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'''本能'''(ほんのう)とは、[[動物]]([[人間]]を含む)が生まれつき持っていると想定されている、ある[[行動]]へと駆り立てる'''性質'''のことを指す。現在、この用語は専門的にはほとんど用いられなくなっているが、類似した概念として[[情動]]、[[進化した心理メカニズム]]、[[認知的適応]]、[[心のモジュール性|生得的モジュール]]などの用語が用いられる。
 
本能の語が用いられなくなった理由のひとつは、これが説明的な概念としてはあまり役に立たなかったためである。[[脳科学]]では[[記憶]]や[[五感]]からの刺激が[[活動電位|神経インパルス]]の発火となり、次の行動へつながる源泉となることを解明しているが、本能と説明するとその前後の関係をなんら説明しない。したがって複数の定義された本能との相関関係も説明が不可能である。特定の[[心理]]や行動を本能だと述べても、その行動の神経的・生理的・環境的原因([[至近要因|至近的原因]]:これらが伝統的な心理学の研究対象であった)について何かを説明していることにはならない。またアメリカの科学史家{{仮リンク|カール・デグラー |en|Carl Neumann Degler }}によれば、1920年代から30年代にかけてアメリカの[[人類学]]と[[心理学]]の文献からこの語が急速に消えた。これは[[人種主義]]と結びついた[[優生学|優生学運動]]の人気の凋落と、[[行動主義]]や文化決定論のような[[空白の石版]]説の人気の高まりの時期と一致する<ref>Degler,C.N.'' In Search of Human Nature'' Oxford University Press 1991 pp187-214 ''Why Did Culture Triumph?'' </ref>。第三に、この語は歴史的に様々な意味で用いられており混乱を招く。
 
近年{{いつ|date=2017年5月2日 (火) 08:58 (UTC)}}、[[スティーヴン・ピンカー]]のような一部の研究者は、誤解を招く可能性を認めながらも、[[生物学]]的に親から受け継いだ性質というイメージが伝わりやすいことなどを理由に積極的に使用することがある