバー版に関しても、[[Wikipedia]]をホスティングする[[Wikimedia財団]]が採用するなど<ref>[https://insights.ubuntu.com/2010/10/04/wikimedia-chooses-ubuntu-for-all-of-its-servers/ Wikimedia chooses Ubuntu for all of its servers]</ref>、大規模な採用者も増えている。W3Techsの調査では、2011年6月トラフィックの多いサーバー間の
=== ランキングの推移 ===
[[DistroWatch]]は[[オープンソース]]のOSを紹介しているサイトである。各OSのページ閲覧数を掲載しており<ref>{{citenews |url=https://distrowatch.com/dwres.php?resource=popularity |title=DistroWatch Page Hit Ranking|publisher=distrowatch.com |date=2018-08-23|accessdate=2018-08-23}}</ref>、2010年までの数年<ref>{{citenews |url=https://www.quora.com/How-long-will-it-take-for-Ubuntu-to-regain-its-No-1-position-at-distrowatch-com |title=How long will it take for Ubuntu to regain its No.1 position at distrowatch.com?|publisher=www.quora.com |date=2017-05-24 |accessdate=2018-08-23}}</ref>連続でランキング1位を獲得したが、2018年8月現在は3位である。ランキングが[[Linux Mint]]に抜かれた原因は、11.04から標準採用されたUnityがユーザーに不評だったためだという見解もある<ref>{{Cite web|date=2011-11-25|url=http://news.mynavi.jp/news/2011/11/25/047/index.html
|title=Ubuntu の人気が急降下 ― Unity の採用が原因か?|accessdate=2012-10-09}}</ref>。その一方で、[[Googleトレンド|Google Trends]]の変化は大きくなく<ref>{{Cite web|url=http://www.google.co.jp/trends/explore#q=mint,ubuntu&date=today+12-m|title=Google Trends - Web Search Interest: mint, ubuntu - Worldwide, Past 12 months|accessdate=2012-11-24}}</ref>、シェアが減少したと決めつけられないという見方もある<ref>{{Cite web|date=2011-12-06|url=http://d.hatena.ne.jp/lamich/20111206/1323146100|title=『Ubuntuのシェアが減ってる』というマイナビの記事を鵜呑みにしてはいけない - lamichの日記|accessdate=2012-10-09}}</ref>。Distrowatchの閲覧数ランキングはインストールメディアのダウンロード数や実稼動マシン数とは相関性がない。2018年現在
=== 批判 ===
[[フリーソフトウェア財団]]の会長の[[リチャード・ストールマン]]は、Ubuntu 12.10
== Debianとの関係 ==
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パッケージは基本的にDebianの[[Debian#リリースの種類|テスト版]]を元に作られている。Debianと同様にパッケージファイル形式として[[deb]]を、管理システムとして[[Debian#.E3.83.A1.E3.83.B3.E3.83.86.E3.83.8A.E3.83.B3.E3.82.B9.E3.81.AE.E5.AE.B9.E6.98.93.E3.81.95|APT]]/Synapticを使うことができる。ただし両者の「バイナリ互換性」は完全には保証されていない<ref>{{cite web|url=https://wiki.ubuntu.com/MarkShuttleworth|title=Mark Shuttleworth on binary compatibility|accessdate=2006-04-25}}</ref>。パッケージ開発者の多くは母体となるDebianからカノニカルへ「自由意思」で移動してきている。移籍したメンテナの中には、Debianの基本パッケージのメンテナンスにも協力し続けている者がいる。Ubuntuによる変更点は、Debianのソースパッケージに対するパッチとしてアーカイブする仕様になっている<ref>{{citenews |url=http://gihyo.jp/admin/serial/01/ubuntu-recipe/0477 |title=第477回 Debian 9 "Stretch"がやってきた!|publisher=gihyo.jp |date=2017-06-28 |accessdate=2018-08-23}}</ref>。
Ubuntuは当初Debianコミュニティから人材を確保しようとした。Debianの創設者である[[イアン・マードック]]
== 歴史 ==
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== リリース ==
リリースごとにバージョン番号とコードネームが存在する。バージョン番号はリリース時の年と月から作られる。2004年の10月20日にリリースされたWarty Warthog<ref>{{cite web|url=https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-announce/2004-October/000003.html|title=Ubuntu 4.10 announcement|date=2004年10月20日|accessdate=2007-09-25|mailinglist=ubuntu-announce|last=Shuttleworth|first=Mark}}</ref>のバージョン番号は4.10である。近年のコードネームは動物の名前がアルファベット順で
=== 開発工程 ===
[[ファイル:20111102-145438-UDSPrecise-XL.jpg|thumb|UDSグループ(11/11/02撮影)]]
半年ごとにリリースが行われる<ref>https://wiki.ubuntu.com/TimeBasedReleases</ref>。OSとしては比較的頻繁である。リリース月は通常4月,10月である。GNOMEのリリースからおよそ1か月後
[[バザール方式]]という開発方針を採用している。中心となるシステムは[[Launchpad]]である。Ubuntu行動規範に
=== サポート ===
リリースには通常版と長期サポート版
これに加えてカノニカルは'''Ubuntu Advantage commercial support'''と呼ばれる有償サポートも提供している<ref>[https://www.ubuntu.com/support#head-5d258da97e700cf78c82c09dcd0c6a401ee51ca5 Ubuntu Advantage commercial support]</ref>。電話やWebを通じたサポートやサポートが終了したLTS、例えば12.04 LTSのセキュリティー修正を継続して受けられる(Extended Security Maintenance、
12.04以前はLTSのサポート期間はデスクトップ向けのみ3年であったが、現在はデスクトップもサーバー版も5年となっている<ref>{{citenews |url=http://fridge.ubuntu.com/2011/10/21/ubuntu-12-04-to-feature-extended-support-period-for-desktop-users/ |title=Ubuntu 12.04 to feature extended support period for desktop users|publisher=fridge.ubuntu.com |date=2011-10-21 |accessdate=2018-08-23}}</ref>。13.04以前は通常版のサポート期間は18ヶ月であったが、管理費用を削減するために現在の9ヶ月に短縮された<ref>http://gihyo.jp/admin/clip/01/ubuntu-topics/201303/22</ref>。
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==導入==
=== 必要環境 ===
2017年現在、[[CPU]]は[[x86|Intel x86]]、[[AMD64]]、[[ARMアーキテクチャ|ARM]]などをサポートしている<ref>{{cite web |url=https://help.ubuntu.com/community/SupportedArchitectures |title=SupportedArchitectures |accessdate=2017-10-24}}</ref>。サーバー版では8.04より前のバージョンで[[SPARC]]もサポートしていた<ref name="release-7.04">[http://releases.ubuntu.com/7.04/ Ubuntu 7.04 (Feisty Fawn)]</ref>。非公式なPowerPC版<ref>https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-announce/2007-February/000098.html</ref>(7.04より前のバージョンではPowerPCを公式にサポートしていた)や[[IA-64]]
'''デスクトップ版'''
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=== インストール ===
[[ファイル:Ubuntu 10.10 Live CD start screenshot.png|thumb|[[Live CD]] (Ubuntu 10.10)]]
標準インストールで必要な機能全てが揃うように設計されている。インストールメディアは[[Live DVD]]となっており、インストールと試用の両方ができる。インストール前にハードウェアが適合しているかを確認できる。
isoイメージは公式サイトからダウンロードする<ref>[https://www.ubuntu.com/desktop isoイメージ デスクトップ版]</ref>。イメージ書き込みツールを用いてDVD/USBに書き込む事でLive DVD/USBを作成できる。Live USBは[[Unetbootin]]やUbuntuに[[プリインストール]]されている「スタートアップ・ディスクの作成」で作成できる<ref>{{cite web|url=http://linuxcom.info/install-ubuntu-from-usb.html|title=Ubuntu 11.04をUSBドライブから起動する|accessdate=2012-11-1}}</ref>。[[オープンソースカンファレンス]]などの会場に行くことでDVDを入手することが可能なこともある。
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|}
フリーソフトウェアにはUbuntuライセンスポリシー<ref name="Licensing">{{cite web|url=http://www.ubuntu.com/ubuntu/licensing|title=ubuntu/licensing|accessdate=2006-06-29}}</ref>に適合したソフトウェアのみが含まれる。これはほぼ[[Debianフリーソフトウェアガイドライン]]に沿っている。Mainにはいくつかの警告がある。それは「作者の許諾を得ることなく修正のできないバイナリ[[ファームウェア]]や特定[[フォント]]」が「再配布を妨害されない限り、Mainの中に含まれてしまうかもしれない」というものである。フリーでないソフトウェアは基本的にサポートされない
MainとRestrictedパッケージは一般的なLinuxの利用に必要なソフトウェアが全て揃うように選ばれている。同じような機能を持ったプログラムやそれほど重要でない特定の用途のプログラム等はUniverseやMultiverseに配置される。
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=== Ubuntu Enterprise Cloud ===
9.04 (Jaunty Jackalope) からサーバー版で Amazon EC2 と同様の機能を実現できる「Eucalyptus」を搭載した。9.
=== Ubuntu One ===
かつては[[オンラインストレージ]]サービス「Ubuntu One」も提供していた。9.
* ファイル
* Ubuntu One Music Storeで購入した音楽
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=== スマートフォン ===
2015年2月6日、Canonicalが[[スペイン]]の携帯端末メーカー{{仮リンク|Mundo Reader|en|Mundo Reader|label=bq}}[[:en:Mundo Reader|
上記の通りスマートフォンからは撤退が発表されている。
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* [[VirtualAppliances.net]]は仮想環境で事前にビルドされたUbuntuベースのアプリケーション集である([[仮想アプライアンス]]参照)。
* [[gOS]]は2007年11月1日に登場したUbuntuの派生ディストリビューション。[[ウォルマート]]の低価格PC [[Everex Green gPC TC2502]] 用のOSとして開発された。Googleのオンライン・アプリへのアクセスを優先した設計である。デザインは [[macOS|Mac OS X]] が模されている。
* GoogleがUbuntuをベースにした [[Google Chrome OS]] を当初オープンソースで開発していた
== 関連項目 ==
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* [[Wubi]]
* [[Mir_(ディスプレイサーバ)|Mir]]
== 関連文献 ==
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